答えは「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」です。
この問題、最初に読むと
「思春期のストレス?」
「心の病気?」
「てんかん?」
そんなふうにも見えます。
でも実はこれはSSPEを疑わせる典型的な問題です。
SSPEは、幼少期にかかった麻疹(はしか)のウイルスが長い年月を経て脳の中で再び悪さをしてしまう病気です。
恐ろしいのは、麻疹にかかった直後ではなく、数年から10年以上経ってから突然発症すること。
最初は「勉強ができなくなった」「性格が変わった」「ぼーっとする」など一見すると反抗期や精神的な問題のように見えることもあります。
しかし徐々に脳の障害が進み、
・手足がぴくっと動く
・痙攣する
・会話が難しくなる
・歩けなくなる
などの症状へ進行していきます。
最終的には寝たきり・意識不明・植物状態に至る、数日前まで普通に元気だった子供がこうなってしまう、めちゃくちゃ恐ろしい病気です、これ。
現在では麻疹ワクチンの普及によってかなり減った病気ですが、ゼロではありません。
僕も何人か診たことがあります。
そしてこの病気の存在は「麻疹はただの発熱と発疹の病気ではない」ということを僕らに教えてくれます。
特に最近は麻疹の流行が話題になることも増えています。
ワクチンについてはいろいろな意見がありますが、小児科医としてはこうした重い合併症を防げる可能性があるという事実も知っておいていただきたいと思ってます。