片付けは、
「心地よい暮らし」を
目指すことから
始まるのではありません。
探し物をする。
戻すのが面倒。
床のモノが気になる。
そんな毎日の困りごとから、
「どうして、そうなっているんだろう?」
と原因を見つけていく。
なぜ今まで片付かなかったのかを
一緒に見つけ、
その方にできる方法を考えていく。
そんな片付けをお伝えしている、
整理収納コンサルタントの須藤昌子です。
「好きだから減らせない」そのモノ、本当に大切にできていますか?
「クマのグッズが大好きなんです。」
レッスンに参加された、55歳のみちこさんは、
かわいいクマのグッズを見つけると、
ついつい買ってしまうそうです。
小さな置物や雑貨など、
これまで少しずつ集めてきました。
どれも、買ったときには、
「かわいい!」
「これも欲しい!」
と思って手に入れたモノです。
だから、
「減らすという選択肢はありません。」
とおっしゃいます。
好きなモノなのだから、
そう思いますよね。
私も、好きなモノを
無理に減らす必要はないと思っています。
でも、みちこさんには、
もう一つの気持ちがありました。
「さすがに増えすぎて、
このままだと
自分の居場所がなくなるんじゃないか
と思うんです。」
好きだから持っていたい。
でも、たくさんのモノに
囲まれた窮屈な生活からは抜け出したい。
この二つの気持ちの間で、
困っていらっしゃいました。
何を持っているのか、自分でも分からない
お話を聞いていくと、
クマのグッズは
かなりの数になっていました。
全部を飾ることはできません。
ホコリをかぶるのも嫌なので、
箱に入れて保管しているモノもあります。
そして、
「こんなの持っていたんだ。」
と思うこともあるそうです。
つまり、
大好きで集めてきたはずなのに、
自分が何を持っているのか
分からなくなっている。
好きで買ったけれど、
箱に入ったまま。
持っていることさえ
忘れているモノもある。
そこで私は、
「好きなモノを持つって、
どういうことなんだろう?」
と改めて考えました。
私にも「大切だから」と守っていたモノがあります
少し前まで、
我が家には
長年使っていた
ダイニングテーブルがありました。
くるみの木で作られたテーブルです。
私は、その木の風合いが
とても好きでした。
だからこそ、
傷をつけたくない。
汚したくない。
そんな気持ちがあって、
何十年もの間、
テーブルには
ビニールのシートをかけて
使っていました。
私にとっては、
大切だから、
傷つかないように守っている。
という感覚だったんです。
でも、あるとき、
そのビニールシートを外してみました。
すると、
「あれ?」
と思いました。
木に直接触れたときの手触り。
ビニール越しでは分からなかった、
木のなんとも言えない感じ。
それを味わったとき、
ふと思ったんです。
このまま傷つけないことばかり
考えていたら、
私は、この木の感触を
ちゃんと味わわないまま
死んでいくのかもしれない。
それって、
そちらの方が、
もったいないんじゃないかな、と。
「傷つけないこと」と「大切にすること」は同じ?
もちろん、
これは人によって考え方が
違うと思います。
傷一つない状態を保つことが、
その人にとって
大切にすることなら、
それでいいと思います。
でも、私にとっては違ったんです。
せっかく、
「この木が好き。」
と思って選んだのに、
その木に触れない。
汚れるのが嫌だから覆ってしまう。
傷つけないことを優先するあまり、
自分が好きだと思ったものを、
十分に感じることができていなかった。
それに気づきました。
だったら、
傷がついてもいい。
汚れることがあってもいい。
その代わり、
触って、
使って、
その木の良さを感じたい。
そう思うようになりました。
そう考えると、
使うことでできた傷や変化も、
「傷ついてしまった。」
ではなく、
長く一緒に
使ってきたからこそのものとして、
違って見えてくるような気がしました。
「持っていること」と「楽しんでいること」は違うのかもしれません
みちこさんのクマのグッズも、
少し似ていると思ったんです。
好きだから買う。
大切だから手放さない。
ホコリをかぶらないように箱に入れる。
でも、数が増えすぎて、
何を持っているのか分からない。
箱の中に入ったままで
見ることもない。
存在さえ忘れている。
それでも、
「持っているから、大切にしている」
と言えるのでしょうか。
私は、必ずしも
そうではないような気がしています。
もちろん、
箱にしまって
持っていること
そのものが幸せなら、
それも一つの答えです。
でも、
「かわいいな。」
「今日はこれを飾ろう。」
「これを見るとやっぱりうれしいな。」
そんなふうに、
好きなモノから
楽しさをもらうことを
大切にしたいのであれば、
持っていることを
忘れるほどの量は、
本当に自分を楽しませて
くれているのかな?
と考えてみても
いいのではないでしょうか。
「全部好き」の先を考えてみる
片付けをしていて、
「全部好きなんです。」
と言われることがあります。
そんなとき、
「では全部残しましょう。」
だけでも、
「でも多いから減らしましょう。」
でもないと思っています。
もう少し、その先を考えてみる。
例えば、
「私は、この好きなモノを
どう楽しみたいんだろう?」
飾って眺めたいのか。
使いたいのか。
触れたいのか。
たくさん持っていること
そのものがうれしいのか。
時々入れ替えながら
楽しみたいのか。
答えは、人によって違います。
でも、その答えによって、
自分にとっての
「大切にする」も
変わってくると思うんです。
「減らす」ではなく、「大切にできる量」を考えてみる
片付けというと、
モノが多ければ、
「減らしましょう。」
という話になりがちです。
でも、
減らすこと
そのものが目的ではありません。
みちこさんが
本当に困っていたのも、
クマのグッズを
たくさん持っていることだけでは
ありませんでした。
好きなモノは楽しみたい。
でも、自分の居場所が
なくなるほど
窮屈な暮らしにはしたくない。
その両方を大切にしたかったんです。
だったら、
「何個までなら正解?」
と適正量を決めるのではなく、
「私は、どのくらいなら
一つ一つを楽しめるんだろう?」
と考えてみる。
飾る。
眺める。
時々手に取る。
持っていることを覚えている。
そして、モノだけではなく、
自分が気持ちよく過ごす場所も残す。
そのバランスは、
人によって違っていいと思います。
大切なモノを、本当に大切にできていますか?
好きなモノを見つけると、
「これも欲しい。」
と思います。
私にも、そういう気持ちはあります。
でも、
好きだから持つ。
だけではなく、
その先にある、
「私はこれを、
どう楽しみたいんだろう?」
まで考えてみる。
そうすると、
持つことだけが
「大切にする」ではないことに
気づくかもしれません。
箱の中にしまったままのモノ。
持っていることを忘れていたモノ。
汚したくなくて使えないモノ。
たくさんありすぎて、
一つ一つを見ることがなくなったモノ。
もし、そんなモノがあったら、
すぐに「捨てるか、残すか」を
決めなくてもいいと思います。
その前に、
「私は、このモノを
どう大切にしたいんだろう?」
と考えてみてください。
そしてもう一つ、
「今の持ち方で、
私はこのモノを本当に楽しめているかな?」
と。
片付けは、
好きなモノを我慢して
減らすことではありません。
でも、好きなモノを持つことで、
自分が窮屈になったり、
好きだったはずのモノを
楽しめなくなったりしているのなら、
「好きだから持つ」という
当たり前を、
少しだけ考え直してみても
いいのかもしれません。
好きなモノだからこそ、どうしたらいいか分からない方へ
「捨てたくない。」
「でも、このままでは嫌。」
この二つの気持ちがあると、
自分一人では、
なかなか答えを
出せないことがあります。
そんなとき私は、
「減らしましょう」
と答えを決めるのではなく、
何を大切にしたいのか。
そのモノをどう楽しみたいのか。
今、何に困っているのか。
そんなことをお聞きしながら、
その方自身が納得できる
持ち方を一緒に考えていきます。
公式LINEでは、
こうした片付けの考え方や
レッスンについても
お知らせしています。
「好きだから減らせない。
でも、このままも嫌。」
そんな方にも、
片付けには「我慢して捨てる」以外の
考え方があることを
知っていただけたらと思っています。
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