「木綿のハンカチーフ」

純愛という名の「停止」
 
 
昭和の名曲である。
 
故郷を離れて都会へ出た彼。
 
変わっていく彼の姿を悲しむ彼女。
 
明るい曲調とは裏腹の悲しい歌詞。
 
子ども心に切ない思いで聞いていたものである。
 
が、令和の今、改めて聞いてみると全く違った物語を感じる。
 
若い彼は、未知の世界に飛び込んでチャレンジすることを選んだ。
 
一方、彼女は何一つ変えることができず、足踏みしている。
愛とは、待つことではなく、ともに変わる勇気だった。
 
颯爽としたスーツ姿を褒めて欲しくて写真を送っても
「いいえ」
 
都会ではやりの指輪を送っても
「いいえ」
 
素顔のままで口紅もつけない成人女性
 
身だしなみとしてどうなの?と思う。
 
無欲で謙虚に見えるが
「変わらないで帰って」
って、一番、無理な要求をしているだろう。
 
努力している人間は、変わっていくものである。
 
「毎日愉快に過ごす街角」
と彼は言っているが、楽しいことばかりではないはずだ。
 
馬鹿にされたり、理不尽に怒られたり、そんなことだってたくさんある。
 
でも、彼は、愚痴も文句も言わず、明るい姿を見せている。
 
彼女は、自分が何一つ変わる勇気がないから、相手の変化を阻止しようとしているのではないか?
 
そもそもそんなに好きだったら、自分も故郷を離れて、後を追えばいい話だ。
 
「涙ふく木綿のハンカチーフください」
 
時代は変わった。でも、恋のすれ違いだけは進化しない。
 
 
この彼が、令和の若者なら
「送ってもコスパ悪いから、PayPayで送金するね。
自分で好きなの選んでね~」
と、爽やかな笑顔で言うかもしれない。

 

木シルフェ木

オパーリングリーン阿部小百合ルチノー

 

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