箸が無い!ミステリー! | 空の宇珠 海の渦 

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-そらのうず うみのうず-
空海の小説と宇宙のお話







先日食事をしようと思ったときの事だ。



食卓の上に箸が無かった。



実際には1本だけ用意されていた。



その状態から…



何処かに落ちているのかと思い、テーブルの下を捜した。


だが、どこにも無い。



他の家族は食事が終わっていたので、


下げる際に、間違って持って行ったのかと思った。



洗った後に乾燥する場所を捜した。


無い。



戻ってテーブルの廻りを捜した。


無い。



迷宮に迷い込んだ私は、助けを求めた。


「箸がないぞ~!」



「ここに、あるやん!」


妻が箸を持ってきた。



「どこにあったの?」


私は聞いた。



「箸立ての中…」



「えっ?」


私は言葉が出なかった。



初めから…



箸は1本しか置かれていなかったのだ。




私が迷宮に迷い込んだ理由は、ある考えを否定したからだ。



それは、答えそのものであった。



 
『まさか1本だけ置かれていることはないだろう』




そう思ったことだ。



なぜなら…



『置いた人が気づく筈だ』



と思ったからだ。



1本だけ置くなど、自分としては考えられない。



そんな事はしないからだ。



だが、事件は起こった。


私はちょっと反省した。



思い込みが「迷いのツール」であると言うことを痛感した。



しかも、「答え」そのものを否定したのだ。



答えにたどり着くことは永遠にない。




思い込みは、時として良い効果をもたらす。


だが、使い方を誤れば、迷いの道に進む事になる。



全ての可能性の中に答えがある。



今回は「否定」そのものが答えであった。


全ての可能性に沿って行動していれば、見つかったはずだ。




事件を創り出したのも、私…


迷宮に迷い込んだのも,私…



私の「思い込み」が全てを生み出したのである。



なかなか意味のある体験であった。