五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳― | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、上野の森美術館で開催されているのは、

“五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳―という展覧会。

 

(注展示室内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)

 

 

喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳。

言わずと知れた浮世絵界のスター5人が競演する展覧会です。

 

会場では浮世絵師ごとに作品を紹介。

 

 

 

新千円札の図案にも採用された、

北斎の《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》を筆頭に、

 

 

 

広重の《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》や、

妖怪ウォッチでお馴染み(?)の国芳の《相馬の古内裏》といった・・・

 

 

 

メジャー級の浮世絵が多数取り揃えられています。

浮世絵の展覧会は珍しくないような気がしていましたが、

よくよく考えてみたら、これほど大規模な浮世絵展が、

都内で開催されるのは、2020年の東京都美術館以来のような。

そういう意味では、久しぶりとなる王道中の王道の浮世絵展。

直球ど真ん中の浮世絵展です。

星星

 

 

 

なお、王道も王道の浮世絵展ということで。

初心者やライトな浮世絵ファンには、うってつけの内容となっていましたが。

あまりにも有名どころが網羅されているので、

コアな浮世絵ファンにとっては、少々物足りなさを覚えるかも?

 

 

さて、ここからは個人的に印象に残った浮世絵を紹介していきましょう。

まずは、国芳による《大物之浦海底之図》

 

 

 

壇ノ浦の戦いで敗れた平家一門が、海底で亡霊となり、

源氏にリベンジせんと陣を張っている様を描いた作品です。

ほぼほぼ『パイレーツ・オブ・カリビアン』。

髭を生やした中央の男性が、だんだんとバルボッサに見えてきました。

 

続いて紹介するのも、国芳の作品。

タイトルは、《名誉 右に無敵左り甚五郎》です。

 

 

 

江戸の伝説的な名工・左甚五郎をテーマにしたもので、

画面を埋め尽くすように、彼が制作した彫刻作品の数々が描かれています。

その中央にいるのが、左甚五郎その人。

 

 

 

左甚五郎という名前こそ有名ですが、

そういえば、どのようなビジュアルなのか、

今まで一度も考えたことがありませんでした。

こんなにも派手な服を着ているタイプだったのですね。

現代に生きていたら、ラフォーレ原宿あたりで服を買っていそうです。

なお、よく見ると、すぐ近くに猫が描かれていますね。

本人の顔を描かない&猫がそばにいる。

それにより、この左甚五郎と思われる人物には、

国芳自身のイメージも重ねられていると推測されているよう。

自分を伝説的な名工に例えちゃうのが、国芳らしいです。

 

そんな国芳のいとこ弟子に当たる広重。

彼の作品の中で特に気になったのが、

《雪月花の内 月の夕部》という作品です。

 

 

 

真ん中の女性にご注目!

 

 

 

頭の左側にも簪を指しているのですが、

障子に映る影にはそれが反映されていません。

これはミスなのか、何かの暗示なのか。

とても気になるところです。

 

 

さてさて、国芳や広重の作品ももちろんイイですが、

『べらぼう』ファンとしては、歌麿の作品が充実しているのは嬉しい限り。

ありがた山でした。

どの作品も見ごたえがありましたが、

もっとも目を奪われたのは、《遊君鏡八契 蚊帳の内外》

 

 

 

蚊帳の網目の細かさに、

思わず二度見、三度見してしまいました。

 

 

 

これを木版で再現するだなんて、

とても人間技だとは思えません!

この発注が届いた時、きっと彫師も震えたことでしょう。

こんな細かいの彫れるかよ、と。

 

ちなみに。

本展のキャプションには、作者だけでなく、

『べらぼう』効果なのか、版元も紹介されていました。

この狂気的な《遊君鏡八契 蚊帳の内外》の版元は、

『べらぼう』にも登場する鶴屋喜右衛門(演:風間俊介)とのこと。

彼なら発注しかねないと、なんか納得しました。

 

 

 

 

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