春うららな日曜日。
子どもたちは、朝からいない。
ベランダのデッキチェアに寝そべる。
晴れ曇りのぬるい日差し。
向かいの学校の桜の木、
まだ散らないで残ってる。
わたしという生命も
春の新芽が出てるんじゃないだろうか。
ふと、スマホを開く。
「はらぺこくん
いいお天気だね。
お散歩に行きたくなったよ~✨」
いっしょに公園にシートを敷いて
寝ころんだ記憶。
緑色の木陰、緑色の芝生。
あまりにもたくさん、体にしみ込んでいる。
はらぺこくんとの幸せ成分。
でも、今は会うときではない。
「今日は、やることも色々あるし
おうちでやること、やる~😊」
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午後は、新しいパソコンのセットアップと
新しく舞い込んできた仕事に費やした。
紅茶を淹れて、ホッとひと息。
充実感が、体に行きわたる。
今まで、はらぺこくんの存在を
わたしの中で大きく膨らませすぎだったのか。
はらぺこくんが減った部分のへこみを
本来のわたしが、むっくりと満たしていく。
今度の休みは
久しぶりに、SUPに行こうか。
神奈川の海に、ひとりで。
波の上で
少年のように、自由に解き放たれる。
はらぺこくんは、ついてこられない。
海も泳ぎも、好きじゃないもの。
人間は、どうとでも生きていけてしまう。
今日の午後
はらぺこくんと散歩しようが
自宅で作業を進めようが
海でSUPしようが
「ああ、いい日だったな」
と、わたしは思ったに違いない。
それは、この上なく
幸せで、安心なことのはずなのに
なぜか戸惑ってしまう。
少し悲しくなってしまう。
どうとでも、生きていけるなんて。
(おしまい)