最後の一人 「いるいる」な人? 1 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

 

 

 

 

  「来週はね、『ピーター』が休暇に入るから

 

  より忙しくなるわよ~!」

 

 

 

 

 

  「ジョー」にそう言われていた、週明けの月曜日。

 

 

  「ジョー」と「ジュリー」が既に出勤していた所に加わった私が「ジョー」に指示された『ミキサー部屋』で材料の用意をしていると、見慣れない女性がのっそりと入って来た。

 

 

  あれ? また『研修』かな?と思ったのだが

 

 

  「ああ『リオ』、初めてだったわよね?

 

  こちら『ロッテ』よ、

 

  『ロッテ』、彼女が『リオ』ね!」

 

 

 

  「ジョー」にそう言って紹介された女性は……そう、一番先に休暇を取っていたという、『カミ』メンバーの中で未だ会ったことのない「最後の一人」だった。

 

 

  

  「ロッテ」はコノ国としては地味目な、と言うか、改めて紹介されなかったら「そこらの女性1」で通り過ぎるような雰囲気。

 

  加えて「サラ」から事前に「ケーキ職人」と「保母」を平行してやっていて、将来的にどちらに本格的に進むか考え中……と聞いていたので勝手に「若いヒト」だと考えていた。

 

 

 

  ところが実際の彼女はちょっと疲れた印象がある、中肉中背でやはり30代だろうな……という感じの女性だった。

 

 

 

 

  その彼女が一言も言わず、全くアタリマエのように私の直ぐ横で「自分の仕事」をやり始めたので「え?」と思ったのだが、それに真っ先に気付いた「ジュリー」が声を上げた。

 

 

  「リオ、アナタはあっちよっ!」

 

 

 

  ……は? 私ですか?

 

  するとその声に『オーブン部屋』に居た「ジョー」が気付いて顔を出して来た。

 

 

  「ああリオ、今日アナタは私と一緒だから」

 

 

 

 

  ……はあ。

 

  うわ~、「ボス」と一緒か~、ちょっと緊張するな~!

 

 

  でも「ジョー」の仕事は参考になることも多いからエエか~、と思いつつ、私は自分が用意していた材料等と一緒に『オーブン部屋』に移動した。

 

 

 

  すると。

 

 

 

  別に「その途端」という感じではなかったのだけど…… 

 

 

 

  「ジュリー」と「ロッテ」が

 

  楽しそうにお喋りを始めたのだ…!

 

 


  

 

  特に「ジュリー」の声が大きいのは相変わらずだったが、正直

 

 

  「ぼんやりした感じの人」

 

  …という印象だった「ロッテ」の声も負けてはいなかった。

 

   それが切れ目なく延々続く。

 

 

 

 

  もちろん、その日「ジュリー」は恒例の「音楽」を一切掛けることはなかった……私の時は真っ先に聞いて来た(参照;『初出勤』の日)のに。

  

 

 

 

 

  …なるほど「そういう関係」だったのか、と思った一瞬だった……!