昨年はだいぶお世話になった根津美術館に、
今年に入ってから、初めて行ってまいりました。
相変わらず、門から美術館入り口までのアプローチが美しいです。
ここを歩くと、美術館に対するワクワク感が高まります。
現在、根津美術館で開催されているのは、
“墨宝 常盤山文庫名品展” という企画展。
常盤山文庫コレクションの数々を
根津美術館の優品を交えつつ、紹介する特別展です。
さてさて、昨日は金沢文庫 を紹介し、
以前には、このブログでも、静嘉堂文庫や永青文庫を紹介したことがありますが。
常盤山文庫というのは、初耳。
一体、どんな文庫なのでしょうか。
簡単に、ご説明をいたしましょう。
常盤山文庫は、実業家・菅原通済が蒐集した文化財を一堂に集めた文庫。
ちなみに、この菅原さんは、鎌倉山の開発者でもあり、日本で初めて有料道路を作ったお方。
菅原さんが鎌倉山を開発していなかったら、ローストビーフの名店は無かった…かもしれません。
それはさておき、そんな菅原さんが鎌倉山に創設した常盤山文庫は、
1982年に、防災上の理由により公開を停止したまま、現在に至ります。
というわけで、こうして、
常盤山文庫のコレクションにお目にかかれるのは、実は、かなり貴重な機会。
根津美術館さまさまなのです。
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もちろん、 “ただ貴重だから” という理由だけでなく、
常盤山文庫の名品たちは、素晴らしいものが多くありました。
そのうちのいくつかをご紹介いたしましょう。
まずは、虎巌浄伏の賛がある 《拾得図》 。
拾得の相方 (?) である寒山を描いた 《寒山図》 と対の作品。
《寒山図》 も良かったのですが、
特に、こちらの 《拾得図》 の方が、絵として好きでした。
余白の気持ち良さと、
服を描く筆の運びの気持ち良さと、
そして、顔のちょっと気持ち悪さ (笑)
それらの対比が妙です。
髪の毛は天パーなのでしょうか。だいぶダメージヘアです。
続いて、国宝をまとめて2点ご紹介。
《清拙正澄墨蹟》 と、
《馮子振墨蹟 (部分) 》
墨宝という展覧会タイトルからもわかるように、
今回は、書の名品も多数展示されていました。
書に関しては、まだまだ勉強中ですが。
さすがに、国宝に指定されている書は、目を見張るものがありました。
書の良し悪しがわからないなりに、スゴさを感じるのです。
素晴らしい映画は、字幕が無くても、スゴさを感じられるのに似ている気がします。
比喩でも、僕の頭がおかしくなったのでもなく、
書かれている文字1字1字が、今にも動き出しそうでした。
それだけの躍動感があるのです。
ラストは、 《花籠図》 。
この絵を描いたのは、16世紀に活躍した雪舟流の画家・雲渓永怡。
(読み方は、うんけいえいい)
墨一色で描かれているのに、色を感じました。
しかも、何色も。実に、カラフルです。
16世紀と言えば、カラヴァッジョが、
美術史初の静物画とも言われる 《果物籠》 を描いたあたり。
描かれているモチーフも似ているし、
余白の感じも、どことなく似ています。
もしかしたら、カラヴァッジョは、
雲渓永怡の 《花籠図》 を目にしていたの・・・かも。
~おまけ~
今回も、恒例の根津美術館の庭園の今を伝える写真でお別れいたしましょう。
冬の庭園は、深々としていました。
澄んだ水面の美しさに、思わず吸い込まれそうに。







