入院してから、彼女はすっかり別人になってしまいました。
ベッドの上で横たわる彼女は、もう病人そのものでした。
お見舞いに行っても、眠っていて話せない日もありましたし、「今夜が山場」と言われた夜もありました。
それでもあの日は話せました。
友達とお見舞いに行った日でした。
友「…死にたい。」
私「…どうして。」
友「痛いの、、薬も効かないし。このまま死んでいくだけなのに、どうしてこんなに苦しまなきゃいけないの。」
私「病気と闘ってるんだよ。」
友「もう無理だよ。ここから元気になる姿想像できる?」
この時はもうできませんでした。
皮と骨になった彼女が、立ち上がる姿なんて、どうしても想像できませんでした。
でもそんなこと言えません。
私「できるよ。またさ、一緒にランチしようよ。」
友「あ〜美味しいもの食べたいな。」
そう言って、彼女は涙を流しました。
私「今私にできることある?マッサージとか、何でも言って。」
友「殺してほしい。」
何度聞いても胸に突き刺さります。
私「…」
友「痛いの我慢できなくて、それ以上痛いこと探してる。でももう体も動かなくて地獄を生きてるみたいなの。親にも頼んで、泣かせてる。」
私「…少しでも楽になる方法ないか、知り合いのお医者さんに聞いてみる。私も調べてみるね。」
そんなもの、ないって分かっていました。
それでも、希望を手放してほしくなかった。
隣にいた友達はほとんど何も話さず、私の横で泣いていました。
友「ふたりともありがとう。…ごめんね。」
私「謝らないでよ!会えて嬉しいよ。」
友「ねぇ、天井にお花見えない?」
私「ん?どこ?」
友「天井にたくさん。」
見上げても白い天井があるだけでした。
息苦しそうで、限界だと思いました。
私「少し寝て。またすぐ来るから。」
彼女はうんうんと、小さく首を振りました。
友「殺してほしい。」
私「…少し寝て。楽になる方法探してみるからね。」
これが最後の会話になるなんて、思いもしませんでした。
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