また、三輪山での話になるのだが…
狭井神社に向かう上り坂。
(狭井神社は登拝の入り口)
黒い大きな荷物を持った女性。(年は50才くらい?)
車輪のついた大きなケースを、押して歩いている。
良く見ると楽器の様だった。
まさか、あれを持って登拝はないだろう…
と思ったが、面白そうなので様子を見ていた。
お手水の所で一緒になったので、声を掛けてみた。
「チェロか何かですか?」
「いいえ、コントラバスなんです」
どうやら、それを預けて登拝するらしい。
最後の階段は重そうなので手伝った。
三輪山の頂上でお祈りをして、少し休んでいた。
その方は、なかなか上がって来なかった。
帰ろうと思い、手前の社まで来た時、彼女の姿が見えた。
前にもあった事だが、音楽をしている方はレベルが高い。
この方も、そのうちの一人であった。
三輪山の山頂は、右と左でエネルギーの質がちがう。
いわゆる、陰と陽になっているらしい。
だが、違いはわかるのだが、具体的にはよく分からない。
重いか、軽いか?
強いか、弱いか?
そんな感じだ。
山頂で彼女と、その話になった。
だが、私は彼女にうまく説明することができなかった。
残念に思いながら、私の方が先に下りた。
しかし、下山の途中に考えていると閃いた。
音楽がそれを説明してくれた。
陰と陽のエネルギー。
陽は明るく、陰は暗い。
そんなイメージがある。
だから、陰のエネルギーは悪いと考えがちだ。
だが、そうではない。
ふたつは常に寄り添い存在している。
磁石で考えると分かるように、
N極とS極だからといって、それほど違いはない。
同じように鉄はくっつく。
陰と陽もこれと同じことなのだが、説明するのは難しい。
陰と陽の文字に、意味が存在するからだ。
そこで視覚的に分かりやすい方法を思いついた。
だが、これは音楽をかじったことがある方、限定である。
先ず、ピアノの鍵盤を思い浮かべて欲しい。
高い音がエネルギーが高い。(波長が高い)
低い方がエネルギーが低い。(波長が低い)
これは凄く分かりやすい。
右に行けば行くほど高い音。
即ち、エネルギーが上がる訳だ。
だが、ここに陰陽は表されていない。
どこに隠されているのか。
それは、音である。
一つの音ではわかりにくい。
だが、和音で弾くとそれがわかる。
キーで言えばメジャーかマイナーか…
日本では長調か短調かと言う事になる。
Cメジャー(C)は陽で、Aマイナー(Am)は陰だ。
だが、使う鍵盤は同じ白いところだけだ。
だが、明らかに感じが違う。
コードだけでも、Cは伸びやかで、Amは重く感じる。
(この辺りは個人で感じ方が違うだろう…)
一人一人のエネルギーを一音だと考えると…
ド・ミ・ソのエネルギーの三人組は明るい。
ド・ミ・ラのエネルギーの三人組は少しおとなしくなる。
(ソとラの人が入れ替わっただけだが…かなり違う…)
こう考えることが出来る。
一人の人間も、永遠に同じエネルギー状態ではいられない。
その曲調は常に変化している。
心が生み出す波動が、それを奏でている訳である。
謎が解けたので、彼女が下りてくるのを待ってそれを告げた。
音楽が全てを繋いでくれた訳であるが、
高校生の時に少し囓った、ギターとキーボードが役に立った。
体験は自らを変える鍵だ。
「何でもやっておくものだな…」
帰りの車の中でそう思った。