春うららな日曜日。

子どもたちは、朝からいない。

 

ベランダのデッキチェアに寝そべる。

晴れ曇りのぬるい日差し。

 

向かいの学校の桜の木、

まだ散らないで残ってる。

 

わたしという生命も

春の新芽が出てるんじゃないだろうか。

 

 

ふと、スマホを開く。

 

「はらぺこくん

 いいお天気だね。

 お散歩に行きたくなったよ~✨」

 

いっしょに公園にシートを敷いて

寝ころんだ記憶。

緑色の木陰、緑色の芝生。

 

あまりにもたくさん、体にしみ込んでいる。

はらぺこくんとの幸せ成分。

 

でも、今は会うときではない。

 

「今日は、やることも色々あるし

 おうちでやること、やる~😊」

 

*********

 

午後は、新しいパソコンのセットアップと

新しく舞い込んできた仕事に費やした。

 

紅茶を淹れて、ホッとひと息。

充実感が、体に行きわたる。

 

今まで、はらぺこくんの存在を

わたしの中で大きく膨らませすぎだったのか。

 

はらぺこくんが減った部分のへこみを

本来のわたしが、むっくりと満たしていく。

 

今度の休みは

久しぶりに、SUPに行こうか。

神奈川の海に、ひとりで。

 

波の上で

少年のように、自由に解き放たれる。

 

はらぺこくんは、ついてこられない。

海も泳ぎも、好きじゃないもの。

 

 

人間は、どうとでも生きていけてしまう。

 

今日の午後
 
はらぺこくんと散歩しようが
自宅で作業を進めようが
海でSUPしようが
 
「ああ、いい日だったな」
と、わたしは思ったに違いない。
 
 
それは、この上なく
幸せで、安心なことのはずなのに
 
なぜか戸惑ってしまう。
 
少し悲しくなってしまう。
 
どうとでも、生きていけるなんて。
 
(おしまい)