最近、少しだけ心が疲れていました。

そんな時、玄関前で一羽のアゲハ蝶と出会いました。

それが、その日の世界からの返事になるとは思いもしませんでした。

今日、玄関前で不思議な出来事が。 

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連日、吹き荒れる強風


近所の風鈴が大きく鳴り続け、ここ数日は頭痛が続いていて、少し疲れ気味の心で外へ出たときのことでした。

 

地面に、一羽のアゲハ蝶がいました。

 

 

風の中、世界は小さな使者を差し向けた。

 

風に煽られながら、羽を閉じたり開いたりしているのに、なぜか飛び立とうとしない。


脚が地面に張り付いてしまったのではないかと心配になり、葉のついた柔らかな枝でそっと触れてみると、蝶はゆっくり歩いて移動しました。

 

脚はちゃんと六本。


触覚も美しく、羽にも傷ひとつない。


完璧な姿なのに、ただそこに留まり、風を受け止めているようでした。

 

ふと、目が合いました。

 

こちらをまっすぐ見つめる眼差し。

 

思わず、声をかけていました。

 

「エリック?」

 

すると蝶は、体をこちらへ真正面に向け、嬉しそうに羽を開いたり閉じたりします。

 

もう一度

「エリック?」

 

三度目に呼んだ瞬間――

 

蝶は突然ふわりと舞い上がり、まっすぐ私のハートめがけて飛んできました。

 

蝶は好きだけれど、触れられるのは少し怖い。


思わず「やだ〜!」と逃げると、蝶は少しだけ追いかけるように舞い、そして優雅に東の空へ飛び去っていきました。

ただの偶然だったのかもしれません。


でも、あの瞬間、はっきりと感じたことがあります。

 

慰めに来てくれたのかな、と。

 

蝶がエリック自身なのではなく、「エリック」という聖なる名前の音の響きに反応してくれたのだと感じました。

 

強い風の中で動かなかった蝶は、
「今は無理に飛ばなくていい」
そう教えてくれていたようにも思えました。

 

人生には、頑張って羽ばたく時期と、風を受け止めながら静かに立つ時期がある。

 

今日の蝶は、未来を運んできたのではなく、すでに始まっている変化に気づかせてくれた存在だったのかもしれません。

 

風の音の中で出会った、小さな訪問者。

 

胸に残ったのは、不思議な安心と、やわらかな余韻。

 

もしかすると――
世界はときどき、蝶の姿を借りて話しかけてくるのかもしれません。


 今日もまた、暮らしという名の祈りをここに記す。


木シルフェ木

オパーリングリーン阿部小百合ルチノー

 

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