躁のない躁うつ病
僕の患者さんで最近ニューヨークに行った人がいる。僕はアメリカはロサンゼルスやラスベガスでさえ、とてつもなく遠いという感覚があるので、ニューヨークまで行く気が起こらない(参考)。東はせいぜいハワイまでだ。
ニューヨークはどうでしたか?と聞くと、日本人をほとんど見なかったと言っていたので、僕と同じように思っている人が多いのかもしれない。(そんなわけないか・・)
そんなバカ話をしている時、彼女はどういう風にして良くなったのか、よく憶えていないことに気付いた。彼女はきっと躁うつ病なんだと思う。どうも気になったのでカルテを引っ張り出して、もう一度、最初からつらつらと読んでみた。
彼女は、最初、紹介されて来院した時、うつ状態で何をやっても浮上しないようなタイプであった。
この世の中にはなんと「躁状態のない躁うつ病」が存在する。それは直感的にはどうみても躁うつ病なのであるが、生まれて以来「躁状態」が生じた事がない人たちである。それは、双極2型のプチ躁状態を見逃しているのではないか?と思う人がいるかもしれない。ところが、そういう風でもないのである。
僕はそういう人はずっと生きていれば、いつかは躁状態が出現する人たちなのだと思う。それは70歳過ぎに出現するのかもしれない。しかし、若くで自殺してしまうと躁状態が見えるはずはないし、運が良いと生涯にわたって躁状態が生じないこともありうる。その運、不運はライフスタイルにもよる。
診断学的には、いかなる診断方法でも躁状態がない人は躁うつ病とは言わないので、上に書いたことはちょっとバカみたいな話なのである。(バカを覚悟で書いている)
薬物治療が極めて困難な「うつ状態」はいろいろな背景があると思うが、その1つに「未だ躁状態が存在しない躁うつ病」のケースがあるんだと思う。
結局、うつ状態を診るにあたり、病前性格、日頃のその人の生活状況、考え方、家族歴、家族の人間関係などはその人の診断や治療方法の可能性に深く関係していると思う。いわゆるイマジネーションの問題。(参考)
だいたい、一般の躁うつ病でも1回だけ躁状態があり、その後全然浮上しないダラダラうつ状態の人たちがいる。彼女(彼)たちはかなり工夫しないと慢性的なテンションの低い状態から抜け出せない。また初診からいきなりラピッドサイクラーの人も存在する。つまり躁うつ病はいろいろなバリエーションがあるのである。
だから最初からダラダラの浮上しないうつ状態から始まり、容易に躁転を許さない躁うつ病が存在してもおかしくはないはずだ。
彼女は結局、躁うつ病の治療を始めていろいろやっていたら、普通に生活ができるようになったのである。良くなった理由がよくわからないような人だった。治療を始めた頃、甲状腺剤、あるいはビタミンB6、リボトリールなどを処方しようとしたら、何故なのか説明してほしいとよく言われたような記憶がある。(参考)
彼女はろくに抗うつ剤を服用することもなく、気分安定化薬や甲状腺剤だけでぴったり普通になったのである。服薬していることを除けば、健康な人と見分けがつかない。彼女は今や躁状態もなければうつ状態もない。偶然、ボリュームゼロに定位したのだろう。僕はきっと彼女は躁がない躁うつ病なんだと思う。
こんな風に回想しつつ、「突然、ニューヨークに遊びに行った」ことも、なんだか躁うつ病のキャラっぽいので、ちょっと笑ってしまった。
ニューヨークはどうでしたか?と聞くと、日本人をほとんど見なかったと言っていたので、僕と同じように思っている人が多いのかもしれない。(そんなわけないか・・)
そんなバカ話をしている時、彼女はどういう風にして良くなったのか、よく憶えていないことに気付いた。彼女はきっと躁うつ病なんだと思う。どうも気になったのでカルテを引っ張り出して、もう一度、最初からつらつらと読んでみた。
彼女は、最初、紹介されて来院した時、うつ状態で何をやっても浮上しないようなタイプであった。
この世の中にはなんと「躁状態のない躁うつ病」が存在する。それは直感的にはどうみても躁うつ病なのであるが、生まれて以来「躁状態」が生じた事がない人たちである。それは、双極2型のプチ躁状態を見逃しているのではないか?と思う人がいるかもしれない。ところが、そういう風でもないのである。
僕はそういう人はずっと生きていれば、いつかは躁状態が出現する人たちなのだと思う。それは70歳過ぎに出現するのかもしれない。しかし、若くで自殺してしまうと躁状態が見えるはずはないし、運が良いと生涯にわたって躁状態が生じないこともありうる。その運、不運はライフスタイルにもよる。
診断学的には、いかなる診断方法でも躁状態がない人は躁うつ病とは言わないので、上に書いたことはちょっとバカみたいな話なのである。(バカを覚悟で書いている)
薬物治療が極めて困難な「うつ状態」はいろいろな背景があると思うが、その1つに「未だ躁状態が存在しない躁うつ病」のケースがあるんだと思う。
結局、うつ状態を診るにあたり、病前性格、日頃のその人の生活状況、考え方、家族歴、家族の人間関係などはその人の診断や治療方法の可能性に深く関係していると思う。いわゆるイマジネーションの問題。(参考)
だいたい、一般の躁うつ病でも1回だけ躁状態があり、その後全然浮上しないダラダラうつ状態の人たちがいる。彼女(彼)たちはかなり工夫しないと慢性的なテンションの低い状態から抜け出せない。また初診からいきなりラピッドサイクラーの人も存在する。つまり躁うつ病はいろいろなバリエーションがあるのである。
だから最初からダラダラの浮上しないうつ状態から始まり、容易に躁転を許さない躁うつ病が存在してもおかしくはないはずだ。
彼女は結局、躁うつ病の治療を始めていろいろやっていたら、普通に生活ができるようになったのである。良くなった理由がよくわからないような人だった。治療を始めた頃、甲状腺剤、あるいはビタミンB6、リボトリールなどを処方しようとしたら、何故なのか説明してほしいとよく言われたような記憶がある。(参考)
彼女はろくに抗うつ剤を服用することもなく、気分安定化薬や甲状腺剤だけでぴったり普通になったのである。服薬していることを除けば、健康な人と見分けがつかない。彼女は今や躁状態もなければうつ状態もない。偶然、ボリュームゼロに定位したのだろう。僕はきっと彼女は躁がない躁うつ病なんだと思う。
こんな風に回想しつつ、「突然、ニューヨークに遊びに行った」ことも、なんだか躁うつ病のキャラっぽいので、ちょっと笑ってしまった。