空と海のあいだ | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。渡邊美帆子です。



アラフィフオンナが、
感じるままに綴るブログです。





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午前中、
雲ひとつない晴天だった。


冬の青空を見ると、
思い出す。





父が熱を出し、
かかりつけの病院へ車椅子を押して
連れて行った時のこと。


その日も、
雲ひとつない青空だった。



「パパ。雲ひとつないね、
雲はどこへ行ったんだろうね。」


その時はもう、
父とは会話が成立しないほど認知症が進んでいた。
それでも私は、いつも父に話しかけていた。



その時、
父が呟いた。


「空と海のあいだ。」



えっ?

驚いた。
でも車椅子を押しているから
父の表情は見えなかった。



空と海の間。
そこに雲がいる。

久しぶりに会話ができたと思ったが、
そのあとは何を言っているか
全くわからなかった。

でも、嬉しくなった私は、
施設に帰ってからも
ヘルパーさん達に父との会話を話した。




これが、
父との車椅子での最後の散歩だった。


そのあと父は熱が下がらず、
嚥下もできなくなり、
脳に異常をきたしているのではと
気づいた施設長さんに
急いで大学病院に行った方がいいと言われ、

その後緊急時入院。

そしてあっという間に亡くなってしまった。


14年の介護は突然終わりを告げた。



苦しい辛いことも多かったが、

あの日の青空は
私の大切な思い出である。



空と海のあいだの雲の隙間から
両親と兄は
そっと私を見守ってくれているに違いない。

いつもありがとう。