注音符号が中国語の実際の発音に近い理由③ 傳(chuán/ㄔㄨㄢˊ)と全(quán/ㄑㄩㄢˊ) | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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前回記事、前々回からの続きです。

そう、漢語ピンインではバッサリ省略されて中国語初学者を惑わす音が、注音符号にはしっかり表されている嬉しい例、まだまだあります、というお話。

単母音の「ü」 。ウムラウトの u 、口笛を吹くときの口で「イ」と発音する、あの音。この「ü」の点々(uの上の点々)が漢語ピンインでは徹底的に省略されて、またまた初学者を悩ます。

「ü」は子音 j、q、x と n、 l にしか付かないのだが、漢語ピンインでは、j、q、x につく「ü」は全て上の点々がもぎ取られ、つづり上は全て「u」へと姿を変える。

j、q、x につく全ての「ü」、つまり、単母音の「ü」はもちろん、二重母音の「üe」も、鼻母音の「ün」と「üan」も全部、子音の j、q、x についたが最後、「u」、「ue」、「un」、「uan」とつづられてしまうのだ。実際の発音は「ü」、「üe」、「ün」、「üan」なのに(涙)。

そうするとどうなるかと言うと、例えば「傳(传)」の「chuán」と「全」の「quán」をおんなじように発音してしまう人続出。

本当は「chuán」は子音「ch」に「uan(ウアン)だから「チュアン」(チュはそり舌でね)だけど、「quán」は子音「q」に「üan」だから「チュエン」(正確な音は表記不能)に近い音になって、全然違う発音なのに。

なぜ「q」に「üan」が「チュエン」になるかと言うと……。「üan」の発音は、口がものすごく狭い「ü」で始まって、舌が口の中の天井にくっついて狭くなる「n」で終わる、という口の動きをするからである。狭い口の音「ü」と狭い口の音「n」に挟まれた真ん中の「a」は口が開ききれずに、勢い「エ」に近い音になってしまうのです。

(↑これは「ian」を「イアン」と読まずに「イエン」と読むのと同じ原理。「ian」について詳しくは次回。)

で、注音符号といえば「ü」は「ㄩ」。あくまでも「ü」は「ㄩ」。前に何が来ようと後ろに誰が控えようと、揺るぎなく「ü」は「ㄩ」、「ㄩ」は「ㄩ」なのだ。

だから「傳chuán」は「ㄔㄨㄢˊ(ch-u-an)」、「全quán」は「ㄑㄩㄢˊ(q-ü-an)」となり、両者の違いが一目瞭然。教えるときにも上記赤字部分のとこだけ説明すればいいだけだから楽ちん♫

また長くなっちゃった。なかなか終わんないなあ。