希死念慮とSSRI、ブプロピオンの試み④ | kyupinの日記 気が向けば更新

希死念慮とSSRI、ブプロピオンの試み④


A face in the crowd (Tom petty)ソロアルバムFull Moon Feverから。

病前性格とリーマス③の続き。

だんだん悪くなっている感じ。仕事の悩みが多い。店長とはうまくいかないです。最近はもう辞めても良いかな?という感じで仕事をしている。イライラを通り越している感じです。眠剤も必要ですね。薬で太ってはいない。

一時あった手洗いはほとんどなくなった。リーマスを増やし、ジェイゾロフトも75mgまで増やしてみる。ルーランは悪くないが、リーマスは微妙である。

ジェイゾロフト 75㎎
セパゾン   6㎎
ルーラン   2㎎
リーマス   400㎎
マイスリー  5㎎


次回受診時(初診から4年目頃)
店長に辞めるといったら辞めないでほしいと言われ、その後、妙に対応がやさしくなった。体調はいつも不良ですね。気持ちはどっちつかず。マイタケを勧める。どうもリーマスは良くないようなので中止。ジェイゾロフトも50㎎に減量する。

次回受診時
店長に辞めるといったことで、少し良くなってきたような気がする。マイタケは2週間食べ続けたら、少ししっかりした感じがあります。仕事は忙しすぎて、気を抜く暇もない。意見をいろいろ言えるようになったので、それも良いのかもしれない。過食がたまに出る。

もう一度性格を聞いてみた。
かなり几帳面。気性が激しい。悪い意味で頑固だと思う。友人はとても多いです。彼氏はいつも年下だったりする。いつも付き合いは自分が主ですね。

うつっぽいというためテシプールを追加する。マイスリーを中止し、不眠には非力だが抑肝散を試みる。ルーランはいったん中止してみる。

ジェイゾロフト 50㎎
リボトリール  1㎎
セパゾン   6㎎
抑肝散    5g
テシプール  1㎎


その後、しばらくして希死念慮が生じてきた。職場で同僚の間で店長がやはり変だという話になり、少し気持ち的に楽になったという。(参考

双極2型それも、躁状態のないタイプのようにも見える(参考)。もともと蕁麻疹が出易い体質でまた肌荒れするので、他の薬物の方が良いように思われるが・・

希死念慮が強まったためブプロピオンを併用することを決断。

器質性?由来の希死念慮や幻聴は発症して時間が経つと対応しにくい。だから、SSRIを即座に中止することはほとんどないが、いつもこのような際は漸減中止する方針である(参考)。SSRIに由来する慢性的希死念慮や超低空飛行が長く続くと本人が失望し、良くなろうとするモチベーションが落ちてしまうことも重視している。だからこそだがいったん浮上する必要があると考えている。(死を前提にしてしまうと、全てが無意味だから)

また彼女の場合、これまで希死念慮など生じていなかったことも重要である。(治療中に希死念慮が出てきたことを言っている。)

ブプロピオンについてだが、彼女は元々パニックから始まっており、平凡に考えると非常に処方し辛い。ジェイゾロフトを急激に中止するのは危険であるため、そのまま併用。セロクエルを補助的に処方。

ジェイゾロフト 50㎎
リボトリール  0.5㎎
ブプロピオン  150㎎
セロクエル   25㎎


ブプロピオンは当初タバコを吸うと気分が悪くなったが、すぐに落ち着いてきた。少しタバコが減っている。不安感、イライラ、脱力がありますね。蕁麻疹は時々出る。

アレグラを併用し、ブプロピオンは225㎎まで増量。ジェイゾロフトは25㎎へ。セロクエルは意味がないので中止。

ジェイゾロフト 25㎎
リボトリール  0.5㎎
ブプロピオン  225㎎
アレグラ    60㎎


ブプロピオンを増やして、ちょっと良くなってきた。不安感はないです。少し痩せてきたという。今は45kg。(北米の頃は60kgあったらしい)

今は「消えてなくなりたい。死にたい」という感じはなくなっている。その分は楽です。どうも逃げ場がなくて、彼氏に告げないで、海外に行こうかと思った。

この子は人生の区切りに海外に出かけようとする。外来で診察する限りでは、以前より順調のように思われる(参考)。短い期間で希死念慮が消失したのは大きい。ジェイゾロフトを更に減量。ブプロピオンを飲むと不眠傾向になり眠剤が必要になるらしい。

ジェイゾロフト 12.5㎎
リボトリール  0.5㎎
ブプロピオン  225㎎
マイスリー    5㎎


(続く)

参考
IT従事者のうつ状態
人をうつに陥れる達人
躁のない躁うつ病
希死念慮の謎
ブプロピオンのテーマ

一連のエントリ
彼女は最初うつで初診している①
帰国後の大悪化②
病前性格とリーマス③
希死念慮とSSRI、ブプロピオンの試み④
ブプロピオン処方後の経過⑤
レスキューレメディーとデパケンR⑥
トレドミンとベンラファキシン⑦
ラミクタールの試みとリフレックス⑧
リフレックスの悪夢とトピナ⑨