『小問ごとに作図』は情報取捨選択能力を育てる | 算数ソムリエブログ-中学受験突破のために-

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中学受験にまつわるココだけの話

よく、宿題をする時に、「自分で書いた図で考えるように」という指示を受けることがあると思います。

 

色んな先生が言うと思いますが、言う側も言われる側も、その真意を分かっている人は少ないと思います。何かこう、当たり前だろう、そりゃそうだろう、というような雰囲気で言われることが多いです。

 

自分で図を作図した方が良い理由は色々ありますが、今回はその中でも一番大事なことを中心に語ります。

 

なぜ図を自分で描かなければならないか…

 

それは、与えられた図には余計な情報(余計な点や線)が書かれていることが多いからです。

 

ですから「小問ごとに解くために必要な図」を自分で描きなおすことで、余計な情報を遮断し、ひらめきやすい状況をできるだけ構築するのです。

 

 

例を出しましょう。

以下の問題をご覧ください。

今月8月8日に行われました

希学園 小6第2回 プレ神女四天王寺中入試模試 大問3番

です。

 

たとえば(1)を解くときに、四角形DHBGの面積を求めたいわけですから、問題図に書かれているEFという線やI,Jといった点は不要です。不要な線が見えているのと見えていないのとでは、景色が全然違います。

 

つまり、(1)を解くために、以下の図を自分で描きなおし余計な情報を遮断した方が、問われている内容がハッキリしますし、それを解くために何をすべきかひらめきやすくもなるのです。

どうでしょうか、急に簡単な問題に見えませんでしょうか。

 

ですが、やったのは、EFという邪魔な直線を排除しただけです。

与えられた問題図に直接書き込んで解こうとする人には、(1)を解く段階では邪魔でしかないEFという直線が常に視界に入ったまま思考段階に入ってしまいます。

 

自分でちゃんとこの作図をしてから考えるようにすれば、なんてことはない、ありきたりな基本問題へと早変わるのです。

 

 

 

(2)も同じです。必要な図だけを取り出して作図すれば、以下のようになります。

 

いかがでしょうか。小5、小6のどの塾のテキストにも載っていそうな問題になりました。相似の単元のどこかで必ず演習する問題ですよね?

 

…と書いてから、希の小5小6ベーシックのテキスト相似の単元のところを見ましたところ、なんと掲載されていませんでした…。こういう問題をベーシックという名のテキストに掲載していないところが、希のベーシックテキストが微妙であると言わざるを得ない所以になります。模試作成者が、テキストの不足分を補おうと配慮しているのかもしれませんが、いやいやそれで辻褄を合わせたことにされては困りますし、この模試は誰もが受けるものでもなく、誰もが直しまできちんとするものでもありません。

 

浜のテキストには小5、小6マスター、小5最レ、などで、しっかりと掲載されていました。馬渕や能開、日能研のテキストでも確認しました。

(↓浜学園 算数テキストより)

 

 

 

話が少しそれましたが、

(3)の問題になりますと初めて、与えられたすべての直線の存在が絶対不可欠の必要性を持ちます。

 


このように、問題で与えられた図というのは、あくまで小問最後までの内容を完結させるために必要な情報がすべて書かれてしまっているわけで、(1)や(2)を解くことだけを目的化した時に、邪魔をしてくる情報が目に入ってしまうのです。

 

 

情報取捨選択能力は、我々大人が厳しい現代社会を生き抜く上でも必要な能力と言えますが、それと同じ能力が、土俵が違えど小学生にも求められているわけです。

 

大事な情報を抽出し余計な情報を排除し整理する、その上で思考する。とても大事な行動であり、身に付けるべき基本的動作です。

 

 

よく「木を見て森を見ず」が言われますが、「森を与えられることで木が見えない」「全体を見渡すことで細部が見えない」ことも往々にしてある、つまり、多くの情報が大事な情報を隠してしまうことがあるので注意が必要というわけです。

 

 

あと、もう一点言っておきたいのですが、自分で作図して考えましょう、と言われて、分かったと言って、「与えられた図をただ写しているだけ」になる生徒もいます。それでは本末転倒です。情報の取捨選択をすることに意味があるのであって、与えられた図をそのまま丸々コピーして貼り付けしたところで、ほぼ何の進歩も生み出しません(笑)

 

 

小問ごとに解くために必要な情報だけを取り出して作図

 

が出来ていない人は

それを改善するだけで得点力は俄然上がると思います。「小問ごと」が特にポイントです。

 

大問の構成上(1)→(2)→(3)と順に難易度が上がっていく問題がほとんどです。(もちろん例外もあります。)

 

得点力を高めるために実は「全体を見渡す必要は無い」わけです。

 

 

まず(1)

そして(2)

できれば(3)

 

 

という様に、困難を分割して一つ一つしっかり得点していける人が最終的には勝つのです。

 

この、小問ごとに作図、の話は、何も平面図形の単元に限らず、例えば、速さの問題などでも言えることです。

 

同日8月8日に行われました

希学園 小6第2回 プレ星光洛星六甲中入試模試 大問5番

 

を見てみましょう。

↓↓↓

AさんとBさんとCさんの3人が、1周600mの池の周りを同時に出発して右回りに3周走ります。Aさんは1周するごとに前の周の1.5倍の速さで走り、Bさんは1周するごとに前の周の0.8倍の速さで走ります。Cさんは常に一定の速さで走り、Aさんの2周目の速さと同じです。また、Aさんは3周するのに15分50秒かかり、Bさんは3周するのに18分18秒かかります。次の問いに答えなさい。

(1)Bさんの1周目の速さは毎分何mですか。 

(2)CさんがBさんに追いついたのは、出発してから何分後ですか。

(3)AさんがBさんに追いついた場所はスタート地点から右回りに何mのところですか。

 



こちらも、(1)、(2)、(3)をそれぞれ独立させて別々に考えることで全問正解を得る確率を高められます。登場人物が3人なのですが、3人一気に考えようとすると分かりづらく図を書くのも大変ですから、2人ずつ考えることで処理をラクにし、(1)(2)の正解率をまずは高めるのです。

 



(2)では、CさんとBさんについて問われているわけですから、Aさんの情報は不要です。

 

(3)では、AさんとBさんについて問われているわけですから、Cさんは関係ありません。

 

 


不要な情報を遮断して考えることで答えにたどり着きやすくなるという点において、先ほどの平面図形の問題と同じことが言えるわけです。

 

 

情報取捨選択能力

 

 

ぜひ、今後身に付けられるよう『小問ごとの作図』心掛けましょう!

 

 


make sense!

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