今日、面接を受けてきました。
京都駅で観光案内をするお仕事です。
求める人材:
・日本語、中国語、英語による京都の観光案内ができる方(3か国語必須)
・京都観光の知識を有する方
・土日祝日、年末年始に勤務可能な方
・学歴、年齢不問(ただし、70歳雇止め規程あり)
勤務時間・曜日:
・勤務時間①午前8時15分~午後5時(休憩時間 60分)
・勤務時間②午前10時15分~午後7時(休憩時間 60分)
・上記①②いずれかの交替制
・勤務日数 週3日程度(シフト制)
・土日祝、年末年始の勤務あり
これで日給:8,400円。
(8時間労働なので時給:1,050円)
今、私はある会社から派遣されていて、それは平日の月、水、木、金の4日間。
時給:1,000円で交通費が出ない。
だから、空いている:火、土日、祝祭日に働こうと思い応募したのですが、これに対して、雇い主は、
「長期間働いて欲しい。そして、週に、土日などを含めて3日間だが、それ以外にも出勤してもらう必要がある。そういう人を求めている」
のだと。
それって都合のいい通訳者が欲しいってこと?って、思っちゃいました。
正規社員なら土日祝祭日は休日手当が出るでしょうが、この仕事は非正規だから関係ない。
通訳の平均手当は1,500円だけれど、それは出せない。
でも、拘束する3日間以外も必要な時には来て欲しい。
それならどうする?
今の仕事を減らすしかないではないですか。
あまりにも都合のいい翻訳人を求めていることに愕然としましたが、よく考えると、これが今の日本の通訳人に対する評価なのですね。
司法通訳人でもそうです。
警察通訳人にしても法廷通訳人にしても、まずは登録する。
でも、いつ仕事が来るかわからない。
(実際、京都府警にかなり前に届けていますが、連絡があったのは一回きりです。)
単価はいいでしょう。
でも、安定していない。
そんな通訳人はどういう人がなると思いますか?
ただ一人のためにいつも待っている「都合のいい通訳人」。
給与は少ないけれど、福利厚生もないけれど、必要な時に来てくれる「都合のいい通訳人」。
非正規雇用で、健康保険も年金も負担できないけれど来てくれる「都合のいい通訳人」。
出勤日以外も別の仕事をせずに必要な時に仕事に出る「都合のいい通訳人」。
仕事の内容は日、英、中での観光案内で、正規雇用の仕事内容+アルファだけれど、正規雇用より低い賃金で働く「都合のいい通訳人」。
同一労働同一賃金はどこへ行った?「都合のいい通訳人」。
たとえ合格ですと言われても、そんな「都合のいい通訳人」を雇おうとするところはお断りします!っていいたいけれどそうもいかないのが辛いところ。
ちなみに、
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通訳とはなにか――異文化とのコミュニケーションのために
2,376円
Amazon |
によると、国際的な会議通訳者の団体、AIICでは通訳人の収入について次のような説明があります。
AIICの倫理規定には、守秘義務などの他、「プロとしてのパフォーマンスを可能とする労働条件を確保する」という項目があります。
これは、いわゆるグレイ・マーケット(灰色の市場)を防ぐ、つまり、正規の通訳料を請求せず、それより安くても引く受けてしまい、たくさんの仕事をとる――というようなことをしないということです。
これを許せば、市場での通訳料はどんどん下がっていき、やがては「プロとしてのパフォーマンス」ができるような条件を確保できなくなるからです。
このことをAIICは会議通訳者の国際的職能団体として規定しているのです。
(『通訳とななにか――異文化とのコミュニケーションのために』。P133-134)
では、具体的な金額はいくらなのでしょう?
ヨーロッパでの仕事を多くしていたころ、こんなことを聞いたことがあります――「1年間におよそ150日の仕事があればプロとしてまずまずの生活ができる」。
つまり、およそ週3日間、きちっとした会議通訳の仕事があれば専門職に従事した者としての生活が確保できなくてはならない、となります。
今、、たとえばその基準を年収800万円とすれば、1日いくらになるか。
これを1,000万円とするなら、1日いくらになるのでしょうか。
(『通訳とななにか――異文化とのコミュニケーションのために』。P134)
日本はヨーロッパとは違いますし、今回の仕事は会議通訳ではありません。
そのことから基準は下がるとしても、京都で一人暮らしをするには25万円必要らしいので、それを基準にすると週3日、一ヶ月12日勤務するとして日当は20,000円ほど。
今回の8,400円がどういうレベルなのかがわかります。
ヨーロッパと日本、会議通訳と観光案内(でも3ヶ国語対応)と違いはあってもやっぱり日本は適切に判断されていないと思うのは私だけではないでしょう。
今回の面接では、たまたま痛風の発作が出て、しかも、足首でかなり強烈だったので、杖をついての面接となり、採用される可能性は低いと思いますが、これも私にとっては「よかった」のでしょう。
(ちなみに面接が終了した後、面接官が『間が悪かった』と言いましたが、私にとっては『間がよかった』のだろうと思います。)
外国語ができれば誰でも通訳ができると思われている現在、通訳としての評価を正しくしてもらうことが必要だと再確認した面接でした。

