食品の消費税を現在の10%から1%へ引き下げる案が報道されています。

物価高が続き、食料品価格の上昇に多くの家庭が苦しんでいる現状を考えると、生活支援策として非常に分かりやすく、政治的にも理解しやすい政策だと思います。

実際に食品の消費税が1%になれば、家計負担は一時的に軽減されるでしょう。日々の買い物で感じる負担は確実に減ります。

しかし一方で、私はこの政策は「大きな社会実験」になるのではないかと見ています。

現在の日本はインフレ局面にあります。

一般的に、減税は消費者の可処分所得を増やし、需要を押し上げる効果があります。景気が悪い時には有効な政策ですが、インフレ局面では逆に物価上昇を加速させる可能性があります。

食品の消費税が10%から1%になることで、一時的には家計が助かります。しかし、その結果として食品需要が高まり、食品価格の上昇が加速する可能性もあります。

極端な話、食品価格の上昇率が消費税減税分の9%以上(10%-1%)上乗せされるのであれば、消費者にとってのメリットはほとんど消えてしまいます。

もちろん実際にそこまで上昇するかは分かりません。しかし、この政策がインフレにどのような影響を与えるのかは非常に興味深いテーマです。

マスコミでは「財源をどうするのか」という論調が多く見られます。

確かに消費税収は減少します。

しかし、インフレによって名目GDPが拡大すれば、企業の売上や利益、個人の所得も名目上は増加します。その結果として法人税や所得税などの税収増加も期待できます。

そのため、単純に消費税収だけを見て財源不足を論じるのは少し短絡的ではないかと感じています。

むしろインフレが継続することで、過去に積み上がった国の借金の実質的な負担は相対的に軽くなります。

もし食品消費税1%という政策の背景に、経済成長とインフレを活用して国の債務問題を解決していくという戦略があるのだとすれば、高市政権、恐るべしです(笑)。

食品の消費税が1%になれば、当面の生活は確かに楽になります。

しかし重要なのは、その先もインフレが続く可能性を前提にライフプランを考えることではないでしょうか。

現金だけを保有していると、物価上昇によって実質的な資産価値は目減りしていきます。

これからの時代は、

・インフレ率を上回るペースで収入を増やせる仕事やスキルを持つ
・インフレに強い資産を保有する

こうした視点がますます重要になります。特に若い世代にとっては必須科目と言っても過言ではないでしょう。

食品消費税1%は、単なる減税政策ではありません。

日本経済がこれからどの方向へ進むのかを占う、大きな社会実験であることは間違いないと思います。