おはようございます。

 

世界に日本の神さまの素晴らしさを伝える、

 

作家 荒川祐二です。


――盛りの中で、静かに終わりは始まっている

 

六月二十二日ごろ。

 

夏の光が満ちるころ、
ひとつの草が、そっと枯れ始めます。

 

乃東枯(なつかれくさ かるる)。

 

勢いよく伸びるものが多い季節に、
ひっそりと衰えを見せる植物がある。

 

自然は、
華やかな成長だけでできているのではないのですね。

 

終わるもの。
役目を終えるもの。
静かに身を引くもの。

 

それらもまた、
季節を動かす大切な一部です。

 

人は、「終わり」を怖がります。

 

若さが過ぎること。
関係が変わること。
できていたことが、できなくなること。

 

けれど本当は、
終わりは敗北ではなく、
次の形へ向かう準備なのかもしれません。

 

仏教では、
「諸行無常」 を教えます。

 

すべては移ろい、
同じ姿のまま留まるものはない。

 

それは悲しい宣告ではなく、
変わるからこそ、
命は流れ続けられるという智慧です。

 

枯れる葉は、
土に還り、
やがて別の命の養分になります。

 

私たちの経験も同じです。

 

失敗した日。
終わった恋。
手放した夢。

 

無駄になったように見えても、
心の深い場所で、
次の自分を育てる土になっていることがあります。

 

今日、心に置いてほしいことは、
「終わりを、急いで否定しないこと」。

 

何かが離れていく時、
それはあなたの価値が消える合図ではありません。

 

六月の強い陽射しの下で、
ひとつの草が静かに枯れるように、


人生にも、
次の季節へ渡るための美しい手放しがあるのです。

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