の続きです。
2004年7月。25歳のときのこと。
組合活動の一環で行われた
フィリピンでの植林活動のセミナーで、
生涯忘れることのない貴重な10日間を過ごした。
行った先は、
ヌエバヴィスカヤ州のキランという村。
現地に着いて目にした景色に、
私は愕然とした。
遥か遠くまで山は見えるのに、
どこを見てもほとんど木がない。
行ったのは雨季だったので、
草が生えて緑に見えるが、
乾季になると草も枯れて茶色の山々となるそう。
伐採された木は高度成長期の日本に
輸出されたという。
そして今もなお、木がないために
土砂災害などの被害があるのだとか。
私たちの便利で豊かな暮らしは、
何を犠牲に成り立っているのか?
大きな疑問を感じるキッカケとなった。
実際の植林作業では、
飲み水を腰にぶら下げ、
重たい苗木を背中に抱えて、
想像以上に険しい山道を登っていった。
足元を確かめながら、
一歩ずつ登っていくことに精一杯。
登りきっただけでも達成感がこみ上げてくる。
でも実際の作業はそれから。
急な斜面に穴を掘って苗木を置き、
一本ずつ丁寧に植えて行った。
みんなで声をかけ合いながら
協力しあって作業を進めることができた。
過去のこのセミナー参加者の
植えた木々も見に行った。
全体から見ると微力でしかないが、
着実に緑が再生していることを実感した。
現地では、
初日にホームステイが行われたり、
現地での生活をサポートしてくれる
ワーカーさんとのふれあい、
ワーカーさんのお宅へのホームビジット等々、
多くの現地の人たちとのふれあいがあった。
英語が話せず、
もどかしく思うこともあったが、
ふれあうということは、
心と心を通わせることであり、
言葉は通じなくてもふれあうことはできるんだな。
言葉だけではない真のふれあい、
気持ちを持って接することの大切さを学んだ。
小学校訪問にも2校行き、
現地の子どもたちと交流した。
出し物として用意していたシャボン玉をしたり、
一緒に輪になって踊ったり。
はにかみながらも興味津々に
私たちを見ている子どもたち、
時間がたつごとに次第に緊張感がほぐれ、
一緒に走り回って遊んだ。
あんなに人見知りしてたのに
帰り際には、私たちが見えなくなるまで、
「バイバーイ!」「アイラブユー」
などと大きな声を張り上げて
見送ってくれる様子に胸が熱くなった。
子どもたちのキラキラと輝いた純粋な瞳は、
とても強く印象に残り、
何か大切なものを思い起こさせてくれるかの
ように私の心を温めてくれたのだった。
人と、大地と、本当にたくさんの
ふれあいがあった10日間で、
一番ふれあったのは、やはり共にしたメンバーだった。
北海道から沖縄まで、
全国各地から集まった16名の仲間たち。
異国の地で寝食を共にし、
四六時中同じ時間を過ごす中で、
みんなが発言する姿、行動する姿、
仲間を気遣う姿、前向きに取り組む姿、
同じ志をもった仲間から学ぶことは、
本当に大きかった。
仲間の優しさを感じたとき、
自分ももっと人に優しくありたいと
思うこともたくさんあった。
毎日の話し合いの中で、
自分とは違った視点や多様な考え方を
聞くことで、人を知り仲間を知り、
自分の視野が広がっていくように感じた。
日本では体験しえないことを体験し、
多くのことを感じた10日間。
まずはこの体験を伝えていきたい。
そしてもっと環境問題のことを知りたい。
自分にできることをやっていきたい。
という情熱が沸き起こった。
帰国後、環境問題の本を読みあさり、
世の中の見方ががらりと変わっていった。
次第に毎日の暮らしのあり方から、
食のあり方も変わっていくのだった。
続く
食と心の発酵教室 りんからん





