先日、62歳で医師になった安積雅子(あづみ まさこ)さんのドキュメンタリー番組を見ました。
安積さんは、専業主婦として4人のお子さんを育て上げたあと、50代で医学部受験を決意します。
受験勉強を始めたのは50代。
しかも、一度で合格したわけではありません。
5度目の挑戦となる55歳で秋田大学医学部に合格。
そして2001年、62歳11か月で医師国家試験に合格しました。
当時の過去最高齢記録だったそうです。
その後は仙台市の医療機関などで活躍し、86歳で惜しまれながら引退。
現在は87歳で、毎日をいきいきと楽しんでいる様子が映し出されていました。
私はその姿に、すっかり心を動かされました。
「何歳になっても挑戦できる」
言葉にするとありふれていますが、自分に置き換えてみるとなかなかに難しい。
しかし、安積さんと私たちは何が違うのでしょうか。
安積さんの場合は、若い頃に叶えられなかった夢への心残りと、
研究や学ぶことへの尽きない知的好奇心が
「今度こそ、自分の人生を生きる」
という強いモチベーションになったのだそうです。
なぜ年齢を重ねても挑戦できる人がいるのか?
年齢を重ねても気力が衰えない人には、ある共通点があります。
それは、「ワクワクすること」で動いていること。
心理学では、こうした動機を「内発的動機」と呼びます。
他人からの評価や義務感からくる「外発的動機」は、時に私たちを疲れさせます。
でも、
「これが好き!」
「もっと知りたい!」
という気持ちは、不思議とエネルギーを生み出してくれるのです。
最近だと、推し活をしている人たちがその代表かもしれません。
好きなアーティストのライブ情報を調べたり、遠征の計画を立てたり、グッズを集めたり。
あれだけの行動力を発揮できるのは、「好き」がエネルギー源になっているからですよね。
そして、もうひとつ大切なのが好奇心です。
好奇心は技術のひとつ。今からでも育てられる。
もちろん、生まれつき好奇心旺盛な人もいます。
でも実は、知的好奇心は後から育てることができます。
今日は、私が良いなと思っている方法を二つご紹介します。
① 違和感に気づく力を育てる
たとえば、
「あれ?今日はいつもより肌の調子が違うな」
そんな小さな違和感です。
そこから、
「なぜだろう?」
という問いが生まれます。
睡眠不足かな。
食べ物かな。
季節の変わり目かな。
こうして思考が動き始めるのです。
好奇心の核は、「問いを立てること」。
まずは日常を少しだけ丁寧に観察してみると良いかもしれません。
② 「もし〜だったら?」を考える
たとえば、
「もし15分で夕飯を作るなら何を作る?」
「もし私が〇〇だったら?」
こんな思考実験です。
この「もしも」は、固定観念をゆるめてくれ流だけでなく、
意外なアイデアや発見につながることがあります。
大人になると、効率ばかり求めてしまいがちですが、
少しくらい役に立たない妄想をしてもいいのです。
むしろ、その時間が脳を柔らかくしてくれます。
好奇心を育てるために大切なこと
そして、好奇心を育てるために最も大切なことがあります。
それは、
「調べてわかった!」
という爽快感を脳に味わわせることです。
せっかく「なぜ?」と思っても、
「あとで調べよう」
と思ったまま放置してしまうと、脳は
「問いを立てても意味がない」
と学習してしまいます。
スマホで1分調べるだけでも十分です。
「なぜ?」
のあとに、
「なるほど!」
「面白い!」
という快感がセットになると、脳のドーパミン回路が強化されます。
すると次からも自然と疑問が湧き、さらに知りたくなる。
そんな良い循環が生まれていくのです。
これは学校の授業でも同じだと感じています。
生徒たちに興味を持ってもらうためには、
「なぜ、こんな気持ちになるんだろう?」
「自分だったらどうするだろう?」
という問いを持ってもらうことが、とても大切。
知識だけでは人は動きません。
問いが生まれたとき、人は本当の意味で学び始めたり
行動に移したりするのだと思います。
好奇心は、気力の源。
私も、安積さんのように、何歳になっても、
「もっと知りたい」
「やってみたい」
という気持ちを大切にしていきたいと思います。


