会社や学校等、不特定多数の団体の中にいると、必ずその中に一人は「嫌いな人」がいるものです。

意地悪な人、気分屋に無責任、威張りん坊に幼稚な人、無能な人や臭い人!!
これ以上例を挙げると、単なる私の愚痴となってしまいますのでこのくらいにしておきます。

例えば、職場にいる「嫌いな人」によってストレスを抱えている場合、どうしていますか?黙って我慢し、その人が異動するのを待ちますか?それとも、思いの丈をぶちまけて、相手に変わってもらいますか?

英語の諺で「The leopard cannot change his spots.」というものがあり、直訳すると「豹は斑点を変える事ができない」という意味。人の性格を変えるのは、豹の斑点を変えるくらい難しい、という意味で、この文中の「change one's spots」だけだと「生き方や性格を変える」になります。

この諺からもわかるように、人の性格なんてそう簡単に変えられるものじゃぁないんです。
臭い人であれば変わってもらうのも可能ではありますが、(「あなた臭いです」と告げる勇気があれば)他人の性格を変えるのは、ほぼ無理な話でしょう。

だったらやはり、我慢して異動するのを待つしかないのか……。

なんて落胆する必要はありません。
自分自身が変わればいいのです。change my spots!

自分の斑点を変えることはとっても難しいですが、「考え方」なら変えられるのではないのでしょうか。

私の場合、会社で誰かに「イラーーーッ!!」とした時、その場ではspotsならぬ、シャツの脇の下の色を変えるくらいに脇汗を滝のように流し腹を立てるのですが、その後冷静になって「でも……、この人私に嫌われてかわいそう……」と思うようにしています。どんだけ上から目線?と思うかもしれませんが、このわたくしに嫌われるなんて、これ以上かわいそうなことはございませんでしょう。
みなさんも、そんな時は騙されたと思って「かわいそう」とその人を哀れんでみてください。イラつきなんてサーっと引いていきます。

自分の中でならこのくらい高飛車になっても構わないですよね。ここまで上から目線にならなくても、その人の立場になってみて理解しようと試みたり、優しい心を持って考え直し、自らの考え方を変えることで他人への苛立ちは抑えることができるでしょう。

まぁ、私はそのような寛大な心の持ち主ではないので、それは無理。
やはり「哀れむ」という、その人以上に性悪な方法でイライラを解消いたします。
「私がしたいことはただひとつ。ルールを壊すこと」と、彼女は言った。マドンナの言葉である。

私たちはつい、変わることを恐れて今持てる全てを守ろうとしがちである。自分を、家族を、生活を守るために変化を恐れるのである。ところが彼女にはそういうことがない。変えることに意義を見出し、反発をものともせずに涼しい顔をしている。無論、そこには並々ならぬ強い精神力があることは語るまでもないだろう。

マドンナのスタイルをそのまま踏襲することは、不可能である。彼女は言わずと知れたスーパースターであり、私たちはただ無力な個人にすぎないからだ。
しかしそこに見習うべき気構えのようなものを見出すことは出来るのではないだろうか。歳をとるごとに臆病になっていく私たちがふと足を止めるとき――どうしてこの道を歩いているのだろう?とか、この先に何があるのだろう、と不安な気持ちを抱くような瞬間――に、家族を守ることや信念を貫くことの正当性を知ることが出来るからだ。
昨年、マドンナは長年連れ添った夫、ガイ・リッチーとの結婚生活を解消したけれども、それも変化を恐れない彼女らしい決断なのかもしれない。

かくいう私も最近、別れの決断をした。愛を育み精神の礎となっていた人との別れである。
その決断を下すのにはかなりの時間を要し、ただただ迷いの中を彷徨った。樹々の生い茂った深い森の中にあるような混沌とした迷いは、私自身を疲弊させ、不安定にさせていった。ある時その原因がこの二人の関係にあるのだと気づき、ひどく狼狽を覚えた。けれども立ち止まることが得策ではないことをもう、体も心も知っていた。そこで私は整理することにしたのだ。二人の関係、そして自分自身の人生を。

迷いの中にあったとき、私は知らず知らず自己中心的な考えの中にいた。「人のため」と言いながら自分の人生に執着し、自分だけを信じていた面があったのだ。
しかしある時、自分自身に頼りすぎていてはいけないことを知る。自分の内面だけに目を向けていると、偏った知識やエゴに振り回されているようであることを自覚したのだ。
その時から心は開放され、唐突に道は開けた。そこに幾つかのハードルは確かに存在したけれども、それを飛び越えるだけのタフネスが備わっていることを感じたのである。

人にはそれぞれ変わるべき時というのが備えられている。誰しも変わらない人はいないし、変わらない生活はない。あらゆる小さな選択、そして大きな選択をしつつ変化を受け入れて生きていくのだ。
変わるべきときに備えて心をしなやかに解しておくこと――実際にはこれが、大切なことなのかもしれない。
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今月のお題は
『女のここにムッとする』です。

同じ女性であっても、『あ~、女って嫌だ!』って思うことはありませんか?
すぐ群れる、すぐ泣く、ブリッコ、etc……

あなたの『女のここにムッとする』を教えてください!
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「ボイン」という言葉はもう死語だったらしい。言葉に敏感であるべき日本語教師として恥ずべきことだが、うっかりこの間まで使っていた。

先月、地元の友人でバルーン・アーティストのえすちゃんが『世界220カ国の子ども達に風船を配ろうプロジェクト』の第一弾としてフィリピンを訪れてくれた。
彼女は今回が初めての海外、とのことだったが、行く先々で大人気。フィリピンではそもそもバルーン・アートというものを見たことがない人がほとんどで、えすちゃんの指先から次々と生まれ出る風船の花やウサギやクマに大人も子どもも夢中だった。

そこで、せっかくの機会を活かそうと日本語学校の学生たちにもバルーン・アートを教えてもらうことになり、クラスに遊びに来てもらったのだが、予定時間より早く教室に現れた彼女はホワイトボードの『胸の大きい人=ボイン』の板書を見てしまったらしい……。

その時は全然見られたことに気がつかなかったのだが、後で「かおりちゃん、いったい何を教えてるの~!?」とえすちゃんに突っ込まれ、かなり動揺した。

言い訳させてもらうと、その時はたまたま、「~し、~し、~ですから」の例文作りを彼女イナイ歴=年齢のジョバンニに当てていて、「好きな芸能人は誰ですか?どうしてですか?」と質問したところ、「エンジェル・ロクシン(フィリピンのセクシー女優)です。きれいだし、からだがいい(?)し……」と言った後で、自分の胸に手を持っていき、ボインのポーズ。そしてそのポーズを見せながら「これが大きいは日本語で何ですか?」と聞くので、渋々板書したのだ。

と説明するとえすちゃんに「ちがうよ、かおりちゃん!今は胸の大きい人のことをボインなんて言わないんだよ!巨乳でしょ、キョ・ニュ・ウ!」とマジメな顔でレクチャーされた。
そっか、巨乳か!

死語を教えたとあっては日本語教師の沽券に関わるので、次のクラスの時、えすちゃんも交えてみんなでランチに行き、訂正することにした。
十人近い学生がレチョン(子豚の丸焼き)を囲み、「巨乳、ハイ!」「きょにゅう!」と一斉発声する様子は隣のテーブルの人には果たしてどう見えているのか、という一抹の懸念はあるものの、みんなが正しい日本語を覚えてくれてよかった。
でもレチョンを頬張りながら「キョニュウ、キョニュウ!」と嬉しそうに連呼するジョバンニを見ると、今後も当分彼女イナイ歴を更新し続けるんだろうな、とちょっと切ない。

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◆ゲストライター:かおり

kaori_lechon

寒さが苦手でたいてい南の国に逃亡している軟弱な道産子。初海外はマダガスカル。
その後JICAボランティア関係でパラグアイ、コロンビアとベサメムーチョな南米暮らしが続き、現在は流れ流れてフィリピンの田舎で日本語を教える日々。最近ハマっているモノはハロハロ(フィリピン風具沢山カキ氷)とレチョン(子豚の丸焼き)。
「ワイフ」や「ママ」とはほど遠い人生裏街道をクラゲのように漂いつつも、まだ見ぬ夫と我が子のためにSoLで修行しておこう、と決意する。

今月のお題は『プレゼントにまつわる思い出』です。

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12月だった。
部屋に遊びに来ていた恋人が、「来週の水曜日、休みを取ったんだ」と嬉しそうに言う。
そうなんだ、平日だからゆっくり遊べないかもしれないね、と返事をしながら、私は、どうしてこの人はこんなに嬉しそうに楽しそうにしてるんだろう?と不思議に思っていた。
「ごめん、その日は会えない。俺、買い物に行くんだ。ちょっと大きなものを買いに行くから、ひとりで行って来る」と彼は言った。
うん、わかった、じゃあ次の週末にまた一緒に遊びに行こうね、と私は答えた。

それで話が終わるかと思ったら、彼はなおもニヤニヤニヤニヤしながら、「すごく大事なものを買いに行くんだ、俺。そんな大きな買い物ってしたことがないから、かなり緊張して気合が入ってるんだ」とくり返した。

そんなに大事な、いったい何を買いに行くんだろう、っていうかどうしてそれをそこまで私に念を押すんだ……?と、さすがに不審に感じ始めた私に、さらに追い討ちをかけるように彼が言った。

「あー、ほんとに緊張するなあ!大事なものだから。だって俺、指輪なんて買いに行ったことがないから……」
そこまで言って、彼はいきなり真っ青になって「わあっ!」と叫んで口を押さえて、そのまま床に転がってしまった。

「わああああ、俺、俺、内緒にしておこうと思ったのにしゃべっちゃった!!ああああ、こっそり買いに行ってびっくりさせたかったのに!!しゃべっちゃったよ!!」

聞こえなかったよ!と言ってあげたかった。けど、あれだけはっきり嬉しそうに断言されてしまったものをそうあからさまなフォローもできず、嘆き悲しんで床を転がりまわる彼を前に、私もオロオロするしかできなかった。
もう5年も前の話。

そのときにもらったのは婚約指輪で、翌年の夏に私たちは結婚した。
クリスマスがめぐってくるたびに、あのときの彼の嬉しそうだった顔、そして嬉しさあまって内緒にできなくてポロッとしゃべってしまったこと、そのあとの嘆き悲しみぶりを思い出しては温かい気持ちになる。
こんな思い出をもらったことが、私にとって何よりのプレゼントだったなあと思うのだった。

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◆ゲストライター:あっちゃん

あっちゃん

思考回路は永遠の15歳。
学習塾講師、出版社営業、税理士事務所秘書、大学教授秘書等々を経て、現在はふつうの会社員兼2歳男児と32歳男児の母。
重度の活字中毒と、変態的食欲に悩まされる日々。
汚れた芸風と乙女心的ポエジーの相克を掘り下げることが身上。

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