今年の大河ドラマも終わっちゃいましたね。
ドラマを見る習慣もなければテレビを遠巻きに暮らす主義ですが、『べらぼう』は初回から欠かさなかったです。
…というのも、川上徹也さんの著書『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』で蔦屋重三郎のことを知ってたので。
子供の頃から好きだった北斎や広重の生みの親で、浮世絵ブームを興したのは蔦重だという。美術評論家のひよことしてははずせないでしょ。
けれど、観始めて響いたのはそこではなくて…
ー 工夫する…、そんなこと考えたことなかってぇす。
ーこの本作んのはょ、めーっちゃくちゃてぇへんだったけんど、俺にもこんなおもしれぇことがあったんだって。知れたことが嬉しぃのよ。
吉原のしきたりの中で粛々と奉公していた蔦重が、老中田沼意次から‘自分で状況を変える’という概念を授かる。三日三晩、桶の中で考え抜いて斬新な吉原ガイドブックを発案する。
出来上がった自作の本を手に、違う世界を歩き始めてる自分を感慨深く噛み締める。
幸せ見つけた!
↑この感覚にハッとなったんです。
先月訪れた内藤おくすり記念館で耕書堂の本が展示されてました〜
自分が長らくサラリーマンを辞めれなかった理由もこれだったんですよね。
これまでなかったものを生み出すって面白い。
何もかもを犠牲にしてでも取り組みたくなる媚薬でした。
最終回まで見続けた人はそんなモチベーションに共感したり刺激をもらってたのでは?
べらぼうロスの人がわたしの周辺にはちらほら。
そんな方々に朗報。ドラマの余韻を封じ込めた本がありますよ。
増田宗昭とはTSUTAYAの創業者。
蔦屋と蔦屋、これはなんと偶然なのだそうです。なのに2人の生い立ち、経歴は酷似。
そこに着眼して2人の蔦屋の歴史が綴られています。
増田宗昭氏は現在の人。つい最近TSUTAYA社長の席を、これまたユニークな経歴の部下に引き継がれたようです。
この本は増田氏へのインタビューをもとに書かれているのだけど、まるで江戸時代にタイムスリップするようでもありました。
大河ドラマの設定を変え、昭和に舞い降りた蔦重が「おもしれぇこと」を展開してるかのようでもある。
話のリズムもモチベーションもなんだかトーンが同じで、読んでると増田氏のセリフが横浜流星さんの声で頭の中で再現されてく。
「べらぼうロス」の皆様は手元に置くべしですよ。
蔦屋重三郎の数少ない事実情報を補完する伝記とも言える。
もし蔦重が現代社会に舞い降りたらこうしてたんだろうなっと同時代を闊歩してるのが想像でき、より身近、よりリアル。
大河ドラマは関心ないという人でも読む価値ありです。
これからの時代、どんな視点が大切になってくるのかなってことも綴られてる。
なにせ時代の先を読むことに長ける‘蔦屋’の本ですから。
耕書堂の版ないかと家中の浮世絵を探してみた…
ノベライズやムック本も良いけれど、現代の身近な出来事と重ねてドラマを振り返れたら一石二鳥ってもんじゃねぇですか。っと蔦重なら紹介しそうな気がします♪
ハードカバーだし分厚いし、見た目で敬遠したくなりますが、読みやすいです。
『べらぼう』の総集編放映までに読みきりたいなと集中したら、遅読家なのに200ページを一晩で読めました。
さすが‘文章の鬼’ 、‘言葉の専門家’が書かれる文章は敷居が低く、万人に門戸が開かれています。ビジネス書のエッセンスがノベライズのように語られていますよ。
梅田蔦屋書店ではビジネス書ではなく生活スタイルの棚に置かれていました。
おもしれぇことを仕事にするって、言い換えれば生き様を仕事にしてるってことだもんね。
29日放映の『べらぼう』総集編とあわせてどうぞ。
ドラマが立体的に見えてくるの請け合いです。



