スチームアイロン注意の素材 | 佐倉編物研究所 公式ブログ

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編物をあらゆる角度から研究し、広く普及することを目指します。
所長は講師・デザイナー・ニッター・ライター(物書き)もするオジサンです。
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所長の伊藤です。

 

昨日は、スチームアイロンによる仕上げの話をしました。

 

では、何でもかんでもスチームアイロンで仕上げをすればよいかというと、そうではないんです。

素材によっては、スチームアイロンをかけすぎることにより変質してしまい、風合いが損なわれてしまうものもあります。

 

代表格なのが、アクリルです。

アクリルを高率で含む毛糸(おおむね30~50%以上)で編んだニットに、スチームアイロンをしっかりかけて仕上げた場合。

どうなってしまうかというと、編み地のコシがなくなり、ペランペランになってしまうんです。

アクリル特有の、ウールに似たバルキー感やふっくら感が、まるで失われてしまうのです。

一度こうなってしまうと、もう元には戻りません。

 

では、どうしたらよいか。

アクリルの場合、スチームアイロンをかけるとしたら、ごく軽く当てるだけにするか(やや遠くから蒸気を当て、少し熱を持たせる程度)、アイロンカバーをつけてスチームアイロンがけをします。

  

(だいぶ使い込んだ当研究所のアイロンカバー「アミロ」。当て布をするのと同等の効果があります)

 

 

その他の素材では、おおむね、アイロンがけ適温の「高」~「中」はスチームアイロン可で、「低」は要注意もしくは不可と考えれば大体OKではないでしょうか。

すなわち、(温度の目安は諸説あります)

 

「高」 麻、綿…ガンガンかけてもまぁ大丈夫

「中」 毛…浮かしがけをする(アクリル混の場合は混率に注意)

「中」 レーヨン…水に弱いのでかけすぎないで

「中」 ポリエステル…熱に弱いのでかけすぎないで

「低」 アクリル、絹、ナイロン…要注意。軽くかける程度、またはかけない

 

化繊はちょっと気をつけて。

念のため、ゲージ・スワッチなどで試しがけをして確かめてから本番をかけましょう。

 

 

ニットに限らず、どの繊維がどれだけの熱に耐えられるかというのは、頭に入れておいて損はありません。

以前、店員として働いていた手芸店で、こんなことがありました。

アイロン接着のラインストーン(ホットフィックス)を買ったお客さんから、同僚にこんなクレームがあったんだそうです。

「レオタードにこれ(ホットフィックス)付けようとしてアイロンかけたら、レオタードが融けちゃったじゃないのよ!

買ったときになんで融けちゃうって言ってくれなかったのよ! どうしてくれるのよっ!!!」

すなわち、ナイロンのレオタードにつけようとしたら、熱でとけちゃったんだって。

(ちなみに、ホットフィックスはアイロンの中温or高温でないと接着できません)

でもこれは、取扱説明をちゃんと読んでおけば、あるいはアイロン温度と繊維の関係を(常識として)知っていれば、こんなことにはならなかったはずなんですが…

お客さんがどんな素材につけようとしているかなんて、店員がいちいち知る由もないし…

大変お気の毒なのですが、これは自己責任と言わざるを得ません。

しかし、応対した同僚は必要以上におびえてしまって、以後、ホットフィックスやアイロン接着のゼッケンなどを買うお客さんに、いちいち、

「お客様、こちらは何に貼り付けますか? もし水着とかレオタードでしたら、ナイロン素材には使えませんので…」

と聞くようになってしまいました。

「そんなのわかってるわよ!」と返すお客さんも中にはいたようで…

 

不親切になったり、お節介なったり、ムズカシイネ。

 

 

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