風の強い朝、私の身体は正直だった。

 

前日から続く強風のせいか、鼻炎アレルギーが悪化し、耳鼻科で長年処方されているステロイドと抗生剤を飲んで眠りについた。

 

 

重度の好酸球副鼻腔炎。


完治が難しいことも、薬と共に生きていくしかないことも、もう十分に理解している。

 

世の中には「薬は悪」「症状は排毒だから止めてはいけない」と語る声もある。


けれど、それは呼吸が普通にできる人の理屈。


薬を使わなければ、鼻腔が腫れ、息をすることさえ苦しくなる人間もいるのだ。

 

身体の不調が慢性になると、人はあまり騒がなくなる。


日常の一部として受け入れていくから。

 

だからこそ、「タフですね」と言われることがある。


けれどそれは丈夫なのではなく、ただ身体との付き合い方を学んできただけなのかもしれない。

 

薬の眠気に包まれ、久しぶりに深く眠った夜。

 

目覚める直前、ひとつの夢を見た。

 

私は病院にいた。

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いつもの耳鼻科ではなく、どこか昭和の空気を残した古びた病院。


先生も看護師も知らない人たち。

 

風が強く、症状が悪化する前に薬を飲みたいと伝えると、医師は副作用の恐ろしさを次々と語り始めたのである。

 

そして、不思議なことに――
治療をしているわけでもないのに、看護師が後ろから私の頭を押さえている。

 

 

医師は言った。

「薬より、裸足で土の上を歩く方がいい」

 

その言葉を聞きながら、私は思った。

 

薄っぺら笑い泣き

 

それができる暮らしの人には良いのかもね。


けれど、ここは住宅街だ。


現実の生活は、そんな単純な理想論では動かない。

 

この夢は、薬を否定するものでも、自然療法を肯定するものでもないように感じる。

 

むしろ――
外側の正解に頭を押さえつけられるのではなく、自分の身体の現実を、自分で選び取ること。

 

私の身体には、私の事情がある。

 

薬も、自然も、希望も。


どれか一つを信じるのではなく、その時々で身体と相談しながら生きていく。

 

夢の中の知らない病院は、もしかすると「外の価値観」だったのかもしれない。

そして今、私は少しずつ、自分の身体という唯一の居場所へ戻ってきている。

 

朝の静けさの中で、そんなことを感じた。

 

木シルフェ木

オパーリングリーン阿部小百合ルチノー

 

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