ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

「これを見ずに、印象派は語れない。」

という、どこか上から目線のキャッチコピーに、
軽くイラッとしつつも、 “ワシントン・ナショナル・ギャラリー展” に行ってまいりました。
国立新美術館にて、6月8日より9月5日まで。

マネの 《鉄道》 や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鉄道


ゴッホの 《自画像》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-自画像


そして、セザンヌの 《『レヴェヌマン』紙を読む画家の父》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-『レヴェヌマン』紙を読む画家の父


などなど。
名画の数々が展示されている美術展だったのですが。。。

なんでしょう?
このスッキリしない、残尿感のようなものは??
(食事中の皆様、汚い例えで申し訳ありません!)

1500円を払って、入口から出口まで、
確かに、美術館の会場を歩いたつもりなのですが。
どうにも美術展を観たという感じがしませんでした。
ワシントン・ナショナル・ギャラリーから名画を借りてきて、それを並べてみました。はい、どーぞ。
と云ったような内容の美術展でした。

展示されている作品のレベルは高かっただけに、
特に展示に対する工夫が見られなかったのが、残念な限り。
例えるならば、最高級の牛肉を、そのまま皿に乗っけただけのような。
煮るなり焼くなり、生で食べさすならば、それなりに何か味を付けて欲しい。

また会場の広さに比べて、
作品数が少なく感じられたのも、残念なポイント。
とにもかくにも、物足りなさが拭えない美術展でした。

ワシントン・ナショナル・ギャラリーから来日した作品は、3ツ星ですが、
今回の展示に関しては、正直なところ、1ツ星なレベル。
間を取って、2ツ星でしょうか。
星星



もちろん、作品一つ一つは、見応えありですので、
ワシントンに今後行く機会がないであろう方は、行っておくに越したことはないと思います。

僕が、特に気になった作品を3点ほどご紹介いたしましょう。
まずは、メアリー・カサットの 《青いひじ掛け椅子に座る少女》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-青いひじ掛け椅子に座る少女


美術史上、もっともやる気が感じられないモデルです (笑)
退屈感まるだし。
青いひじ掛け椅子に ‘座る’ というよりも、もはや、ずり落ちている状況です。
しかし、何よりも、

「この部屋、椅子多すぎ!」


続いて、ギュスターヴ・カイユボットの 《スキフ(一人乗りカヌー)》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-スキフ(一人乗りカヌー)


オールが漕いだ水面の描写が、ハンパなく巧かったです。
離れて、この絵を目にした時、本当に写真かと思いました。
(だいぶ、美術には見慣れているはずなのに)
日差しの温かさや、水面の心地よさ、
それに加えて、水面をオールで漕ぐときの感覚までもが伝わってくる奇跡の一枚。


最後に紹介しますのは、
その 《スキフ(一人乗りカヌー)》 の隣に展示されていた・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-障害競馬―落馬した騎手


ドガの 《障害競馬―落馬した騎手》 という作品。
思わず二度見してしまったほど、馬が下手過ぎ (笑) !
落馬した人 (…も落馬しているようには見えませんが) の描写と比べると、
圧倒的に、手抜きな感じです。
これは、もはや、落馬よりも大きな事故と言えましょう。
しかも、この絵は、数十年の間に、2度ほど加筆されているのだとか。
増築すればするほど変になってしまった家の如くです。




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