本当に『塾の掛け持ち』だけが理由なのか? | 算数ソムリエブログ-中学受験突破のために-

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中学受験にまつわるココだけの話

2024年度の各塾の合格実績がほぼ出揃いました。 

 

まず「灘中」を見てみましょう。

 

【灘中】

浜学園 111名

馬渕教室 58名

希学園 53名

早稲アカ 52名

四谷大塚 48名

日能研 42名

SAPIX 33名

能開センター 13名

進学館 8名

成基学院 1名

——————

合計419名  (灘中発表合格者数265名)

2024.2.15現在

 

塾発表の数の合計と、灘中の公式発表の合格者数にはかなり乖離があります。(419ー265=154)

 

この理由について『塾の掛け持ち』をしている人が増加しているからだとする論が散見されますが、本当にそうでしょうか。

 

灘と同じ統一入試日に試験がある関西屈指の最難関校「甲陽学院」「大阪星光学院」についても、各塾発表合格者数を見ていきましょう。

 

【甲陽学院】

浜学園 88名

馬渕教室 30名

希学園 41名

日能研 34名

SAPIX 13名

能開センター 3名

進学館 13名

成基学院 0名

——————

合計222名  (甲陽学院中発表合格者数220名)

2024.2.15現在

 

【大阪星光学院】

浜学園 101名

馬渕教室 53名

希学園 39名

日能研 34名

SAPIX 3名

能開センター 72名

進学館 6名

成基学院 1名

——————

合計309名  (大阪星光学院中発表合格者数300名)

2024.2.15現在

 

塾発表合格者合計数と学校発表合格者数の乖離は「甲陽」が222ー220=2、「星光」が309ー300=9、となっていて、灘のそれと比べるとほぼ乖離が無いと言えます。

 

もし、塾の掛け持ちやオンライン受講利用者などが増加したことでダブルカウントが増えているのが理由とするなら、甲陽や星光の最難関校においても、同じようにもっと大きな乖離が見られないと筋が通りません。灘受験者は特に意識が高いから灘受験者においてのみ塾の掛け持ちが流行したのだ、ということを言い出す人もいそうですが、現場関係者は分かると思いますが、灘を目指していたけど統一入試日の受験校を甲陽や星光に変更する人は実際多くいるし、むしろその境界で悪戦苦闘している層こそ塾の掛け持ちなどに手を出すバイアスもかかりやすいですし、そもそも甲陽や星光を第一志望にしている皆さんもかなり意識高いですし、「灘だけがたまたまそうなる」という説はかなり正当性に欠けると思います。塾の掛け持ちなどによって合格者数の乖離が大きくなるという現象が灘だけに留まるのは異常で、甲陽や星光にも同じ傾向が少なからず見えてくるはずで、その2校で同じ傾向が全くと言っていいほど見受けられない、というデータを健全に見ることは正直できません。

 

また、そもそも、塾の掛け持ちといっても、特訓講座だけ別塾で受講したりオンライン講座を受講したりだけの塾生を合格者として本当にカウントしているのでしょうか?

 

実は全国学習塾協会において「基準」が設けられています。

 

合格実績に含むことのできる塾生徒の範囲を「受験直前の6か月のうち、継続的に3か月以上在籍し、かつ受講時間数が30時間を超える」と規定する

※参考↓

 

ただ、この規定を守るように完璧に規制をかけることは実質やりようがなく、結局は塾を経営する企業の「モラル」に委ねられていることになります。

 

塾経営モラル、マーケティングモラルが低下している塾は今のうちに改善しないと、ホワイトであることを週刊誌などによって強要される社会になってきていますから、その煽りを間も無く受けることになるかもしれません。

 

中学受験は卒業し離れることで顧客が常に入れ替わる構造があるので、その構造自体が破壊されたモラルによる工作に毎年のように長年多くの保護者が翻弄され続けることに拍車をかけているのかもしれません。

 

恣意的な意図を注入された数字は、人を狂わせます。

 

そうならないように算数を学ぶ意義があるのだと、私は信じています。

 

 

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