■ そこには家族の9年間が詰まっていた
《これまでのお話》
《前回のお話》
◆ 異常行動の理由は...?
何度も何度も考えたけれど、
答えは1つしかなかった。
女性は間違いなく生きた人間。
危険と常に隣り合わせな生活は
これ以上続けていけないということだけ...
娘がお腹に宿り、私たち家族は
アパートを出ようと物件を探し始めた。
夫と出会ってからの9年間の想い出が
このアパートにはたくさん詰まっている。
私たちは家族の想い出を
ここでたくさん創ってきたんだ。
そう考えると、
なんだか離れることさえ寂しく感じる...
けれど...
女性の恐怖は
相変わらずエスカレートしていった。
夜の徘徊は裏のとある家の前で
異常な念仏を唱えるまでひどくなっていた。
ある近所の人の話では
『悪魔を払ってやってるのに...!!』
と叫びながら、パンパンと
手を叩いているのを見たそうだ。
何度も大家さんに報告し
その度に女性に注意したそうだが、
変わるどころかどんどん恐ろしい行動が
増していくだけだった...
夫が飲み会で外出していた時、
ドンッ! ドンッ!
と、ドアを叩いて階段をかけ降りて
暗闇に走り去る女性の姿が見えてしまった。
しかも...
玄関前には焦げた人形の腕が
1本だけ落ちているという現実だけだった...
私は考えるようになっていた。
女性がここへ引っ越してきた理由...
女性の異常行動の理由、原因...
何を思い、何を悲しみ、
何に怯えて日々を生きているのかを...
考えたところで恐怖は消えず
何も理解はできない。
私は本当に
何か別な対応はできなかったのだろうか?
同情でもなく、寄り添うでもなく、
ただの一時の感情だけれど...
私の感情は
最後まで恐怖には勝てなかった。
4年間耐えられたのは
ご近所さんが優しく守ってくれたから。
女性は今でも変わらずに
あのアパートに暮らしている。
今でも異常行動は続いているそうだ。
あなたは、もしこの女性が
そばにいたらどうしますか...?
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