「来週はね、『ピーター』が休暇に入るから
より忙しくなるわよ~!」
「ジョー」にそう言われていた、週明けの月曜日。
「ジョー」と「ジュリー」が既に出勤していた所に加わった私が「ジョー」に指示された『ミキサー部屋』で材料の用意をしていると、見慣れない女性がのっそりと入って来た。
あれ? また『研修』かな?と思ったのだが
「ああ『リオ』、初めてだったわよね?
こちら『ロッテ』よ、
『ロッテ』、彼女が『リオ』ね!」
「ジョー」にそう言って紹介された女性は……そう、一番先に休暇を取っていたという、『カミ』メンバーの中で未だ会ったことのない「最後の一人」だった。
「ロッテ」はコノ国としては地味目な、と言うか、改めて紹介されなかったら「そこらの女性1」で通り過ぎるような雰囲気。
加えて「サラ」から事前に「ケーキ職人」と「保母」を平行してやっていて、将来的にどちらに本格的に進むか考え中……と聞いていたので勝手に「若いヒト」だと考えていた。
ところが実際の彼女はちょっと疲れた印象がある、中肉中背でやはり30代だろうな……という感じの女性だった。
その彼女が一言も言わず、全くアタリマエのように私の直ぐ横で「自分の仕事」をやり始めたので「え?」と思ったのだが、それに真っ先に気付いた「ジュリー」が声を上げた。
「リオ、アナタはあっちよっ!」
……は? 私ですか?
するとその声に『オーブン部屋』に居た「ジョー」が気付いて顔を出して来た。
「ああリオ、今日アナタは私と一緒だから」
……はあ。
うわ~、「ボス」と一緒か~、ちょっと緊張するな~!
でも「ジョー」の仕事は参考になることも多いからエエか~、と思いつつ、私は自分が用意していた材料等と一緒に『オーブン部屋』に移動した。
すると。
別に「その途端」という感じではなかったのだけど……
「ジュリー」と「ロッテ」が
楽しそうにお喋りを始めたのだ…!
特に「ジュリー」の声が大きいのは相変わらずだったが、正直
「ぼんやりした感じの人」
…という印象だった「ロッテ」の声も負けてはいなかった。
それが切れ目なく延々続く。
もちろん、その日「ジュリー」は恒例の「音楽」を一切掛けることはなかった……私の時は真っ先に聞いて来た(参照;『初出勤』の日)のに。
…なるほど「そういう関係」だったのか、と思った一瞬だった……!