昔、お茶の時間の縁側で「お茶の木を植えようと思うんだけど・・」と、タイチローに持ちかけたことがあった。
タイチローは「お茶の木ならあっちの方に植ってたと思ったがなぁ」と、南東の方角を指差した。
わたしはてっきり、うちに入ってくる砂利道沿いの垣根のことを言ってるのだとばかり思って、出かける道すがらに思い出しては探してみたけど、茶の木らしきものは見つからず、そのままになってた。
去年の11月、東側の生け垣の辺りを整理しているとき、生け垣の内側、生け垣よりも一段低くなっている木々に、白い花が咲いているのを見つけた。
これはもしや茶の花では?と写真を撮って画像検索すると、やはりそれはお茶の花らしかった。
(わたしたちの生活スペースからは納屋の裏手になっていたから、それまで花の時期に気づかなかった。いつも剪定してるマルゴは見ていても気づかなかったんだろう)
タイチローは、この場所のことを言っていたのか。
タイチローがあっちの方と指を差した日から、何年越し?
おそらく15年以上は経ってるだろうと、あの日の会話を思いながら、次の八十八夜5月1日、スケジュール帳に「茶摘み」と書いておいたんだった。
まもなく八十八夜を迎えようという先日、あれは本当に茶の木なのか?と、息子と言い合って、試しに少しだけ摘んだ葉を、生のまま揉んで飲んでみた。
たしかにそれは、とても美味しいお茶の味がした。
というわけで確信を得たわたしたちの、今日はお茶摘み。笑
少し蒸して揉んだだけのお茶をさっそくいただいた。
摘みたてのお茶は普段買って飲んでるお抹茶よりよほど、風味も香りも高く美味しい。
目が開く。
長年放置してあったのだからもちろん無農薬。
タイチローが植えたのか惣吉じいちゃんが植えたのかも、今となってはわからないし、茶の種類もわからない。
いつかお茶の木を植えようと、ここに誰かが木を植えた。
それを何世代だかわからないあとのわたしたちが、ちゃんと飲んでいますよ。
とても美味しいお茶です。



