台湾青春ドラマやちょいワル映画で聞かないことはないスタンダードスラングの一つ、「屌 (diǎo)」。色々書いてきたので一つにまとめてみた。
意味は「かっけー」「クール」「イケてるゥ」…。だが本来は男性の生殖器官を表す言葉なのでむやみに使ってはいけない。趙怡華氏の『台湾語のスラング表現』(明日香出版社/1700円)によると、周杰倫が使い出して流行り出したのだそう。
確かに周杰倫のアルバム『依然范特西』の中におさめられている「夜的第七章」のMV。ミステリー仕立てでめちゃめちゃ面白いのだが、そのメーキングで周杰倫が使ってる。
2015年の台湾ドラマ『鑑識英雄』の第3話でも出てくる。開始20分くらいかな。殺人現場に入るなと注意された悪ガキどもが主人公の女性刑事にからむ場面。
喂喂喂 不是很屌 不是很厲害
おらおらおらー
だっせーやつがよお
偉そうにしてんじゃねーよ
だが、不良言葉としてはかなり前から使われていた。60年代台湾の不良少年たちを描いた映画『牯嶺街少年殺人事件』でも何度か出てくる。一つは、小四たちが小馬の家に初めて遊びに行く場面。小馬に日本刀を見せられた小猫王が目を輝かかせて一言。
「好屌!」(かっけー!)
もう一つは、同じ小馬の家で、アイゼンハワーの同行記者から馬将軍(小馬の父)がもらったという録音機を自慢するところ。
很屌耶,十公里外的狗叫声都錄得到哦
(スゲーんだぜ、10キロ離れたところの犬の鳴き声だって録音できるんだからな(訳はたまり))
そして現在、中国でもけっこう使われている模様。私の中国朋友は「香港から来たのかと思ってた」らしい。私も某中国映画(なぜ隠す⁉)で使われていたのをこの目で目撃。
でもこれは、台湾語由来のスラングではない。もともとは中国大陸東北地方のスラングが起源のワル仲間言葉(眷村黑話)のようなので、中国にもともと土壌があったのかもしれない。台湾で流行してそれが中国に伝わった可能性ももちろんある。語源を調べるのは容易ではない。
容易ではないが面白い。面白いがスラング、特にワル系エロ系スラングは絶対に使ってはいけない。