ご無沙汰ぶりです、僕、リュシアンだよ。
お庭の担当はアントワーヌ。
僕たちのおつとめは、エミちゃんを見守ることだというのに、
忘れちゃうんだなぁ、あいつ。
おてんばだから、すぐ飛び出しちゃう。
そうだよ、
僕たちはエミちゃんを守るためにねこ福にやってきたんだ。
「七福の猫さんたち」に代わってね。
そのことは、また別のときにお話しするけど。
そういう訳で、エミちゃんの様子をこっそりレポートするのは、
もっぱら僕の担当になっちゃったね。
今日うわさにするのは、これ。
「石けん…」て言うらしい。
エミちゃんが夜にテンション下がらず活き活きしてるなって時は、
これを作る準備が始まる。
そいで、僕たちは部屋から追い出される。
こわい薬品を使うから危ないんだとか。
ドアの隙間から覗いてみると…、
あれは魔女だね。
数日後、
猫の肖像をこんなふうにズラーッと並べるんだ、
僕としては複雑だね、
勝手に石けんにされちゃってる。
だけど、これがいいらしい。
「かわいい〜♪」ってみんな喜ぶらしいんだ。
僕見て言ってよ!
モデルは僕たちなんだから。
エミちゃん昔、会社というお金をくれるところで、
魔女の仕事をやってたんだってさ。
やっぱり魔女はお金を練り出すんだね…。
そこで調香師というもっと心ウキウキするお仕事を知って、
浮気したくなったんだって。
手堅く魔女を続けることにしたようだけど、
香りへの思い入れは今でもあるね。
石けんにもイメージした通りの香りを表現しようとこだわってる。
うん、いい香りがするよ。
さっぱりタイプの石けんには、柑橘の香り。
いつまでも香りが消えないように裏技を使うんだって。
しっとりタイプの石けんには、水の香り。
昔「L'EAU D'ISSEY」って香水が大流行りしたんだって。
その香りを再現するんだ〜って張り切って混ぜ混ぜしてたよ。
本人的には大成功なんだって。
僕はその香りを知らないから(何しろ若いからね!)、
あぁそうですかって言うくらいしかできないけどね。
庭のユーカリやローズマリーを漬け込んだ石けんとかも作ってるよ。
微かに匂うくらいが、顔を洗うときにはちょうどいいんだって。
ハーブの成分が溶け込んで、
使い心地も違うらしい。
最近たくさん作ってるよ。
5種類ぐらいあって、
あれはこうでと説明してくれるけど、
僕興味ない。
でも、色々聞かされるから、
そのうちちょっとした石けん博士になってるかもね。
時々お客さんも魔女の修行にやってくる。
どうも、こんな理由で来るみたい⬇︎
よかったら、僕に会いにきて♪


