さらに言うなら、同じ中国語でも「普通话」寄りの中国語もあるし、台湾っぽい中国語もある。台湾語だって決して一つじゃない。
加えて台湾には客家語、原住民諸語を母語とする人もいれば、話者の少ない閩北語、閩東語など、果ては東南アジア系新住民の言語でさえ「台湾に存在する言葉」として大切にされている(つつある)。少なくとも公然と排除されたりはしていない。
そのような台湾の状況をリアルに描こうとすると、どうしても多種多様な言語が映画の中でも飛び交うことになる。1960年代の台湾を描いたエドワード・ヤンの傑作『牯嶺街少年殺人事件』もそうだし、2008年に空前のヒットを記録した『海角七號』も然り。
その時に日本語字幕はどうするのか。『牯嶺街少年殺人事件』は、2017年デジタルリマスター版上映の際に一新された日本語字幕にもその辺りの考慮は見られない。中国語も台湾語も上海語も日本語字幕では区別されていない。
『海角七號』の日本語字幕DVDでは、台湾語のセリフには・が付けられて区別できるようになっている。
今わたしが一番見たい映画が『幸福路上オンハピネスロード』なのだが、lie-ziさんも書かれていたように(リンク先)、セリフが中国語なのか台湾語なのか原住民のことばなのかという問題は映画の中の一つの重要なポイントになると思うのだが、日本語字幕ではどうなるのだろう。