■ 本気で心配してくれる優しさ

◆  彼にはやっぱり視えていた...?!
 
 

 

『なんか、いたね』

 

 
 
『はい.....は?!え!!?今なんて?!
 
 
 
彼にも『それ』は
はっきり視えていたようだった 
 
 

(この人になら、私の体験まじめに話しても大丈夫かも...)

 


今までは、全てが
『おもしろおかしい心霊体験』として受け取られ、まじめに聞いてくれる人がいなかった。
 
 
 
ドキドキしながら、彼に聞いてみた。
 
 
 
『なんかいたねって言ってたのって、視えてたんですか?』
 
 
 
彼は一瞬不思議そうな顔をしたが
コクりと頷いた。
 
 
まさか、彼にも視えていたなんて
驚きでしかない。
 
 
 
『木の影から覗いてましたよね』
 
 
『うん。めっちゃ覗いてたね』
 
 
『私、かなりビックリしちゃって...山の中にいるなんて。』
 
 
『だよね。なんであんなところにいたんだろうね。』
 
 
 
やっぱり視えてたんだ...
 
 
 
『私、視えた瞬間本当に怖くてビックリして...』
 
 
『え?なんで?可愛くなかった?』
 
 
(え....?可愛い?!)
 
 
 
『可愛いでしょ、ネコ。』
 
 
『ネコ...?!あ、ああ!ネコ!!なんでいたんでしょうね!不思議ーっ!!』
 
 
『え?なんか違う動物いたの?』
 
 
 
あの時、彼は私と全く同じタイミングで
なぜか山の中にネコを見つけていたらしい...。
 
 
 
 
話すタイミングを
完全に逃してしまったけれど、
なんだか気持ちが楽になっていた。
 
 
 
函館山の頂上に到着し、
私はやっぱり彼には話しておこうと
気持ちが動いた。
 
 
 
 
『信じてもらえるかわかりませんが、実は、私が見えていたのは幽霊なんです...。』
 
 
 
彼は一瞬驚いたようだったけれど、
『かなり怖かったんじゃない?大丈夫?』
本気で心配してくれた。
 
 
 
 
ただ聞いてくれる...
 
 
そのことが本当に嬉しくて嬉しくて
たまらなかった。
 
 
 
函館山は日本三大夜景の1つと
言われているけれど、
実は要塞地帯で軍事機密だったことを
私はだいぶ後に知った。
 
 
 
少しずつ日が暮れていく街並みを
頂上から見ながら彼といると、
不思議と感じる大きな安心感に包まれていた。
 
 
 
彼は私には危険なモノを
無意識に跳ね返していたからだ。
 
 
 
なんだかますます彼に惹かれるなぁ...
 
 
そんなことを思いながら、
私たちは函館山を後にした。
 
 
 
 
もう何も怖くない。
 
 
きっと...
 
 
 
〜つづく〜
 
 
 
 
ダウンおまけ《函館山の歴史》
要塞地帯法明治32年法律第105号)により、函館山では1898年から要塞建設が始まり、1905年までに山全体に砲台や発電所、観測所など17の施設が建設された(津軽要塞)。この時に山の頂上を削ったため、標高が348mから334mと低くなった。また、函館山が要塞地帯になったことで、山全体が軍事機密となり、地形図から函館山が消えた。函館山の測量はもちろん、一般人の入山や函館山の写真を撮影すること、スケッチをとること、函館山に関する話題も厳しく制限された。ウィキペディアより
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