「ただ、おじさんが食べている」だけではない世界

 

ただ、おじさんが食べているだけのドラマやんか。。。

 

『孤独のグルメ』を初めてみた時、そう思った。

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ドラマと言っても、ストーリーにドラマチックな盛り上がりがあるわけでもない。

 

1話だけ見て、脱落した。

 

何より、主演の松重豊さんご本人が

『ただ、おじさんが食べているだけのドラマ』

と仰っているのである。

 

ところが、数年の時を経て、また何気なく観た時、全く違う感じ方をしたのだった。

 

このドラマには形式美がある。

 

井之頭五郎が営業で客先を訪問する。

 

そこでちょっと笑えるミニドラマが展開し、商談が一段落すると、井之頭五郎がハッと気づく。

 

 

「そういえば、腹が・・・減った」

 

そして、近くを探検し、見つけた店に飛び込む。

 

メニューを吟味した後、大量の五郎'Sセレクションがテーブルに並ぶ。

 

よくぞあのスレンダーな体型を維持できるなと思ったら、前日・翌日の食事をかなり控えるので、3日間のトータルでは、むしろ普段より食事量が減るらしい。

 

なので、収録期間はむしろ、体重が落ちるというから驚きだ。

 

そして、心の中で、実にドラマチックな食レポをしながら、大量の料理を実際にたいらげていく。

 

この部分に感動する。

 

 

普段の食事で口にすることと言ったら大抵、「美味しい」「甘い」「辛い」「温かい」「香ばしい」・・・そんなことくらいだ。

 

でも、井之頭五郎は

「小鉢も味噌汁もメインと一丸となっての全員野球だ」

「カレーはやっぱり魔性の女」

「塩に溺れる俺、大人だな」

 

などと名言集ができるほどの食レポを展開していく。

 

毎日、繰り返される当たり前の食事。それを当たり前に流さないで、1回1回の食事を、まるで特別な儀式のようにしていること。

 

そこに『孤独のグルメ』の魅力を感じる。

 

そして、それと似た世界観を感じるのが、小林聡美さん主演の『ペンションメッツァ』

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やはりストーリーには大きな盛り上がりがない。

 

けれど、例えば、お客さんのない1人の夕食でさえも、手作り料理を、綺麗な器に美しく盛り付け、ゆっくりと味わって食べる。

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その世界観に心がホッと温かくなる。

 

『孤独のグルメ』『ペンションメッツァ』に共通していることは「丁寧に生きる」ということ。

 

大切な道標としていきたい。

 

 

木シルフェ木

オパーリングリーン阿部小百合ルチノー

 

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