なぜ算数・数学を学ぶのか | 算数ソムリエブログ-中学受験突破のために-

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「なぜ算数・数学を学ぶのか?」


多くの人が、持ったことがある疑問だと思います。
こういった疑問が生じる奥行にはむしろ「算数とか数学なんて勉強しても、実生活の中で役に立つことなど何も無いのではないか?」というシニカルな感情が、ベールを被った核として内在しているのではないかと思います。


私はプロ野球ファンなので、昨日行われたドラフト会議の模様を仕事終わりにチェックしていました。その中で偶然にも「なぜ算数・数学を学ぶのか」という問いの答えになり得るかも?という場面に遭遇しました。


それは、中日ドラゴンズの森繁新監督のコメントの中にありました。


中日は、明治大学の柳投手を1位指名しました。同時に、横浜ベイスターズも明治大学の柳投手を1位指名しました。こういった競合が起きた場合どうやって決めるか、シンプルにくじ引きで決めるんですね。


中日の森繁監督、横浜のラミちゃん監督、の抽選順でくじを引きました。昨日ご覧になられた方はご存知の通り、中日の森繁監督が当たりくじを引き、柳投手を獲得する権利を得ました。その後の獲得インタビューで


「さすがは勝負師!おめでとうございます!」


と言われた森繁監督は、


「いやいや、2つしかありませんから。先に取る方がまだ確率が良いのかな、ということですね。」


と答えました。
さて、数学に精通した人であれば、このコメントの客観性欠如が気になって、失笑したり気持ち悪くなったりした人もいるのではないでしょうか。


確かに、くじ引きは先に取る方が当たりを引く確率が高いような感覚、印象があります。しかし、結論から言いますと、当たりくじを引く確率は何番目に引こうが実は同じなのです。


何が言いたいかと言いますと
人間は、"感覚"とか"印象"とか…"勘"とか"直感"とか…主観的な基準に頼って物事の判断をしてしまいがちですが、そういった主観的発想による判断は、間違い、までいかなくとも、実質といくらかズレていることが往々にしてあるのです。


私はちょうど今、「確率思考の戦略論~USJでも実証された数学マーケティングの力~(角川書店)」( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041041422/businessbookm-22/ref=nosim ) という本を読み込んでいるところで、今の自分の考えにフィットしていて良い時期に良い本に巡り合えて良かったなぁと耽っているところなのですが、この本のテーマも実は同じようなことで、例えば、以下本文中からの抜粋ですが、


『主観は最終手段として大切にしつつも、できるだけ客観によって主観のランダム性をコントロールしたいのです。たとえ、直感の閃きというアートで戦略ができた場合でも、サイエンスによってその妥当性をできるだけ担保した方が、成功確率が高くなるからです。合理性を超越したところにあるギリギリの判断自体はアートですが、だからと言ってその瞬間までのサイエンスに怠慢が許されるべきではないと考えています。マーケティング戦略をアートのまま実行する訳にはいかないのです。それでは単純に確率が低くなるからです。』


と述べられているように、つまり
「人間の感覚って結構当てにならないから、算数・数学って道具の力を存分にお借りして、正しい判断の確率を上げていった方が人生上手くいきますよ。だから算数・数学をちゃんと理解しながら勉強した方が良いですよ。」ということです。


近年教育業界では、
「算数とか国語とか理科とかよりも大事なことがある」
なんてことで、やれプログラミング教室だの、大学入試は面接重視だのなんだの言われる時代ですが、確かに今のネット時代に、いわゆる社会に出てから必要な人間力とかコミュニケーション力を育てなければいけないという議論はあって然るべしと思いますが、客観性を示すことなく「僕はこう思うんだ!」なんて主張する若者ばかりの世の中になってしまうと、逆に危険な方向に向かっていかないか、と思ってしまいます。


紹介した本は、マーケティング戦略を考える上で主観よりも客観的な数式の力を頼った方が効果ありますという内容が色んな具体例とか経験談によって詳しく分かりやすくまとめられた本なんですが、受験勉強の役には全く立ちませんので、悪しからずご了承ください(笑)


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