中国語など外国語を学んだ人たちが目指す、あるいは人から依頼される仕事に通訳があります。
でも、この通訳というのはなかなか骨の折れる仕事です。
言葉は普段、あまり考えずに(脳の力を使わずに?)話し、聞き、コミュニケーションをとっているので、たとえば中国語で話すこと、聴くことができたらそれだけで通訳ができる。と思うのは日本では普通のことのようです。
以前から申し上げているように(と言ってもこのブログを読んでおられる方はご理解いただいていると思いますが)バイリンガル(母語と外国語の二ヶ国語が堪能)であるということは通訳をするための出発点に過ぎない。
通訳をしようとするとそこから専門的なトレーニングをする必要がある。
でも、実際には「中国語ができる」ということで通訳を依頼されることが多いようです。
今、司法通訳を学んでいます。
司法通訳とは警察や、検察、裁判、弁護士などの通訳をするのですが、司法通訳として活躍されている後藤さんが裁判員裁判での通訳についてブログを書かれたのでご紹介します。
司法通訳の中でも裁判関連で通訳を行う法廷通訳では、以下を宣誓します。
「良心に従って誠実に通訳をすることを誓います。」
“ 我 发誓 , 凭 良心 诚实地 做 翻译 。 ”
“ Wǒ fāshì , píng liángxīn chéngshíde zuò fānyì . ”
通訳人として「良心に従い誠実に通訳する」ために必要だと感じ、二人制通訳を要請したのにもかかわらずそれを却下された。
詳細は後藤さんのブログを読んでいただきたいのですが、これでは法廷は通訳人のことを信用していないのと同じではないでしょうか?
もっとも、この問題は、かなり複雑だと思います。
歴史的に司法通訳は「中国語ができる」ということで依頼されていて、また、専属でというわけにはいかず、必要なときに呼ばれる存在。
報酬はそれなりにあるのですが、それでも専業としてするには十分とは言えない。
となるとどういう方が通訳人をしているか。
司法通訳人としてだけでは食べていけない。
時間もいつ呼ばれるかわからない。
こうなるとアルバイトやパート的な感覚でなければ対応できない。
でも、通訳業務自身は責任をもって行わなければならない。
その上、今回のように通訳人が必要だと思い申請していることを却下される。
これでは「やってられない」と思うのではないでしょうか?
それでも、司法通訳は必要です。
これから外国人が今よりもっと多く日本にやってくるでしょう。
日本語を解さない外国人にとって日本の法律の前での平等を保つには、通訳人がいないとダメですし、その通訳人も「プロ」の通訳人でなければならないと思います。
このように問題を抱えた今の司法通訳人制度。
これからも考えていきたいと思いますし、できたら少しでも良い方向になるように動きたいと思います。
3月17日(日)午後1時から大阪で「司法通訳シンポジウム」があります。
中国語に限らず外国語ができるかたには是非お越しいただきたいと思います。
私にご連絡いただければ当日でも前売り扱いとさせていただきます。
シンポジウムですが受講料という形でお金をいただくこと申し訳ありません。
