「はらぺこくんがくれたコーヒーに
牛乳入れて飲むのに
ハマってるーー♪」
「お、さすがカフェラテ好き」
「水をまったく入れずに
全部牛乳にするとおいしいんだよー」
「なるほど、おいしそ。
ミロみたいかな。」
「ミロ!! 懐かし~~!」
ホワイトデーに、はらぺこくんは
スタバのちょこっとギフトをくれた。
「いつも、好きでしょ?」
って。
はらぺこくんは、スタバに行くと
「オーダーの仕方がわからなくて緊張する」
って、言う。
どんな顔して、買ってくれたのかな。
だから、チャットしたくなったんだよ。
1袋ずつ、惜しみながら飲んでいる。
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この間、実家へ帰省して
両親と桜を見た。
すごく見晴らしのいいところ。
父が
「ここは、すごいんだぞ」と
車で連れて行ってくれた。
認知症の母は
出かける前、ヤダヤダとぐずったのに
桜の下では、少女のようにはしゃいでた。
故郷の絶景を眺めながら
はらぺこくんを連れてきたいな
って思ったんだった。
父が、とっておきの場所に
わたしたちを連れて行ってくれたように。
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今朝のニュースでは
富士山の噴火を特集してた。
もしも、噴火したら
火山灰で交通機関はマヒしてしまうんだって。
ほーら
いつも、わたしが言ってるとおり。
「物理的に近くにいなくちゃ
結局、なにかあったときには
バラバラだよ」
えい!とチャンネルを回したら
こっちは、戦争とインフレのニュース。
わたしたちなんて
吹けば飛ぶようだ、って
思うのも無理ないよ、ねえ?
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用事があって
引っ越し前の地元へ行った。
2年前まで、住んでたところ。
公園にも、コンビニにも
幼いかっぱ子とかっぱ太郎の姿が浮かぶ。
すると、はらぺこくんも浮かんできた。
緑の木陰。
ベンチに座っていっしょにお弁当食べたな。
そういえば
この役所にも、あっちの病院にも
付いてきてくれたことがあった。
いつも優しい笑みをたたえて。
久しぶりの駅の階段を下りるとき
胸がきゅうーっとなった。
あ、このきゅうーっは、あれだ。
はらぺこくんちの方へ
会いに行くとき。
何十回と、この階段を下った。
足早に。
はやる気持ちを抑えながら。
体がおぼえているんだねぇ。
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「ただいまー」
って、家のドアを開けると
「おかえりー」と
リビングからかっぱ子の声。
お互いの1日のあれこれを
しゃべりながら
夕ご飯の準備をする。
待ちきれなくて
カップラーメン食べちゃった、
とか
毎食、たんぱく質を20gとると
いいんだってよ、
とか。
食べ終わると
ゴロンと寝ころんで、テレビを見る。
かっぱ子は、わたしのお腹に頭をのせる。
いつものスタイル。
とっくに成人式も過ぎた娘なのに。
トイレに行こうとして、
長いまっすぐな廊下を
すすーーーっ しゅ!と、すべる私。
このマンションの長い廊下。
「ランウェイみたいだよね」
って、歩いたり、踊ったりする。
子どもたちに笑われたり
時にはいっしょにふざけながら。
ふふふ
はらぺこくんも
わたしが、廊下のランウェイで踊るのを
にやにや笑って見るに違いない。
今日の夕食は
たんぱく質、なんグラム?とか
おしゃべりするのも目に浮かぶ。
わたしは、いっしょに暮らすには
なかなか楽しい人物だと思うぞよ。
横暴でもあるけれど。
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さて
そろそろお布団に入って
マンガでも読もう。
至福の時間。
今日もかっぱは、いろんな気持ちの絵を描いた。
心のキャンバスに。
いろんな色の、点と線。
一瞬一瞬が、即興なんだ。
それでは、今夜はおやすみなさい。
(おしまい)
