「うちは糖尿病の家系だから」 

「親も高血圧だったから」 

「がん家系だから」 

 

診察室でも、こうした言葉をよく耳にします。 

 

確かに私たちは、親から遺伝子を受け継いでいます。 

 

でも、遺伝子を受け継ぐことと、

その病気になることが決まっていることは、

同じではありません。 

 

最近では「エピジェネティクス」といって、DNAの配列そのものが変わらなくても、環境などによって遺伝子の働き方が変わることが分かってきています。 

 

では、その「環境」とは何でしょう。 

 

食事、運動、睡眠、喫煙など、まず思い浮かぶのは外側の環境ですよね。 

 

環境というものをもう少し広く考えてみると・・・

 

以前、家族で病院の官舎に住んでいました。 

 

同じ建物、ほぼ同じ間取りなのに、それぞれのお宅に遊びに行くと、部屋の雰囲気が全く違うんです。 

 

置いてあるものも違う。 

空気感も違う。 

居心地も違う。 

 

同じ「箱」なのに、住む人によって環境が変わる。 

 

では、その違いを作っているものは何だろう? 

私は、そこにその人の「内側」も関係していると思っています。 

 

「私が我慢すればいい」 

「ちゃんとしなきゃ」 

「頼まれたら断れない」 

 

そんな思考や心のクセが、働き方や人間関係、休み方を変え、結果として自分の外側の環境を作っていきます。 

 

(昨日うなぎを食べに行きました。)

 

そして、外側の環境は内側にも影響します。 

 

私自身、子どもたちが小さい頃、よくイライラしていました。 

 

娘から「お母さん、顔が怖い」と言われたこともあります。 

 

娘はきっと、 

「今日は怒らないかな」 

と私の顔色を見ていたのでしょう。 

 

安心できない環境にいれば、身体は緊張します。 

 

つまり、 

外側の環境は、身体や心という「内側」に影響する。 

 

そして、 自分の思考や感情、心のクセという「内側」も、毎日の選択を通して「外側」の環境を作っている。 

 

 

外から内へ。 内から外へ。 

 

 

私たちは、その両方の影響を受けながら生きています。 

 

だから「遺伝だから仕方ない」で終わらなくてもいい。

 

今日、自分の身体にどんな環境を与えているだろう? 

そして、その環境を作っている自分の内側には何があるだろう? 

 

そこに気づくことも、自分の身体のためにできることのひとつだと思っています。

 

 

 

 

 

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野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。