ドラッグラグと高薬価
精神科に限らず、新薬の承認が海外の国から大幅に遅れていることが問題になっている。例えばクロザリル(クロザピン)などがそうである。
「クロザリルは日本ではじめて承認された治療抵抗性統合失調症治療薬」とノルバティスのサイトに記載があるが、海外では既にジェネリックの時代なので、メーカーも積極的に宣伝していない面がある。クロザリルは日本では2009年4月にやっと承認されたものの、今でも種々の制約があり、どこの病院でも処方できるわけではない。
新薬の承認が海外に比べ日本で大幅に遅れることはドラッグラグと呼ばれているが、実はこれに平行して、適応外処方の問題がある。日本では海外に比べ、効能・効果を追加することが容易ではないため、狭い効能効果のまま長期にわたり販売が続けられることが多い。
この問題に関しては、最近でもジプレキサの双極性障害の追加のエントリで触れているし、エビリファイやセロクエルなどの記事でも同じような内容をアップしている。
イーライリリーがなんとか治験をして、ジプレキサに双極性障害の効能・効果追加をしたのは、まだ日本ではジェネリックが発売されておらず、ジプレキサが高薬価なこともかなり大きい。
例えば、リボトリールはレストレス・レッグス症候群(いわゆる、むずむず足症候群)にかなり有効であり、長くファーストチョイスのように処方されてきたが、実は適応外処方なのである。
この有効性はたぶん治験を行えば適応が取れる確率の方が高いと思うが、リボトリールのように古くて薬価の安い薬で、巨大な投資をして適応を取る価値が製薬会社からみるとほとんどないと思われる。
適応を取らなくても、適応外処方でたいていの医師が処方しているからである。
実はレストレス・レッグス症候群は、今では抗パーキンソン薬のビ・シフロールが適応を取っている。
リボトリールとビ・シフロールの決定的な相違は、薬価が高いか低いかであろう。
製薬会社からすると、リボトリールはわざわざ適応を取るのは赤字を出すことに他ならないが、ビ・シフロールはそうではないのである。企業の考え方からするとそれは当然であろう。
例えば、過去ログでもカタプレスはチックに有用性があると書いているが、チックに効能があるわけではない。
このクラスの低薬価の薬は有用性があるとわかっていても、今後、効能・効果が追加されることはほぼありえないと思われる。これは日本の健康保険制度や新薬の承認、効能・効果の追加のあり方が関係している。
今では、何か適応外処方をする際に、低薬価の薬であればコメントを書けば認められることが多い。しかし高薬価の薬は厳格に審査される。
過去には、もう10年以上前であるが、論文などをレセプトに添付して提出していたこともあった。しかし、それで認める審査の医師もいれば無視する医師もいるので、そこまで有効な方法ではない。低薬価なら、簡単なコメントでよい場合もあるのである。
このようなドラッグラグや適応外処方の問題は、精神科に限らず他の科でもしばしば見られている。
参考
ジプレキサ、躁状態の効能・効果追加
統合失調症とトピナ
貴方が来るのを待っていました(エクセグランとトレリーフの部分)
「クロザリルは日本ではじめて承認された治療抵抗性統合失調症治療薬」とノルバティスのサイトに記載があるが、海外では既にジェネリックの時代なので、メーカーも積極的に宣伝していない面がある。クロザリルは日本では2009年4月にやっと承認されたものの、今でも種々の制約があり、どこの病院でも処方できるわけではない。
新薬の承認が海外に比べ日本で大幅に遅れることはドラッグラグと呼ばれているが、実はこれに平行して、適応外処方の問題がある。日本では海外に比べ、効能・効果を追加することが容易ではないため、狭い効能効果のまま長期にわたり販売が続けられることが多い。
この問題に関しては、最近でもジプレキサの双極性障害の追加のエントリで触れているし、エビリファイやセロクエルなどの記事でも同じような内容をアップしている。
イーライリリーがなんとか治験をして、ジプレキサに双極性障害の効能・効果追加をしたのは、まだ日本ではジェネリックが発売されておらず、ジプレキサが高薬価なこともかなり大きい。
例えば、リボトリールはレストレス・レッグス症候群(いわゆる、むずむず足症候群)にかなり有効であり、長くファーストチョイスのように処方されてきたが、実は適応外処方なのである。
この有効性はたぶん治験を行えば適応が取れる確率の方が高いと思うが、リボトリールのように古くて薬価の安い薬で、巨大な投資をして適応を取る価値が製薬会社からみるとほとんどないと思われる。
適応を取らなくても、適応外処方でたいていの医師が処方しているからである。
実はレストレス・レッグス症候群は、今では抗パーキンソン薬のビ・シフロールが適応を取っている。
リボトリールとビ・シフロールの決定的な相違は、薬価が高いか低いかであろう。
製薬会社からすると、リボトリールはわざわざ適応を取るのは赤字を出すことに他ならないが、ビ・シフロールはそうではないのである。企業の考え方からするとそれは当然であろう。
例えば、過去ログでもカタプレスはチックに有用性があると書いているが、チックに効能があるわけではない。
このクラスの低薬価の薬は有用性があるとわかっていても、今後、効能・効果が追加されることはほぼありえないと思われる。これは日本の健康保険制度や新薬の承認、効能・効果の追加のあり方が関係している。
今では、何か適応外処方をする際に、低薬価の薬であればコメントを書けば認められることが多い。しかし高薬価の薬は厳格に審査される。
過去には、もう10年以上前であるが、論文などをレセプトに添付して提出していたこともあった。しかし、それで認める審査の医師もいれば無視する医師もいるので、そこまで有効な方法ではない。低薬価なら、簡単なコメントでよい場合もあるのである。
このようなドラッグラグや適応外処方の問題は、精神科に限らず他の科でもしばしば見られている。
参考
ジプレキサ、躁状態の効能・効果追加
統合失調症とトピナ
貴方が来るのを待っていました(エクセグランとトレリーフの部分)