私がこの国に来て働き始めたのは20年前。
最初の職場は保育園だったが、まあしかし毎日毎日スタッフらはマネージャーと呼ばれる責任者の悪口が止まらなかった。
当時の私は仕事を貰えただけで有り難く、英語もヨレヨレだったから、その責任者が仕事が出来るか出来ないかなど感じることはなかった。
1年働かせてもらい、それからカーライルに来たから、感謝しかない。

あれから20年、学んだのは、能力=役職ではないという事。
未経験で責任者になれてしまうのが、イギリスのチャンスの面接。
私が一番驚くのは、教頭にもなった事のない30歳になるかならんかの若い先生が、校長の面接に受かってしまったりすること。
我が子の小学校もそうだった。
教頭未経験の先生が校長になった。
経験て重要視されへんのか?と夫に聞いたら、「経験より、その日の面接がよいかどうか…」と言った。
経験はある方が良いが、その日の面接で最も好印象を与えたものが職を得る。
20代であれ、なれる時はなれる。
歳ばかり食い、経験が長いから優れた教育者ではないし、個性の強いイギリス人をまとめ、厄介なクレームを処理出来るかはまた別の話。
とは言え、経験はあった方が良いし、場数は知識となる…んちゃうかと思うが人による…

先日、うちの職場の役立たずだが人格は最高な副店長の好青年がロンドンに勉強会で参加した。
その時、あまりに好青年だからロンドン支店に来ないかと誘いを受けた。
好青年は真剣に悩んだ。
私は、本社の人間の見る目の無さはあっぱれだと感心した。
あんなに仕事が出来ない好青年をロンドンに引き抜く…なぜなら好青年だから…
スタッフからめちゃくちゃ文句言われてますけど、よろしいか?

結局、好青年は行かないと決めた。
その器はないと自分を分析出来ただけ偉いと褒めたる。
今日も好青年はご機嫌に売り場に立って銅像のように動かない。
イギリスで働けて、私は幸運である。
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