前回のつづきです。
この日、15時から往診専用の先生が初診に見え、その後で訪問看護士、訪問介護士の契約と打ち合わせが続く予定でしたが、事態を聞きつけ看護士さんだけ先に訪問してくれました。
こちらの看護士さんは実に頼もしい。
酸素ボンベのことは手慣れていてお任せできたし、父の状態を確認して、たん吸引を行い、担当医師に電話で報告してくれています。
■病院同士の鬩ぎ合い
突然、往診医師の事務担当から「○○さん(父)の状態をお聞きする限り、初診で看取りを行うなんて普通できないんですよ!そもそもO病院はそんな状態の患者さんを退院させてはいけないんです!たとえ搬送中に急変したのであっても、その時点でO病院に戻すべきなんですよ!今O病院に状況の確認をしていますから、最悪の場合またO病院に戻ることになりますので、ご了承下さい!」との怒りの連絡が来ました。
次に往診の先生から直接電話が来て、O病院での引き渡し時の父の状態を詳しく聞かれました。そして私たち家族の意思を確認されました。
医師:もう、やれることはやってきたんだよね。最期は家族で、お家で看取りたいんだよね?
私:はい。せっかく家に帰ってきたのにまた送り返すのはかわいそうです。先生に来てほしいです…。
先生は私に、父の口元に受話器を持って行って、呼吸音を聞かせるように指示しました。
そして「苦しそうに見えるかもしれないけど、もう見た目ほど本人は苦しくないよ。意識も半分あちらに行っている状態だからね」と教えてくれました。
そして父を引き受けてくれることになりました。
15時過ぎ。
父の意識は戻らないまま、先程電話をくれた医師、看護士、介護士、事務員、ケアマネージャー(父担当のケアマネさん)…大勢が我が家に集いました。
ケアマネージャーさんが父の状態をよく把握してくれていて、予め作成した介護計画を全員に配ってくれます。
◆介護士さんが1日5回、オムツ交換や体位の変換、体拭き、着替えなどのために訪問。
◆深夜の訪問はベルを鳴らさない(家族を起こさず、父の介護のみする)
◆看護士さんが1日1回、容体を確認に来てくれる(たん吸引なども)
◆看護士さんが医師の往診が必要と判断したら、医師に連携してすぐ来てもらう。
◆上記の訪問以外にも、家族からの要請があれば、介護士、看護師、医師それぞれ駆けつける。
そこには、父が家で気持ちよく過ごすための万全な介護計画がありました。そして、私たち家族のケアも必要と書かれている。
皆さんは父を囲みつつ、熱心にこの計画書を読み、更に話し合って内容を詰めてくれている。さっきまで1人で全部引き受けなきゃいけないような気持ちでいた私は、なんて頼もしいチームなんだろう。
この人達となら、私は頑張れると思う。
こんなことならもっと早く父を退院させてあげればよかった…と思いました。
■頼もしいM病院チーム
今回訪問してくれた往診医師・訪問看護士・訪問介護士・会計事務員さん。
この人たちはみんな1つの病院(M病院)の人たちです。
O病院と同じく総合病院ですが、それとは別に定期巡回サービスを設けています。
家で看取りたいというニーズに応えて全てを「訪問」で対応してくれるのです。
特にこの病院は医療系と介護系とそれを繋ぐ会計事務が1つのチームになっているので、1人の患者の状態を全員で連携してくれて頼もしいと思いました。
※ちなみに怒りの電話をかけて来たM病院の事務と名乗る方はあの電話以来で、
訪問してくれた事務の方ではありません。
つづく。
