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ハーフエタニティ(スウィートテン)リング

 皆様今日は。

 以前のブログでスウィートテン・ダイヤモンド・リングを作るべく原型を作ったという記事を
 アップ致しました;
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 一本はダイヤ10個トータル1ct用ともう一本は10個トータル0.5ct用です。
 今回アンレーヴとして始めて裏取りつまり出来るだけ光を取り込めるように採光部を四角く
 抜いたもの(裏取り)をトライ致しました。

 
 出来上がるまでは長い道のりです。
 まず原型作りを職人さんにお願い致しましたのが3月半ばでした。

 そして原型が出来ましたのが5月半ばですが、原型は手作りとなりますので高く付くのですよ。
 今度は原型から型を取り鋳造と仕上げをお願いします。
 これが出来上りましたのが6月半ば過ぎでした;
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 繊細になるほどに鋳造も大変ですし又裏取り箇所ような細かな部分の仕上げを施せるところも
 あまりありません;
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 折角裏取りを施してもそこの仕上げが出来なければ地金が肌荒れのような状態ですので
 ダイヤの美しさが損なわれます。
 従い一箇所一箇所丹念に仕上げられなければなりません。

 そうして鋳造・仕上げを施された枠を今度は石留めに出し先日ようやく上って参りました;
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 出来上がりを見た印象はやはり「キレイだな!!」です。
 ハイジュエラーの多くがエタニティリングに裏取りを施す意味がよく分かります。

 この価格のメカニズムはと申しますと、(原型作りは別として)
 ダイヤ代+鋳造+仕上げ+石留め+地金にアンレーヴの利益(内緒)が乗るわけですが、
 繊細なリング作りですので鋳造と仕上げが大きなポイントになります。
 後は鋳造で且つ裏取りで地金部分を抜いてしまうわけですから、強度面に考慮し
 それなりの厚みを取る為にプラチナは結構使っています。
 1ctの方は9g以上使いリングの幅は4mm強、0.5ctの方でも6g以上のプラチナを
 使いリングの幅は3mm強あります。
 
 お値段的には1ctの方で約33万円0.5ctの方で約18万円と結構リーズナブルを
 実現出来ますのは鋳造製法を上手くクリアー出来たからです。
 これを鍛造(手作り)で作りますとそれぞれ10万円位高くなってしまいます。

 
 ただ思いますに、エタニティリングは勿論お客様のご予算もありますが、用途によっても
 上手く作り分ける必要があります。
 例えばエンゲージリングとしてのエタニティであれば美しさ重視でこのような裏取りを
 施されたものでも良いと思いますが、マリッジリングとしてのエタニティでは
 付けっ放しにされることも考慮に入れ美しさと強度を両立させて作る必要があります。
 そういう意味でお買い求めになられる際は用途を明確にされてお店なりとご相談されるのが
 良いと思います。

 そんな中でエタニティリングはダイヤの品質を落とさなくてもメレダイヤの大きさ、使用量、
 作り方次第で結構幅広い価格帯を作れますし、飽きることなくその美しさを享受
 できますので、一本でも品質の良いものを持たれれば汎用性は広いかと存じます。



                                アンレーおじさん
 

カットの良し悪し

 皆様今晩は。

 当社には、と言っても総勢合わせて4名の会社ですが、その中の一人に鑑定機関のAGTで
 グレーダーをやっていたものがおります。

 今日彼との会話の中で私が、「いつからこんなにトリプルエクセレントが乱発されるように
 なったんやろ??昔は中々でえへん(出ない)かったのになぁ~」と言いますと、
 彼は、「僕等の頃はあら探しのようにして見て、少しの小さな欠点(それがマイナーなものでも)
 でもあれば出しませんでしたから」と言う答えでした。

 今これだけ出ているのでトリプルエクセレントの中に、エクセレント・ベリーグッド・グッドの
 序列が十分につけれるぐらいですから困ったものです。
 以前はアメリカのGIAはカット評価を出していなかったのですが、今は出すようになり
 これが又甘いときますから余計その流れに拍車が掛かっています。
 まさに「悪貨は良貨を駆逐する」と言える様相です。

 
 そんなわけで今日はいつ以来か忘れましたが、ダイヤモンドのカットについての記事を
 書かせて頂きます。
 本当は皆様にとりましては、鑑定書のダイヤの写真を買われる前にチェック出来れば
 それが人間の説明より正直で一番分かりやすいです;


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 ダイヤの上から光を当てますとガードルより上のクラウン部分が、ガードルより下の
 パビリオン部分に陰を作ります。
 そのダイヤのシンメトリー(対称性)が優れておれば写し出される陰はキューレット
 の周りに一様に出るはずです。

 まず赤で囲いました大きな方の八角形をテーブルと呼びますが、そのテーブルの陰が
 キューレットを中心としてパビリオン部分に出ます。
 (赤で囲みました小さな八角形です。)
 このテーブルの陰(写り)を「ダブル(二重)テーブル」と読んでいます。

 私どもはルーペでカットをチェック致しますときには、まずこのダブルテーブルが
 キレイに出ているのどうかを見るのですよ。
 これがバッチリ決まっているダイヤは見ていて気持ちが良いものです。
 
 このダブルテーブルを含めクラウン部分がパビリオン部分に陰を作る様を
 「写り」と言っています。
 「写りが良い悪い」或いは「写りがキレイキタナイ」という言い方をします。
 理想的な写りはこんな様です;
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 この写りのイメージを頭に入れて頂き実際の鑑定書上のダイヤの写りをご覧下さい。
 まずカット評価が「グッド」では;
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 かなり崩れていますでしょ。

 次は所謂ノーマルエクセレントの写真です;
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 先ほどのグッドと比べるとかなり良くなっていますがダブルテーブルや写りに不均一な
 ところが見られます。

 最後にトリプルエクセレントです;
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 これになりますと写りがかなり決まっていますでしょ。


 ダイヤモンドのカットについてお店から皆様へはいろんな形のアプローチがなされて
 おりますが、我々プロがチェックするポイントはこのダブルテーブルを含めた写りです。
 
 そういう意味で本来はお客様にお買上げいただく前に鑑定書をご確認頂くのが一番かと
 思います。
 アンレーヴは神戸にお店を構えた当初はそうしておりましたし、その写りのご説明に
 結構時間なども割いたのですが、ちょっと退屈そうなカップルも多くあまりベタのことは
 しない方がよいのかと以来お店ではそういった説明をしなくなりました。
 又ダイヤも卸しと兼用にしませんとお店用に決めて鑑定書を取るのも非効率ですので
 今は鑑定書も事前には取っておりません。

 私個人的な意見ですがアメリカのGIAが鑑定書にもダイヤの写真を載せないのは
 もってのほかだと思っています。
 ガードルにシリアルNoを刻印とか言われますが、実物の写真を貼り付けることの
 方が大切なはずなのですが。

 いずれにせよ、カット工場が工賃の安いところに移転した今の方がカットのレベルが
 以前より落ちているにも関わらずトリプルエクセレントに溢れかえっている現実には
 辟易しているところです。

 



                                 アンレーおじさん
 

「鍛造と鋳造」

 皆様今晩は。

 私のこれまでの説明では、鍛造製法と鋳造製法は、鍛造が上等で鋳造がそうでないように
 思われるかもしれません。
 でも本来的には、ジュエリーを作るときに、どういう方法を取れば一番合理的で且つキレイに
 出来るかで判断をされるべきものなのです。

 鍛造は読んで字の如く地金を鍛えて作ることからそう言われます;


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 鋳造は一気に多くのものが量産出来又型に流し込みますので同じものが出来る利点もあります;

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 一般的には鋳造と申しますと、出来るだけコストを掛けないようにと前回ご説明申し上げました
 ように、① 鋳造 ② 部分加工 ③ 仕上げ ④ 石留め ⑤ 地金
 後は部分加工の発生を避け、簡単な仕上げと石留めだけで済むように一体で上ってくるように
 作られることが多いです。
 徹底して安く作ろうとすると仕上げは程ほどに石留めは安い職人さんそして地金の使用量も
 出来るだけ多くを使わないようにします。

 前回のプリンセスのシンプルなリングは一体ではなく二体つまりアームと爪を別々に
 鋳造しますので部分加工が発生し鋳造品としてはコストが掛かりその代わりかなり上等な
 ものが出来る訳です。

 このように鋳造製法もこだわっていきますと、それぞれパーツ毎に鋳造しそれらパーツを
 キレイに仕上げそして一体のリングとして組み立てられます。
 こうするとコスト的にはどんどん鍛造(手作り)に近づきます。


 今や世界で最もキレイなジュエリーを作ると言われます芦屋のギメルのジュエリーは
 基本的には鋳造製法です。
 安く作る意図は全くなく定番はいつもきっちり同じように出来るようにとの思いから
 そのパーツ毎に鋳造します。
 以前ご紹介致しましたセンターストーンが1ctのファンシー・ビビット・ピンクが
 留められました最高峰のジュエリーを再度ご覧下さい;

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 以前ご紹介致しました時には敢えてお値段を伏せましたが、実はこのジュエリーは
 オーストラリアのシドニーにある超有名なお店からある富豪に何と一億数千万円で
 売られたものです。
 日本で作られたジュエリーが世界的に評価され世界の富豪に買われるのですよ。
 凄いっしょ。。

 これも花びらの一枚一枚はパーツとして鋳造で作られて後で組み立てられています。
 この花びらの地金は、メレダイヤが留められる前は蜂の巣状に裏取りさせているのですが
 そこをピカピカの状態まで仕上げされます。それはそれは気の遠くなるような作業です。
 それも地金(これはプラチナ)は金属なので硬いものだと思われがちですが、結構柔らかく
 その為に仕上げ時に強く擦ると地金がダレますので非常に繊細さが要求されます。

 そして使われるメレダイヤも作る前からどの位置にどのサイズを持ってくるか
 綿密に練られています。従いメレダイヤもフルサイズ持つ必要があります。

 ここでちょっとアンレーヴの宣伝をさせて下さい。
 アンレーヴが使うメレダイヤは同レベルなものを使っているのでするよ。。
 中々通じないところなのですが…(しょぼん)

 それはさておき、最高峰のジュエリーを身近に見れる機会に恵まれ本当に多くのことを
 学ばせて頂いております。
 ただ名もないアンレーヴのジュエリーについつい手を入れてしまうという部分では
 苦しみでもあったりしますが。


                                 アンレーおじさん

 (このギメルの画像は許可を頂いて使わせて頂いております。)