「日の丸を背負う」
「似ているけれどもちょっと違う」
と、海外、特に中国で働く人へ向けての内容を書いていますが、今日は、日本人の中国人に対する対応です。
「相手の腹を読む」
「腹芸」
「ちょっとした表現の違いで本心を伝えようとする」
日本語の表現は直接的なものを嫌い、婉曲にやんわりと伝えるのが良いとされています。
そして、それが相手を気遣うことでもあるでしょう。
でも、中国語の表現は、あの大陸で間違いなく意味を伝えることに特化しているので、表現が直接的です。
「あるかないか」“有没有?”
「良いか悪いか」“好不好?”
「こっちの方がええと思うんやけどどう思わはります?」
確かに相手を傷つけまいとして気遣っているのですが、これは中国語では通じません。
そのまま日本語にしたらぶっきらぼうに、そして場合によっては失礼に聞こえる表現をするのが中国語です。
さて、そんな中国語を使用している中国人ですが、日本人と中国人が一緒に働くと、日本人はどうも深読みする。それもし過ぎる傾向があるようです。
ある日、いつも明るい中国人女性社員が不機嫌になっている。
日本人の駐在員たちは「彼女。何かあったんだろうか」とあれこれ推測する。
でも、当の本人に、
「日本人たちは貴方が機嫌悪いのを見て、『どうしたんだろう?何かあったのではないか?』と噂しているが何かあったのですか?」
と聞くと、
「別に何もない。ただ、最近、仕事がいっときにたくさんやってきてそれでイライラしているだけだ。」
感情をストレートに表現する中国人。
それに対して相手のちょっとした仕草から本心を探ろうとする日本人。
これだけなら「考えすぎ」で終わるのですが、一緒に仕事をしているとなると相手の本心を探ろうと気遣うことが次第にストレスになり、
「中国人はわからない!」
となってしまう人もいるようです。
感情の問題はまだいいのですが、仕事で、会議などで中国人の意見を聞くときにもこの「深読み」はあります。
ある日本語のできる中国人が日本人もいる会議の席で自分の考えを述べます。
「今の問題はこうなっている」
↓
「この問題をどう考えるかで今後の対応が変わる」
↓
「最終的には今の問題についての考え方がこうならこうなるし、違うのなら全く別の結果になる」
↓
だ・か・ら
「今のこの問題はどう思いますyか?」
と聞いているのだけれど、言葉の障害があり十分に意思の疎通ができないこと。そして、日本人は中国人のように論理的な表現の仕方に慣れていない。あるいは人の話を最後まで聞かないために、中国人が、
「今のこの問題はどう思いますyか?」
と聞いたとたん、この発言の真意をさぐり、深読みし、自分の推測が正いと思い込み、
「貴方の考えは将来的には正しいのでしょうが、今はできることをやらなければなりません」
と相手の話を聞くことをせず、深読みし推測してこのように言うことが多いようです。
「今できることをしなければならない」
そんなことは中国人も言われなくてもわかっています。
ただ、相手に説明し、理解してもらうために論理的に説明しているのに、それを十分に聞かないで、そして自分で勝手に思い込んでしまう。
そして、その結果、
「中国人はこうだからダメなんだ」
とか、
「中国人はどうしてもこうなるんだ」
となってしまいます。
「相手の話をしっかりと聞く」
「冷静に物事を分析し、論理的に思考する」
精神的に成熟していなければなかなかできないことですが、海外ではこれらをしっかりとしなければ言葉の壁があるので大きな誤解を招くことになります。
「行間を読む」
“理解字里行间的含意 lǐjiě zìlǐhángjiān de hányì”
このことはとても大切です。
相手の気持ちを慮る。おもてなしの心にも通じることですが、自分本位に読んでしまっては残念なことになります。
日本に生まれ、日本で生まれ育った人。日本の文化の影響を受けて育った人はその細やかな心遣いを慎重に正しく使って欲しいと思います。