谷に沿って登ると、傾斜が緩やかになった。
「そろそろ到着か?」
嵐(らん)にとっては何事も面倒なことである。
「心配するな、この辺りは村も近い…」
真魚が嵐の心の内を口にした。
その時…
真魚が三諸山の方を見た。
「ほう…」
真魚が目を細めて笑みを浮かべた。
祈りの波動…
真魚はそれを感じ取った。
「壱与か…」
嵐がその方向を見ている。
「これが、あの壱与か…」
嵐はその想いを受け取っていた。
しばらく、会っていない。
だからこそ分かることもある。
その波動から感じる、切実な願い。
「真魚、行くぞ!」
今度は珍しく、嵐から動いた。
壱与の祈り…
それは、嵐の奥深くまで届いていた。
しばらく進むと…
真魚は左の尾根に向かって歩き始めた。
「真魚、そっちは…」
嵐が真魚を窘める。
「ほう…」
「お主でもそんな事を気にするのか…」
真魚が笑いながら嵐を見た。
三諸山から抜けた。
それは、違う領域に入った証でもある。
「別にどうと言う事はない…」
「俺は神だぞ!」
そう言いながらも、嵐は真魚の後ろに回った。
強い力は全てに作用する。
結界に惑わされるのは、強い力の証でもある。
その感度が迷いを生み、その力が混沌の餌食となる。
「この辺りか…」
真魚が立ち止まった。
そして…
持っていた棒を地面に立てた。
どんっ!
その瞬間…
何かが地面を伝わっていく。
「おい、真魚!」
嵐が思わず飛び上がる。
「目覚ましだ…」
真魚がそう言って笑みを浮かべた。
しばらく時が流れた。
すると…
ごごっごごおぉぉぉ…!!!
今度は向こうから何かが戻ってくる。
地面を伝わる波動…
「真魚、お主…」
嵐がその方向を見ている。
「やはり、ここにいたか…」
真魚がそう言って笑みを浮かべた。
「全く…呆れた奴じゃ…」
「お主は神まで敵に回すつもりか…」
嵐がそう言って歩き始めた。
次回へ続く…
スピリチュアルな記事はこちらにも↓
『そらうみガイドブログ』はこちらから!
『そらうみガイド』お申し込みはこちらから!

