手のきつさ・ゆるさ 手加減の話 | 佐倉編物研究所 公式ブログ

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編物をあらゆる角度から研究し、広く普及することを目指します。
所長は講師・デザイナー・ニッター・ライター(物書き)もするオジサンです。
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所長の伊藤です。

 

編物の本のレシピどおりに編んだら、サイズ通りに仕上がらなかった、ということはありませんか?

つまり、編み図通りの針の号数、目数、段数で編んでみたら、書いてある寸法よりも大きくなった、あるいは小さくなった、というようなことです。

 

手編みの場合、人間の手が編むことですから、人によって手加減が異なって当然です。

つまり、号数、目数、段数を同じにして、手がきつめの人が編んだら作品は小さめに仕上がり、

逆に手がゆるめの人が編んだら作品は大きめに仕上がります。

この、手が「きつい」か「ゆるい」かなのですが、自分がどちらの傾向にあるかを把握しておくことはとても重要なことです。

 

手のきつさ・ゆるさを知っていると、たとえば、普段手がきつい人だったら、編み図や糸のラベルに棒針6号と書いてあれば、

だいたい棒針7号か8号を選択すれば適正な寸法が得られやすい、とアタリをつけることができます。

 

講習をしていて、「先生、これ何号で編んだらいいですか?」とよく聞かれますが、その際はその生徒の手のきつさ・ゆるさを尋ねてアドヴァイスをするようにしています。

「普段編物の本の作品を編んでいて、作品が書いてある寸法よりも大きくなったり小さくなったりしたことありませんか?」のように聞いて、生徒の手加減の傾向を確かめます。

 

手加減って、人によって驚くほど違うものです。

かつて、20人ほどの集団に、同じ並太毛糸を棒針で編んで、ゲージが10cmで18目になる棒針の号数を見つけるという実験をしたことがあります。

そしたら、最も細い(手のゆるい)人は棒針7号、最も太い(手のきつい)人は棒針11号、という結果になりました。

5号分も差があったんです。

(ちなみにこのとき私は棒針9号でしたので、この集団では「標準」でした)

 

なお、きつさ・ゆるさを「手加減で調節してください」と言われることがあります。

つまり、たとえばきつく編めてしまったのを、手加減を「意識的に」ゆるめてきつくならないようにする、みたいなことです。

しかしこれはあまり感心しないことです。

というのは、「意識的に」手加減を調節すると、それはなかなか一定しにくく、今日と明日で必ずしも同じ手加減で編めるとは限らないのです。(大抵は変に意識してしまうため微妙に異なる)

ですから、きつさ・ゆるさを調節するのは、原則として針の号数を変えて行うのが鉄則です。

(部分的に手加減で調節することが有効なときもあります)

 

理想は、いつ何時も手加減が一定になることです。

でも、それは、機械で編むのと変わらなくなっちゃう?

そうすると、手編みってなんだろう? 手編みの良さって?

私はある時期、とても手加減が一定だったときがあり、

編んだ作品を見た同志から「わぁ~、機械で編んだみたい!」と言われたことがあります。

でもそれ、褒めてんの?

素直に受け取れませんでした…

 

 

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