かかかが揺れている。4年目の節目に運営が発表した声明がヲタクには憶測と失望と怒りを、メンバーには不安と戸惑いと喪失感を与えている。
私が大好きなかかかは、かつての輝きを失ってしまった。もともと舵の利きが悪かったのだが、無理矢理なんとかしようとして壊してしまい、迷走を繰り返した挙げ句、座礁してしまった。ダテに歳をくったわけでもない私には、どこに問題があるのか手に取るようにわかるし、どこに向かうべきかという目標設定ごとに、どうすれば進むことができるか複数の処方箋を提示することができる。
目の前で溺れそうになっている大好きな乗組員達(メンバーとスタッフ)のために、今のかかかの問題点と解決策について語ろうと思う。本来なら大金をとってコンサルティングするような内容だが、3年半の馴染みなのでサービスしておく(上から)。
因みに本論に入る前に、私のスタンスを明らかにしておきたい。アイドルとは、かかかとは何なのか、今回の一連の騒動を通じて漠然と考えていた。私にとってアイドルとは、ズバリ「My faith」だ。20年も前に解散した「day after tomorrow」というユニットは若い人は知らないかもしれない。このユニットの2曲目の名曲のタイトルだ。faithという英単語は日本人にはあまり馴染みがないので解説が必要かもしれない。「信じる」という日本語に対応する英語は、今思いつくだけで4つある。
believe 事実として受け入れる
trust 信用する
faith 信仰する
rely あてにする
よく話題になる「信用する」と、「信頼する」の違い以上に、英語では何をどう信じるのかという状況別にこれらの単語を使い分けている。日本語では全て「信じる」で足りるのだが、前後の文脈から意味を判定しなければならないので、英語圏の人にはかえってややこしいらしい。「信じるよ!」「何を? どこを? 何を根拠に?」って感じ。一般的にアイドルという存在は、まず信じなければ好きになれない。それは理屈など抜きにして無条件に信仰するということになる。かといって、信用するわけでも、あてにするのでもない。ただ無条件に、あるがままに信じるのである。神を試してはいけないとイエスキリストが言ったというのは有名( 旧約聖書:申命記 第6章1-19節 新約聖書:マタイによる福音書 第4章1-11節)だが、アイドルもまた然りなのであり、悪魔の誘惑に耳を貸してはいけない。
今明らかになっている問題は、①高すぎる目標設定、②目標達成のための有効な打ち手が用意できず精神論で突破しようとしているためにメンバーやスタッフに過大な負荷が生じている、③ヲタクとのコミュニケーション不足による不信感と物語の欠如による魅力半減、である。古今東西を問わず、信仰に誘うのは神話という物語である。そして信仰を支えるのは、信心である。つまりかかかの信者達が今動揺しているのは当然だし、試されているといっていい。
事実関係を紐解きながら、根本的な原因と、考え得る対策について論じる。
■武道館を目指すこれまでの経緯
・2021年10月、かかか発足、3年以内に武道館単独公演をするという目標を立てる
・2023年5月25日1stワンマンZepp新宿、動員500名の目標を立て、669名の達成を発表。
・2023年7月25日DalyQueen制度が始まる。これまでもセンバツ戦後半はMVKが暴落していたが、当該制度により「おひねり」レベルに価値が低下した。
・2024年2月29日2ndZeppワンマン(東名阪ツアーファイナル)、スタンディング1,000人で新曲、1,300人で新衣装。5人招待でスペシャルライブにご招待。残り5日の時点で189枚しか売れていないという報告以降途絶える。具体的な戦術や打ち手を繰り出すことができず、毎日のように「諦めていません」と公式ならびに各メンバーが発信するだけの状況は、先の大戦で「気合いを入れれば竹槍で成層圏を飛ぶB29を堕とすこともできる」といって一般の主婦を集めて訓練した故事を思い出す。
・2024年4月26日、11月の3rdワンマン(無銭)に向けて新規客を呼び込むためにご新規様シアター無料キャンペーンを開始。何人が対象になったのか、その結果3rdワンマンにどれだけ動員できたのかというまとめも発信もいつも通りナシ。ご新規様ばかり優遇されて、既存のヲタクは名刺すら貰えないという状況に不満が募る。(※既存のヲタクに名刺を渡してはいけないというルールは存在しなかったようだが、メンバーやスタッフに共有されておらず現場によって対応がバラバラだった)
・2024年10月、3回目の周年祭では武道館の目標3年目が経過したことには何も触れず。半年間「お江戸行脚」と称して毎月ツーマンライブを行い、2024年11月24日に締めくくりの無銭ワンマンライブ(3rd)で777人入場の目標を掲げるが560人と未達、残り217名の新規来店で新曲・新衣装という継続ミッションと、2025年6月29日ZeppShijyukuでリベンジ公演を発表。
・無銭ワンマンライブに先立ち、11月16日に「【ドキュメンタリー】777人無銭ワンマンへと続くかかかぶぶぶききき!!!の軌跡」と題する動画を突如公開。
結成3年を迎えたかかかぶぶぶききき!!!
夢であった武道館には遠く及ばず...
まだ、武道館に立つことを諦めていません。
少しでも武道館に近づくために、今回の無銭ワンマンライブを必ず成功させなきゃいけない。
ワンマンまで残り【8日】
一緒に最高の景色を見ませんか?
わざわざ武道館前と北の丸公園を使ってロケをし、インタビューを交えながら1時間にもわたる大作を作ったのに、周年祭に流すつもりが間に合わなかったのか。14日まで8代目センバツ戦をやっていたためにこの時期になったのは明白で、無銭ワンマンのためにというニュアンスで突如公開した。
・2025年2月にはリベンジの文字は消え、4thワンマンライブ開催決定のお知らせ。4期生のデビューが発表される。もはや動員人数目標は掲げず、招待客を連れてきた人数に応じて特別プレ公演やオフ会参加権がご褒美に。
【経緯のまとめ】
・1stワンマン 目標500、実績669、但しわかりやすく運営サイドが動員をかけておりフロアのムードは最悪に。
・2ndワンマン 目標1,000、実績約200と惨敗。運営サイドが動員をかけなかったことは評価できるが、実力に対し明らかに高すぎる目標に向かい、毎日「まだ諦めていません」と繰り返したことで、無策の精神論を強く印象付ける結果となった。
・3rdワンマン 目標777人、実績560。これもあからさまな動員がなかったし、実力が伸張していることは示せたが、まだまだ武道館を目指せるような集客力がないことが明らかになった。これ以降、武道館と口にするメンバーはいなくなった。
・4thワンマン 3rdのリベンジという看板をいつの間にか下ろし、動員目標を設定しなくなった。身内だけのまったりとした空間は居心地が良かったが、ホームパーティーのようであった。
・シアターと衣装をリニューアルして迎えた4周年祭はこれという目玉もなく、かつてない閑古鳥が鳴き、いよいよ常連離れが明確となった。翌日、「大切なお知らせ」を発表し、常連ヲタクとメンバーに動揺が広がった(今ここ)。
■シアターのフルリニューアル
・5月10日に突然、シアターリニューアルが発表される。2025年6月8~27日にリニューアル工事を実施、6月28日~7月11日プレオープン、7月12日グランドオープン。
・ご新規217名獲得チャンレジがどうなったのか発表されることなく、シアターリニューアルに合わせて新衣装が投入された。
・例によって、なぜこの時期に、何を目的に、といった理念や物語が語られることはなく、「どんな風に生まれ変わるのかは、見てのお楽しみ」というスタンス。まあ、100歩譲ってサプライズにするとしても、オープン後速やかに、どんな思いでどう工夫をして、ここは是非見てほしいとか詳細を語るべきだと私は思う。そうでないと、「オープンして3年経って古さも出てきたし、飲食店は2~3年で内装リニューアルして飽きさせないことが大切ってコンサルに言われたし、金なら幾らでもあるから、思いつきでちょっと変えてみた」という程度のリニューアルではないかと思われても仕方がない。新しいロゴマークだって、内装だって、プロが頭を捻って考えたものなんだから、ポイントは?と聞けば喜んで教えてくれる筈。それをしないのは全部人任せにして投資対象としか見てないとこういうことになる。AKB48(他のグループも)がロイヤルカスタマーをがっちり囲っているのは、こういう細かい事まで発信することで物語を紡いでいるからなのだが、飲食店のコンサルはそういうアドバイスはしてくれない。
・リニューアルの主なポイント:常設シアターの大きな特徴であった、ステージを取り囲むように至近距離300度から観覧できる豪華なソファーの客席と、ステージを取り囲む花道が廃止された。ステージと客席は1本の線で区切られるようになり、新たに柵が設置された。カウンターが撤去されVIPルームと呼ばれていたスペースは「立見エリア」となった。ピンクを多用したかわいいインテリアになり、「アイドルシアター」と呼称が変わった。
・ステージパフォーマンスの流れと、物販が対バンを意識(模倣)した形にリニューアルされた。飲み物はセミオーダの飲み放題から缶飲料ワンドリンクに変更され、オリジナルシャンパンも廃止された。(※暫定的に缶飲料の飲み放題が継続中)
・かつて1人3分ずつ、出勤しているメンバー全員がローテーションで行っていたファンサタイム(おしゃべりタイム)と、ステージパフォーマンスからファンサタイムに切り替わる際に支配人の口上で店内一斉にメンバーと客が乾杯する儀式がなくなった。ファンサタイムに代わって、全てのメンバーがシーケンシャルに客全員に1分づつ挨拶して回るグリーティングとなった。
・私が考える旧かかかシアターの優位性は次の通り。①どの席からも至近距離でゆったり座り、アイドルの②生ステージパフォーマンスが③好きなアルコール飲料でほろ酔いになって、見られるし、④基本的に撮影自由であること(SNSに載せて良いのはオリジナル曲のみ)。⑤背面を埋め尽くす大型LEDを備えていること。⑥シャンパンを注文すると自分だけのためにマンツーマンでパフォーマンスしてくれること(※マンツーマンといってもステージの上で不特定多数に見せる形で行うため接待にはあたらない)。⑦一人あたり3分間のファンサタイム(お話しタイム)があり、何度か通うと全員から認知され、全てのメンバーを認知することで箱推しできること。なお、人によっては③は不要というケースはある。④については2024年秋頃から他人が注文したMVKが撮影禁止となり機会が半減した。
・今回のリニューアル後、①③⑦が消滅した。⑥は、パフォーマンスすることが残ってはいるが、シャンパンの提供がなくなった。ではリニューアル後に新たに追加された優位性はあるのだろうか、私は何もないと考えているが、ステージの形が一般的になったことで、他のグループを呼びやすくなったというし、ライブハウスのように貸し出すこともできるようになったと言えるだろう。それはどちらかといえば営業サイドのメリットなので、客からすればつまりシンプルに魅力半減だ。細かい事だが、リニューアル前座席は支配人の裁量で適切に配置されていたが、リニューアル後はMVKとセットで座席を予約したかどうかでゾーニングされ自由席となった。前者の方が顧客として個別認識されていてもてなされているという感覚を得られたのはいうまでもない。自由であることが全てを凌駕するメリットだとは思わない。
・最も問題だと思うのは、繰り返しになるが、どうしてこのようなリニューアルをしたのか、どういう狙いがあるのか、そういう一切をいつものように運営がヲタクに説明せず、サプライズの名の下に出たとこ勝負をするし、多くのメンバーも説明ができなかったことだ。せっかくアイデアを出し合ってお金と労力をかけてリニューアルしたのに、その意図が伝わっておらずマイナス面しか見えないのでは、常連は裏切られたとか、排除されたと感じるだろう。リニューアルとシステム変更を機に足が遠のいたというヲタクを複数知っている。私自身もそうだ。
1周年祭(2022)
2周年祭(2023)
3周年祭(2024)
4周年祭(2025)
■4回目の周年祭10月18日
・前夜祭で「わわわワールドツアー公演」と、「ハートロック公演」をミックスした「旧シアターが一夜限り復活」公演を開催した。その結果、ワールドツアー公演のオープニング映像を見たヲタクが、そういえば武道館はどうなったのかと思い出してしまった。
・周年祭は土曜日開催だったにもかかわらず、閑古鳥が鳴く。
・武道館はどうしたとの声に耐えきれなくなったように、突然メンバー達が「武道館を諦めていない」と言い始める。
・10月19日に運営が突如「大切なお知らせ」として、「私たちは変わる 変わらない目標のために」という声明を発表する
私たちは変わる ~変わらない目標のために~
かかかぶぶぶききき!!! IDOL PROJECTは活動開始から4年の月日が経ちました。専用シアターを持つ数少ないアイドルグループとして他にはないコンテンツの開発を続け、ありがたいことにファンの方々の支えにより5年目に突入することができました。私たちは「3年で武道館のステージに立つ」という目標を掲げて走り続けてきました。しかし、現実は厳しく、歌舞伎町から武道館までの距離はなかなか縮めることができません。決して諦めたくない。だけど、このままではいつまで経っても目標が達成できない。何かを変えなければ大切な何かが変わってしまう。私たちかかかぶぶききき!!!は「シアターメンバー総力戦」を掲げます。改めて私たちが戦える武器は何かと考えたとき、多様なメンバーがたくさん集まったシアターそのものが何よりも強い武器だと再認識しました。全てのメンバーの力を結集してシアターを起点とした活動に注力することで武道館を実現したい。しかし、相対的に選抜戦の在り方にも変化が生じます。選抜の7名はこれまで通りシアターメンバーから選抜された精鋭の7名として在り続けますが、大きいステージでのライブやミュージックビデオにはシアターメンバー全員で出演しシアターの総力を持って活動します。より多くの人に私たちのことを知ってもらうために、より多くのメンバーで露出をしていきます。
これまでの4年間を支えてきてくれたファンの方々には戸惑いや心配をかけてしまうかもしれません。しかし、ここで変わらなければファンのみんなと武道館には行けないとわかっているから。変わらない目標のために変わることを決意した私たちかかかぶぶぶききき!!!を応援してください。絶対に武道館のステージは諦めません。
KNORK Inc.
・翌20日に選抜戦の仕様変更を発表する。主な内容を引用する。
★トークポートポイント 20P/枠
8月13日のお知らせでは、1P/200円と書いてある。5分500TP=5,000円なので、25Pになるはずだが、下がったのか? それとも会計ポイント(シアターや遠隔MVKの会計では1P/100円)とは別に20P/枠が付加されるのか?
※これについては支配人に直接確認してきた。結論をいえば遠隔MVKと同じ、ということ。公式物販サイトやトークポートで申し込み、支払った場合マイページアカウントとの紐付けが明確でなくミスする可能性があるため、支払金額に応じたポイントをメンバーに直接付与することになっている。元々遠隔MVKはシアターでの支払いと同様に100円ごとに1P。TPはスタート当初200円ごとに1Pと倍額レートだったが、今回100円ごとに1Pとアップされたということ。つまり、書き手は1枠=2,000円と思い込んでいるのだが、トークポートの枠は1分単位で任意に設定できて、かかかの場合1分=1,000円に設定されているので、2分/枠=2,000円=20PTだし、5分/枠=5,000円=50PT
★センバツプライズ
・1位はセンター確約(変わらず)
・センバツだけ新衣装(変わらず)
・グループ楽曲の歌割り確約(新設)
・グループ楽曲のMVメインキャスト(全員参加、新設)
・センバツ楽曲の歌割り確約(新設)
・上位3名のユニット楽曲(新設)
・対バン・フェス等の出演確約(大きいステージは全員出演)
★推ししSETが復活
・10%引き
・ノーマルは100P
・スピーチは300P
【まとめ】
・ヲタクが困惑しているのは、過去センバツ7名のみで新曲をレコーディングし、新衣装でMVを作ってもらえ、対バンなど外の仕事もセンバツのみで行うという「センバツプライズ」があったのだが、新たにグループ楽曲というのが作られることになり、これは全員がMV(レコーディングも?)に参加し、また比較的大きなステージに出演するときには全員が参加できるという点。センバツ曲とユニット曲はMVや衣装は作られないように見える。
・序列をつけるのだから少しでも上位になりたいとメンバーは思うだろうが、センバツに入るメリットが減じたことで、センバツ入りできなくてもいいやと諦めが付きやすくなったのではないか。
・これまではヲタクの尻を叩くために、センバツ外のメンバーは徹底的に貶め差別し、活動を制限してきた。大好きな推しがかわいそうだからもっと金を払えというわけだ。私はそれは選抜外になった貴重な人財の活躍や成長機会を奪う無駄だと訴えてきたし、実際に彼女たちの寿命を縮める直接的原因にもなってきた。その結果、いくら大量に新人を入れてもすぐに人数不足になり度々常設シアターの営業維持が困難になるくらいだった。だから私は個人的に今回の変更を歓迎しているが、大事な推しのためにと無理して出費してきたヲタクは梯子を外されたように感じたのだろう。しかも変更したのはセンバツ戦の本戦が始まってから2週間程度経過したタイミングだ。厳しい言い方をすれば、運営サイドの勝手なルール変更により錯誤を生じたのだから、10代目センバツ戦はPP期間から含めて契約無効であり、払った代金を返せと主張されても仕方がない事案といえる。もちろん、バッチリ空調の効いた空間で「遊興」したのだから全額返却されることはないだろうが、本気で争われたらかなり不利だと考える。(※知恵をつけたくないので詳細を記載することは控える)
■現状の根本的な問題点を分析する
・武道館で単独ライブを行うアイドルというのは、メジャー級であるということ。それを実現する人材とノウハウを欠いているのが本質的な問題。
・個人事業主によるライブアイドルと、例えばレコード会社と契約しているメジャーアイドルの違いは、官僚構造を持つ組織が専門家を活用しながら運営する仕組みを持っているかどうかの違いである。たとえ最初は個人事業主が始めた活動であっても、最終的に組織的運営ができなければメジャーにはなれない。
・構造的な課題として、スポンサー(オーナー)とプロデューサーの組み合わせの問題があると個人的には考えている。AKB48が成功したのは、稀代の構成作家を中心に据え、オーナーは全て任せて彼がやることに一切口を挟まなかったからである。この問題については東京湾に浮びたくないので詳述は控える。
・効果的な施策を打てるアイデアマン人材がいない。マーケティング戦略を立案できる人材も、また打った施策の効果を適切に評価し、次に役立てることができるノウハウを持っている人もいない。
・一般的なビジネスやプロジェクト運営のノウハウを持つ人材がいない。最終目標と期限を設定したら、マイルストーンを設定し、KPIを定義し、PDCAを回すというのがマネジメントの教科書の第一章に書いてあると思うが、この文章の意味を正確に理解出来るスタッフは果たしているのか。因みにかかかのコアなヲタクは背景も様々で、組織人ばかりではないが、それなりの財力がなければ参加できないことから、この程度の事は理解し日常的に実践している人が大層だと思われる。だからこうした常識的で効率的なアプローチができない運営組織に不信感を抱くのは当然である。しかし、そんなノウハウを持つ人は不在なのだから仕方がない。
・現代の組織論、科学的なマネジメント手法を持たない日本人が無理目の目標達成を迫られた場合にどうするかは明白である。それは神代から変わらない大和民俗の伝統芸、精神論に走ることである。それしか打ち手を知らないのだから仕方がない。神に祈って念ずれば通ず。なに、たった80年前に大日本帝国切っての優秀人材がよってたかってやったことも変わらないので、それほど恥ずかしいこととも思わない。トップクラスの優秀な人材が集まっていると思われる現代の大企業でさえ、時々精神論で走って失敗しているし。
・かかかはそれなりに大きな組織にもかかわらず、組織マネジメントができる人材がいない。モチベーション向上や適切な目標設定、メンタルのケアといった実務を采配できる人材がいない。メンバーはみんな素直で前向きで礼儀正しいが、全員が痩せ型の若い女性なので、適切なケアをしてあげないとあっという間に消耗してしまう。
・物語を構成できる作家や、それをわかりやすく文章にできる人材がいない。広報のノウハウがない。計画を出し惜しみしているのではなく、計画そのものがないのだ。また、しょっちゅうヲタクを怒らせているのは悪気があってやっているのではなく、国語力が足りないために誤解されているに過ぎない。普通、作文が苦手なのだったら、あの手この手で饒舌になって、身振り手振り、イラストも描いたりしてコミュニケーションをカバーするのだが、苦手意識があるために常に寡黙で言葉足らずで、無駄な失敗や誤解を繰り返しているのはある意味喜劇的でさえある。悪意がないことはその少ない言葉からでも伝わっている。
・問題点は数が多く根深い。しかし、一人一人のスタッフは極めて真面目で良心的で地道な努力家で、情熱を持って仕事をしている。他己主義で自己犠牲の美徳すらある。だから今のスタッフを責めてはいけない。マンパワーとノウハウが足りないだけである。特に大きな組織に属している人は、自分の尺度で捉えてはならない。アイドル界では零細企業が大層であり、不合理が横行しているのだから、ある意味構造的課題といえる。どんなカードであれ、配られたカードで勝負するしかないのはポーカーと同じだ。
■では、どうすればいいのか
・事業としてのかかかの最も優先すべき目標は投資に見合ったリターンを得ることである。これは経済活動である以上、当然だし、それ以上でも以下でもない。同じ投資をするならもっと効率的で確実な方法は幾らでもあるのだが、無謀にもこのような非効率なプロジェクトにこだわっているのは、出資者が美学と夢を体現することで経済的リターン以上の、名声や伝説を期待しているからに過ぎない。
・アイドルグループとしてやるべきことは、ステージパフォーマンスのクオリティを高め、元気な笑顔と笑いのスパイスでヲタクを満足させることである。ヲタクによって求めているものは人により様々に違うので色々な要求はあるが、ある程度それに丁寧に応えることがベーシックなミッションといえる。
・更に応用的な内容としては、物語を編むことでヲタクを囲い込むことである。例えば、高めの目標を立ててチャレンジし成長してみせるという「成長物語」は多くのアイドルが実践しているが、育成ゲームのような楽しみがあり、ヲタクを固定化する効果がある。現在のかかかは成長物語を見せようとして失敗し、無残な公開処刑によってメンバーの寿命を縮め、「大好きな俺のアイドルを傷つけるな」と、ヲタクの反感を買っている。単に打ち手が悪いという問題もあるが、安易にリターンを高めようとしたり、根本的構造的な問題が原因になっているのも見てとれる。
・メジャーに近付きたいのであれば、優秀な人材を引っこ抜いてきて、あるいは対価を払ってプロジェクトを組成し、オリジナルで高度な物語を編み、適切なマイルストンを設定し、計画的に成長させれば良い。しかしそれには相応の追加的投資とある程度の時間がかかる。
・であれば、身の程知らずな背伸びをせず、現状保有しているリソースで最も効率よく成果を追求すべきである。即ち、物語を諦め、メジャー化も放棄して、坦々と日々の公演満足度を上げてゆくことである。売上のために身内同士で戦いをさせるのではなく、バカみたいに高額な料金設定をせず、ヲタクの声をよく聞き、その満足度を高めることだけを追求すれば良い。メディアで派手に取り上げられることはなく、業界の有名人になることもないかもしれないが、サンクチュアリを得られるし、今より人に感謝されることも増えるだろう。但し、それを決めるのはオーナーである。
■最後に
・現状を整理した上で、改めて今回の騒ぎの原因である声明を読み返してみる。
・武道館のステージに立つという目標はグループの存在意義だから変えないという主張はわかった。目標実現のために、今まで懲罰的に冷遇してきたシアターメンバーを含め全員で戦うことにしたという戦略もわかった。
・ただ、戦うというのが、相手は誰で、どのような戦術で戦うのか、いつまでに何をやるのかということは書かれていない。書いていないだけじゃなく、恐らく誰の頭にも具体的なアイデアはない。武器については言及されていて、「シアターそのもの」だと言っている。文脈からすると、これは現存するメンバー全員と読み替えて良いだろう。アイドルグループなのだから、アイドルが武器であり価値なのは当然のことだが、まずはそれに気がついてくれてよかった。
・既存のヲタクに「戸惑い」や「心配」をかけてでも、今回方針変更をすると宣言している。その代り武道館に立つのだから応援しろと呼びかけている。これは前述した「錯誤」に対するフォローである。運営サイドは究極目標は変えていないから錯誤ではないと言いたげだが、ヲタクは遠くの目標ではなくて現センバツ戦で推しが上位にランキングされることで得られる具体的なメリットを期待していたのだと主張するだろう。
・ざっくりまとめると、武器はメンバーそのもの。今まで邪険に排除してきたシアターメンバーも含めて総力戦でヲタクを増やし、武道館でライブしても恥ずかしくない動員力を得て究極目標を達成しますと言っている。内ゲバに時間と労力を費やすのはほどほどにして、グループの認知を広めることに注力するという方針転換は画期的であると評価できる。
・声明には戦術の方針転換についてのみ書かれているため、具体的な戦術の内容については書かれていないし、これまでの経緯に対する反省もない。従って以下は私個人の推測で書く。センバツ戦の結果によって1部のメンバーが不遇をかこつという理不尽な待遇が解消されることで、全体のパフォーマンスとメンタルヘルスの向上が期待できる。しかし戦術は不在で新たに画期的な手法が導入される期待は薄い。メンバーが頑張るという精神論で対応し、具体的なマイルストンも設定できないだろう。客観的に見て、目標が達成できる見通しが立たない。厳しいことを書けば、運営幹部とスタッフ双方の実力不足である。この場合、とり得る選択肢は2つしかない。実力不足を補い目標達成の目処をつけるか、目標そのものを実現可能なものに変更するか、である。オーナー目線に立てば、追い銭をしてでも目標を達成し、より高いリターンを得る選択が第一になる。Pにとっては「実績」になるため、やはり武道館を希望するだろう。夢を持って日々研鑽しているメンバーも、目標を下げることは希望しないだろう。ヲタクは2分されると思う。好きなグループが武道館のステージに立つことに価値を感じるか、感じないか、である。
・私の個人的な感覚では、特に価値を感じない。場所にこだわりはなく、好きなグループの「格」にもこだわらないから。それより距離感が近く快適な方が嬉しいので、シアターを改善してくれた方が余程得るものは多い。例外として、「推し」が本心から希望するなら叶えてあげたいと思うが、既に卒業していなくなってしまったのでもはや関係ない。
■おまけ
新しいドキュメンタリー「【運命をかけた戦い】かかかぶぶぶききき!!! IDOL THEATREドキュメンタリー#1〜 選抜戦開幕!!!武道館を目指すアイドルシアターとは 〜」が公開されたので見てみた。内容的には今回の声明を反映してあって最新になっているけれど、とりたてて新しい内容はない。続編で何が語られるのか、あまり期待はしていない。ここはPが具体的なプランを語るべきだが、それは絶対にないだろう。別にPじゃなくてもいい、物語や戦略を考える人が登場してくれるといい。










