双極性障害の周期的傾眠について(8)
今回のエントリは「ジョージ・ソロスのオヤジ(7)」の続き。
過去ログに周期性に「眠り姫状態になる人たちがいる」と言った記載をしている。
この眠り姫状態だが、双極性障害ないし非定型精神病の人に見られる傾向があるが、それ以外の精神疾患、例えば広汎性発達障害や境界型人格障害などの診断をされている人でも同じような所見がみられることがある。
眠り姫状態は必ずしもうつを伴わない。患者さんは、朝から眠く動けないため、しようと思ったことが全然できないと訴える人が多い。
たまに眠り姫状態でも精神的苦痛をほとんど感じない人もいるようであるが、日常生活に支障を来たしているのは確かであり、やはり精神疾患の一連の所見と考えるべきである。これを自分の性格と言い張るのはかなり苦しい。
実はこの眠り姫のごく軽い状態は、精神科にかかっていない人でも経験する人がいる。例えば疾患性のないウェールズの人などである。彼女(彼ら)は、周期的にいつも眠く、思うように動けない時期を経験する。これは季節性であったりする。
入院レベルの双極性障害ないし非定型精神病の人では、この眠り姫状態になると、「薬の副作用だ」という人もいる。このような人は、このような時期は薬を減らしてくれと強く訴える。
薬は変更なく継続しているわけで、周期的にそのような状態になるのであれば薬のせいではなく、疾患性である可能性の方が遥かに高い。
その理由だが、精神科医から診ると、全く服薬していない人たちにも同じような病態が観察される上、むしろ薬を増量することでこれが解消することがよくみられるからである。
そういう風に説明しても、洞察、理解できず、体内にだんだん薬が溜まり、そういう風になると思っているようである。
その思う理由の1つは、その時期に薬を減らすと、いったん体が軽くなることが多いから。しかし元の疾患は変わっていない上に、治療エネルギーが下がるため、服薬しないままでいると大変なことになりかねない。
それは重度の躁状態やうつ状態、あるいは非定型精神病性の夢幻様状態や亜昏迷である。また、自殺のリスクも高まる。
このような病態は、基本的にはリーマスが良いことが多い。リーマスの血中濃度をチェックし適切量を飲むことで、このバイオリズムはかなり改善する。ただし、リーマスが服薬できればであるが。
理想的にはリーマスが良いと言う点でも、この「眠り姫状態」は双極性障害あるいは非定型精神病と深く関係していることがわかる。
それ以外では、ラミクタールは極めて有望な薬物である。
双極性障害治療のベースとなる気分安定化薬はリーマスが傑出しており、デパケンRはやや効果が落ちる。併用することでなんらかの好影響を及ぼすが、決定的な制御の力がやや劣る印象なのである。(実はラミクタールもベースとして適していると思うが副作用を含め、いろいろと制約が大きい)
デパケンRをメインに治療している双極性障害の人たちは時間が経つと、デパケンRは必要でなくなり、普通の抗うつ剤だけでコントロール可能とか、それどころか、薬が全く必要でなくなる人すらいる。
このような人々をみると、デパケンRが比較的合うような人たちは古典的双極性障害とは少し距離があるのではないか?と思うほどである。
デパケンRは、妙に守備範囲が広いことも含め、不思議な薬だと思う。デパケンRの効き方を観察していると、精神疾患の理解が深まり謎が解けることがある。
参考
異常な暖冬
1.01の人
リーマスのテーマ
デパケンRのテーマ
ラミクタールのテーマ
頭のない人が歩いて来る
躁うつ病は減っているのか?
過去ログに周期性に「眠り姫状態になる人たちがいる」と言った記載をしている。
この眠り姫状態だが、双極性障害ないし非定型精神病の人に見られる傾向があるが、それ以外の精神疾患、例えば広汎性発達障害や境界型人格障害などの診断をされている人でも同じような所見がみられることがある。
眠り姫状態は必ずしもうつを伴わない。患者さんは、朝から眠く動けないため、しようと思ったことが全然できないと訴える人が多い。
たまに眠り姫状態でも精神的苦痛をほとんど感じない人もいるようであるが、日常生活に支障を来たしているのは確かであり、やはり精神疾患の一連の所見と考えるべきである。これを自分の性格と言い張るのはかなり苦しい。
実はこの眠り姫のごく軽い状態は、精神科にかかっていない人でも経験する人がいる。例えば疾患性のないウェールズの人などである。彼女(彼ら)は、周期的にいつも眠く、思うように動けない時期を経験する。これは季節性であったりする。
入院レベルの双極性障害ないし非定型精神病の人では、この眠り姫状態になると、「薬の副作用だ」という人もいる。このような人は、このような時期は薬を減らしてくれと強く訴える。
薬は変更なく継続しているわけで、周期的にそのような状態になるのであれば薬のせいではなく、疾患性である可能性の方が遥かに高い。
その理由だが、精神科医から診ると、全く服薬していない人たちにも同じような病態が観察される上、むしろ薬を増量することでこれが解消することがよくみられるからである。
そういう風に説明しても、洞察、理解できず、体内にだんだん薬が溜まり、そういう風になると思っているようである。
その思う理由の1つは、その時期に薬を減らすと、いったん体が軽くなることが多いから。しかし元の疾患は変わっていない上に、治療エネルギーが下がるため、服薬しないままでいると大変なことになりかねない。
それは重度の躁状態やうつ状態、あるいは非定型精神病性の夢幻様状態や亜昏迷である。また、自殺のリスクも高まる。
このような病態は、基本的にはリーマスが良いことが多い。リーマスの血中濃度をチェックし適切量を飲むことで、このバイオリズムはかなり改善する。ただし、リーマスが服薬できればであるが。
理想的にはリーマスが良いと言う点でも、この「眠り姫状態」は双極性障害あるいは非定型精神病と深く関係していることがわかる。
それ以外では、ラミクタールは極めて有望な薬物である。
双極性障害治療のベースとなる気分安定化薬はリーマスが傑出しており、デパケンRはやや効果が落ちる。併用することでなんらかの好影響を及ぼすが、決定的な制御の力がやや劣る印象なのである。(実はラミクタールもベースとして適していると思うが副作用を含め、いろいろと制約が大きい)
デパケンRをメインに治療している双極性障害の人たちは時間が経つと、デパケンRは必要でなくなり、普通の抗うつ剤だけでコントロール可能とか、それどころか、薬が全く必要でなくなる人すらいる。
このような人々をみると、デパケンRが比較的合うような人たちは古典的双極性障害とは少し距離があるのではないか?と思うほどである。
デパケンRは、妙に守備範囲が広いことも含め、不思議な薬だと思う。デパケンRの効き方を観察していると、精神疾患の理解が深まり謎が解けることがある。
参考
異常な暖冬
1.01の人
リーマスのテーマ
デパケンRのテーマ
ラミクタールのテーマ
頭のない人が歩いて来る
躁うつ病は減っているのか?