双極2型と海外滞在 | kyupinの日記 気が向けば更新

双極2型と海外滞在

うちの病院では、時々海外に行ってしばらく滞在する患者さんがいる。さすがに入院中に出かけた人は過去に1名だけだが、外来ではちょっとした旅行をする人はそう珍しいことではない(香港くらいなら)。

同じような期間に、北米に1年くらい行った人が2名いる。ともに女性患者さんだ。このブログでも紹介した人もいるが、今日のこのエントリはまだ紹介していない人の話。

この2人は最初は病気としてはちょっと違うような感覚があった。というのは今回の患者さんの場合、パニック障害が見られており、うつ状態ではあるけど、主な病気は神経症っぽかったからだ。最近では、実質2名はあまり変わらないのではないかと思い始めている。このパニックの患者さんもその後の経過から今は双極2型と思うようになった。

躁うつ病でしかも双極2型タイプでないと、単身で海外に行って、そこで働いて1年間通して生活するだけのエネルギーが続かないと思うのである。テンションがいくらか上がっていろいろと下準備をする。また、エネルギッシュに語学も勉強する。そうして馬力を出して仕事をして資金を稼ぐ。そんな風な充実した日々を継続して送るためには、やはりうつ病とかパニック障害だけだと、無理なように僕には思える。

双極1型と2型での決定的な違いは、1型では興奮状態や浪費なども激しいし、人によれば幻覚妄想が出るので、普通は仕事はできない。できないのを通り越して入院が必要なのである。正常な人間関係も保てないことが多いからだ。

ところが、2型となるとかなり違う。テンションが上がることが、わりにプラスになって生産的(勉強、資格取得、アルバイト)なものを得る場合もある。もちろん、「これはちょっと」と思えることをして、外には出せない人もいるけど、人により、躁状態の量的な幅みたいなものがあるのである。軽躁状態で仕事や勉強ができるならそれは軽躁状態とは言わず、性格の範囲だという人もいるかもしれない。僕もその意見には100%は反対しない。

しかし、うつ状態のエピソードがそれまでにあるのなら、一連の精神症状として、双極2型と言うべきと僕は思う。双極性障害の人で非常に社交的な人は、あるエピソード中またはその移行期に思い立って、海外に住もうと考えることは僕はよく理解できる。

そういう風に思い立って、実際にやり遂げられる人は幸せだと思うよ。