先日訪れた新空間のことを少しご紹介。テームラボ バイオボルテックス京都。
テクノロジーを駆使した体験型美術館?なんだとか
現代アートってほぼ哲学を可視化したようなものだし、GCアニメーションを「美術」に分類するのなら、確かに美術館なのかも…。
けど、純粋芸術とはだいぶ開きがある(^^;)
個人的には、インテリジェンスと哲学が詰まったテーマパークって印象でした。
没入体験できる場所として、1万㎡の箱の中で人造物がひしめきあってる。
ただ楽しいだけだったらすぐさま退散したことでしょう。
展示を通して芯のある「問い」が発せられてるのがおもしろくて、5時間掛けて隅々までチェックしてきました。
印象深かったブースを5つだけ案内してみようかな。
1.自然の営みに触れる壁
ある意味、この施設のポリシーを象徴する展示だと思った。
漢字が壁をつたってどんどん降ってくる。
ある女の子がその意味に気付いて、「雨」という文字に駆け寄り触れると…
雨の風景が現れた。「虹」に触れると、虹が。
雨・虹・花・雷・金・月・日…自然を象徴する文字が、触れられると風光明媚な情景を生み出していく。
プロジェクションマッピングとタッチセンサーの技術が呼応して、やたらいい感じの雰囲気を醸してくる。
ん…何に感心させられてるのだろう…っとモヤモヤしてたら「識」という字が降ってきた。
「識」だけが異質。なんらかのメッセージに違いない…。
「認識することで現象が生まれる」という先端物理学の概念を指してるのかも?
意味分かんない極めて抽象的な概念をカタチで表現してくれてることに感銘してるんだわ、きっと私。
仕組みに気付けなければ、ただただ漢字が降ってくるだけの闇深いブース。
文字(概念)を認識して関わろうとしたことで鮮やかな世界が創造された。
意識ってそういうものかも。
深くない?
2.見えないものが現象を支配していると知らされる密室
風船の数・形は常に一定なのに、室内に巻き起こされる「風向き」がさまざまな造形を生み出す。
鍾乳石のように天井からツララが生まれることもあるし、機械工場のタービンのように列をなして旋回を始めたりもする。
風にコントロールされてる風船たちが、生命力を与えられ意思を得たかのように振る舞う。
風向きを読んで立ち位置を変えれば、風船の渦に巻き込まれて造形の一部になることもできる。
風に乗る、風を読むってってこういうことだなと。
風のもつ力についてまざまざと考えさせられたブースだった。
風船を物質を構成する素粒子に見立てることもできるのではないかと、そんなことも思った。
ここが一番好きだった。キラキラ…
4.古典絵画に描かれたような光
光ファイバー?の先端がアンニュイな光を放つ。
「貧しい農家のランプ」とか「蝋燭を灯した宗教画」を思わせる。
光は全方向に放射されてるはずなのに、絵画のように平面的に見える不思議。
空間が着色されるのは何故?水蒸気が満たされてるのかな。
平面に見えるのはフレームの錯覚効果なのかな。
なんでそうなる?を解明したくもあるけど、探究心も溶けてしまいどうでも良くなるほどアンニュイな光。
たくさん吊るされてるとこうなる。
これは、美術館と呼ぶにふさわしいアート空間だった。
5.自作の魚が泳ぐのはかわいい
話の次元がだいぶ変わるけど、自分が描いた魚がプロジェクションマッピングとして壁を飾るのは意外と嬉しいものでした。
この施設の展示の7割くらいはプロジェクションマッピングの技術で成立しています。
複雑な立体構造を隙間なく映像で埋め尽くす技術がすごい。
来館者の描いた魚を泳がせるくらいちょろいものなんでしょうが、これが嬉しい。
「参加できると印象に残る」の法則、確かに。
↓ これが、すぐさまこうなる
自分の魚が一番かわいいと思えるから、めでたい。
とにかくプロジェクションマッピングだらけ。
室内を天井も壁も床も境目なく映像で一続きにしてしまう技術とか、どうなってるのだろう?ってことこそ気になるが、所詮仮想空間。
どこか覚めてて没入とか無理…
神羅万象を様々に演出してくれたところで、こっちは四六時中本物の自然に囲まれて暮らしてる。
だけど、宇宙遊泳してるような錯覚を誘うプロマ部屋は、平衡感覚がおぼつかなくなるエグさがあった。
ご一緒した奥村薫さんは倒れちゃってスタッフに付き添われて退出された程。
乗り物酔いみたいな気分悪さを傍に置いて、何がそうさせるのか?を分析してみた。
倒れそうだったけど、感覚と理性を切り分けてそこに居続けるってことがおもしろかった。
で、平衡感覚を狂わせる原因を考察しての結論は、
・床の模様が動くと床が揺れてる錯覚を起こす
・目の端(左右の壁付近)まで映像が迫ってくることに慣れてない
映画館のスクリーンやテレビモニターだと映像は四角く切り取られている。
切り取られた画面は自身へと‘続いてる’感覚がなく、客観性が生じて臨場感が薄い。
映像と自身を断絶する枠を排し、正面で目撃した映像の顛末が視界の端まで送られてくると、「そこに居る」錯覚が発生するらしい。
床も然り、視覚がこんなにも三叉神経を左右するなんて…。
“目が決めたこと”に服従してる“日常の当たり前”、たくさんあるんだろな。
そうかと思えば、どっしり構えて何食わぬふうのガイジンさんたちはなんで平気だったんだろう
写真映えはするけど意図がイマイチわからん…という展示もちょいあったけど、それは私の教養不足なのかもね?
密室で一定時間を複数人で過ごすとか久しぶり。
洗剤の泡にまみれるブースなんかは、かなりチャレンジング。
攻めた企画は痛快、好感度でした。
50の問い掛け(ブース)が詰め込まれた巨大な超人工空間。国内最大だそうですよ。
実のところ、グリーンに覆われたこのエントランスがいちばん好み。
晴れの日には暗室に篭らないのが主義だけど、それに見合う充実感が得られたのは奥村薫さんとご一緒できたから。
薫さんは舞踏家でありITエンジニア。「これどうなってるの?」を探究しながら廻れたから楽しめました。
先日の奥村薫公演@ねこ福の開催レポート、読んでくださいました?














