5月中旬のこと、大和文華館を初めて訪れました。
木々のあいだに木漏れ日を感じながら小高い丘を登った先に城郭のような建物が現れた。
目的は富岡鉄斎の企画展覧会でしたが、ロケーションのアートセンスに既に鑑賞が始まってる手応え。
今から芸術作品に会いに行くんだなぁって心の準備が徐々に整っていく。
館内では重厚な構えの廊下が、お待ちしておりましたと語りかけてくる。
豪邸に招かれたような優雅な気分で進んでいくと、今からいかに貴重な作品群と面会できるのかという値打ちが認識されてくる。
長く静かなアプローチの末、展示会場に到着すると、さっそく1作品目からスッと鑑賞モードで眺められる。
これ、なかなかないんですよ。
会場に入って1−2分しないと作品を観る目に切り替わらないものなんですけど、たいていの美術館では。
芸術をこよなく愛する人の設計なんだろうなって思いました。
富岡鉄斎のことは以前にレポートを書きました。
書きっぷりがエキサイトしてたか、「お好きならどうぞ。」っとチケットをいただいたのでした。
没後100年ということで各地で企画展が開催されてたようですね。
残念ながらお気に入りとなった作品の画像は世に出回ってないようで、ここに紹介はできないけれど『層巒仙閣図』だったと思います。
惜しいことに帰宅してすぐに復習ができなかったので、感動を克明には記憶できていないことが判明。直後の復習が大切な年齢になったようです…
渓谷に雨が降る画だったと思う。
その雨が、映画マトリックスの暗号文字のように上から降ってる様が画面を埋め尽くしてる。
雨の濃淡を透かして遠景が浮かび上がっている。87歳の作品。
斬シーン、カッケーって思った。
なんでこれが代表作にならないのか意味がわからん…。
『山荘風雨図』
画像はHPからお借りしました
讃には「台風の日は家でおとなしく勉学に励むとするか」と書かれてるらしい。
こういう題材を観るにつけ、己と重なり親近感が増す。
あそこはどうなってるだろう、我が家は大丈夫だろうか…そんな思惑をするよりも、諦めて今できることに専念すべし。心配したところで自然の猛威をどうこうできるわけではない。天にお任せ。きっと守られてる。。
そんな人生訓が伝わってくる。90歳までご存命だったとか。長寿の秘訣でもあるかなと。
50点ほどの展示の小さな美術館ですが、立地、佇まい、建物の風格など含めて存在すべてが調和のとれた美意識を提示していて、
私設美術館ならではの細部に宿る美を楽しませていただけました。
関西にもこんな品の良い美術館があるのですね。ちょっと嬉しくなった。
赤松が肩を寄せ合う庭園。手前に美しく整備された駐車場。空間のゆとりそのものが大阪近郊では贅沢だと思うんですよね。
大きな池のほとりという立地。
四季折々の花が植えられた小道沿い。
緑を分け入って向かう自然道ルートもある。
そもそも、自然が充しているゆらぎのようなものをキャッチする感性をもってしてこそ、古き名作は味わいになるような気がする。
気の利いたしつらえだと思いました。
建物の壁の仕組みが気になる…、間近で確かめてみた。
なまこ壁というらしい。
平面を埋めているのはモザイク石だった!
なんてこだわりなんでしょうか。
四季折々に足を運びたくなる美術館でした。
場所は近鉄学園前。
周辺のお宅拝見散策も気分上がる系。
他にも美術館が点在するようなので、今度は1日どっぷり学園前体験の日にしよう。
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